何度も書くが、私は日本の大手住宅メーカーの中で、初めて0.6cu/uというC値 (相当隙間面積) と、若干疑わしい面があるが0.9W以上のQ値 (熱損失係数) をコンスタントに達成している一条工務店に対して、畏敬の念を感じている。
日本の名のある大手メーカーの経営者、技術者、それに各大学や建研などの諸先生や技術者が総力を挙げても達成不可能だった難事を、一条工務店はいとも簡単に克服した。
このため、国交省などが推進して行こうと考えているLCCMハウスを中心とする『スマートハウス』なるものが、如何に机上の戯言にすぎず、消費者を愚弄するものであるかを、太陽のもとにあぶり出してくれた。
多くの消費者と共に 「バンザイ !! 」 を叫びたい。
そして、多くの先進的な地場ビルダーが指向していた方針が、如何に正しいものであったかを見事に立証してくれた。 そういった意味では、一条工務店は先進的地場ビルダーのよき仲間であり、本来は《同志》と呼べるもの‥‥。
ところが、地場ビルダーが、《直施工》を武器に達成していた気密性能 (C値) と断熱性能 (U値、並びにQ値) を、フィリッピンの工場で達成しただけでなく、設備機器面でも頑張っているために、結果として価格面でも地場ビルダーの優位性を打ち砕こうとカサにかかっているように見える。
つまり、大手住宅メーカーや地場ビルダーが相見積りで競合することなく、知らないうちに1万世帯以上の消費者がi-cube や i-smart に走っている。
相見積りで一条の施工単価を知れば、大手メーカーや地場ビルダーは本気になって対応策を考え出すはず。 ところが情けないことに、ほとんどの地場ビルダーは一条工務店の単価を知っていない。
また、仮に知った場合でも旧来のやり方では対抗策が見当たらず、「わが社は一条を相手にしていない。一条に不満を持つ多くの人々の共感を得てゆく! 」などと、負け犬の遠吠えでわめくだけ。
私は、一条が提出している《価格》に対して、きちんと対応出来ない地場ビルダーは、次第に消費者から見放され、消滅してゆかざるを得ないと考えている。
一条工務店は、《木軸の老舗》という固定概念を大胆に捨てることによって、大発展のチャンスを掴んだ。
同じように、地場ビルダーも今までの固定概念を捨て去る決意が不可欠に‥‥。
その中でも、多くの消費者を魅了しているのは、決して一条のEPSの反発力を応用した14センチ厚の充填断熱材と5センチの外断熱による0.6cu/uというC値ではない。 また浴室とトイレからの排気熱を捨て、ダブルハニカムによって底上げされているQ値でもない。
「消費者の皆さんは、一銭もの資金を用意する必要はありません。 一条で必要な資金を用意し、たった6.6万円という設置費と、年金利1%という低利な資金で平均7キロワットの太陽光を搭載し、その余剰電力の売電分で、一条が責任を持って設備資金を回収し、何年か後には太陽光設備は貴方のものになります」 という宣伝文句にグサリとやられている。
つまり、国交省や経産省の、やたらと手間暇がかかり、かつ制限項目の多い《ゼロエネ住宅の補助金制度》‥‥つまり税金のムダ使いによらなくても、貴方の家は独力で《ゼロエネが達成できるのです !! 》 との囁きが持つ魔力‥‥。
優れたC値やQ値が、太陽光の搭載によってゼロエネ住宅になるというメリット。
これに、多くの消費者が靡いている。
C値やQ値、あるいは単価は何とか対抗できるかも知れない。
しかし、一条が手にしている太陽光発電と言う差別化商品に対して、地場ビルダーは本当に対抗手段があるのだろうか‥‥。
あまりにも大きな課題を背負って今年の PV Japan 2013 の会場を訪れた。
大きすぎる課題に、最初からギブアップ気味‥‥。
今年の太陽光発電展は、写真のように《再生可能エネルギー世界展》と併設されていた。
この再生可能エネ展は、取り立てて言うほどの内容は無かった。
そして、PV Japan 2013では、一般的な印象として 次のことが言えた。
@今年も相も変わらずメガソーラー熱が高く、半分以上はメガソーラー関係の展示で占められていた。
Aしたがって、中国や台湾、韓国など海外メーカーの展示が多いだろうと期待していたのだが、海外メーカーで目立ったのはカナディアンソーラーとアメリカのサンパワー程度。
中国のサンテック社などは大幅な売上減で、前期は大きな赤字を抱えているせいか出展なし。
B住宅用の需要を重視する日本では、その特殊性に対応するために 今までの矩計の大きなモジュールだけでなく、屋根面全体を利用出来る小さなモジュールや斜めカットされたモジュールの開発が、各社ともに目立っていた。
C従来の各種屋根用留め金具 (写真上) の外に、ソーラーフロンティアが 下部はアルミの型枠のフックに嵌めるだけで、上部は写真のようなワンタッチでの留め金具によるクロスワンという架台を開発し、取付工事を40%も軽減していた。
しかし、太陽光発電では、何と言っても物を言うのが変換効率。
昨年までは、15〜16%の変換効率が主流だったように感じたが、今年はアメリカのサンパワー社の20.1%という高変換効率がひときわ注目された。
ご案内のように、東芝がこのサンパワーと提携し、急激に売上を伸ばし、日本国内での存在感を高めている。
これに対抗して、パナソニックが単結晶系ハイブリッド《HIT 245a》で、19.1%という高い変換効率の新商品を発表していた。
ともあれ、発電効率が20%台に近づいてきていることは、大変に喜ばしいこと。
問題は価格。
1kW当たり、モジュールと接続箱、パワコン、工事費などがセットで、どの程度の価格で消費者が入手出来るか‥‥。
この点については、札幌の《たかちゃん》から事前にメールを頂き、中国系のモジュールを扱うインフィパワー社や ACO Solarなどとメールを交わし、石田ホームなどの協力を得て、ある程度の感触を得ていた。
その結果、パナソニックのHITの19.1%の新商品でも40万円/kW以下というのが当たり前で、一般的にはkW当たり30〜40万円で入手できるということが分かった。
ネット上では、東芝の変還効率20.1%の250Wの新商品で、6kWのシステムで33万円/kWとなっている。HITは5.76kWのシステムで32.2万円/kW。 三菱は5.1kWシステムで31.4万円/kW。 カナディアンソーラーなどにいたっては30万円/kWを切っている。
http://www.taiyo-co.jp/
http://www.solar-reform.jp/item/index.html
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1301/09/news029.html
等々。
さて、ここでもう一度一条工務店のkW当たりの価格を考えてみたい。
国や地方の補助金を別にすれば、私の知っている範囲では7kWのシステムで35万円/kW程度。
もちろん一切の設置費や10年以上のローン負担を考えての価格で、私は今までは格安だと感じていたが、ネット上の現金価格に比べると、特別に安いとは言えないよう‥‥。
そして、1.5寸勾配の7kW一条工務の太陽光の年間発電量は、東京だと6200kWh程度。 うち売電を4400kWと考えると、今年の38円の売価で完全に償却出来るまでに約13年間近くかかる。
来年度の売価は本年度より売価が4〜6円は低く抑えられるであろう。
とすれば、おそらく完全償却を終えるまでに18年以上はかかる勘定になる。
そうなれば、一条工務店の「無料で太陽光が搭載出来ます」と言う宣伝文句は、それほど魅力的に感じられなくなるのではなかろうか ?
そして、会場内を見て回っているうちに、面白い存在を発見した。
それは、P.V.ソーラーハウス協会。
http://www.pv-solar.co.jp
この協会は国交省の認可を得た一般社団法人ではなく、どうやら任意団体らしい。
ともかく、一般の工務店が安く太陽光発電のシステムを導入するための窓口として16年前に設立されたもののよう。
主な目的は、PVの営業、設計、施工のノウハウの研修と共同購入。
上のホームページを開くと会員社は全国に160社近くいる。
正会員になるためには年間31.5万円の年会費を払わねばならない。
しかし、営業、設計、工事の教育や指導は行ってくれるし、協会は5%の経費を乗っけるだけで安く資材を購入出来る。 そして、現金払いだと本部経費は4%に、さらに前途金私だと本部経費は3%になる。
その結果、上記URLの中の「PV市場.com」をクリックすると、前途金だと4.0kWのシステムだと中国産のシステムだとセット価格が13.75万円/kWで、4.5kWのシステムだと13.77万円/kWで一切の資材が入手出来る。
中国産ではなく国産の東芝とか京セラ製品だと4.8kWシステムだと19.46万円/kWで入手出来る。 もちろん、各社の20年間の性能保証込みで。
この数字は、どこまでも前途金での入手価格で、これに工事費と研修費や年会費を含めたビルダーの粗利が上乗せされる。
その工事費と粗利が、乱暴な計算だが50万円と仮定すると、中国産モジュールだと25万円/kWということになり、国産のモジュールでも30万円/kW以内ということになる。
ともかく、Q値が0.9W以上の性能を持ち、C値が0.3cu/uの気密住宅であれば、とくにデシカを採用した住宅であれば、3〜4kWのモジュールで間違いなくゼロエネルギー住宅が達成できる。
75〜120万円の資金手当てさえ用意出来れば、20年近くかけて払い終えるのではなく、4kWで変換効率が20%のシステムだと 即年間5〜6万円程度の現金が稼げる勘定に‥‥。
ただ、蓄熱に拘り、LCCM住宅に尻尾を振っている同協会が、どれほどゼロエネ住宅にとって貢献的な存在になり得るかは、現時点では不明。 各種の研究発表を見せてもらったが、残念ながら納得出来るものではなかった‥‥。
いずれにしろ、太陽光発電で欲をかいてデザインを無視し、シンプル・モダンに拘る必要は一切なくなったと私は展示会場で感じた。
あと2年もすると、変換効率は20%以上が当たり前になり、価格は20万円/kWを切る時代がやってくる。
そして、すべての新設住宅をゼロエネに変更させねばならない。
それを誘導するのが役人と学者の仕事。
その実現を求める権利が消費者にある。
そして実現化させねばならない義務が、太陽光メーカーをはじめとして住宅会社、地場ビルダー、設計事務所にある。
だが、それを義務だと実感していない企業人が、なんと多いことか‥‥。


一条のi-smartで契約して ようやく設計が終わって上棟待ちです。 メーカー選定の際には、鵜野先生のブログのほか一条ユーザーブログ(サスケさん達)で勉強させていただきました。
さて、一条の太陽光パネルの価格の件です。
今年の買取価格の改定に対応して一条も値下げしたようで、私の場合は設置工事費込みで14kw 430万+税(31万/kw弱)でした。(あと電力会社のトランス設置費など必要になると思います)
パネル単価としては、29万という話もあります。
http://ameblo.jp/y0102027/entry-11473380836.html
もともと将来的にパネル価格が値下がりするという前提で、電力の買取価格も段階的に引き下げる考えですから、消費者としてはエイッと覚悟を決めて投資する必要がありそうですね。
(とはいえ、このまま原子力発電所を停止して火力発電を利用し続けるなら、電気料金自体が高止まって 買い取り価格が下がらないかもしれませんが)
日本人は戦前から石油に振り回されてきたのを知っているか?太平洋戦争を何故起こしてしまったのかというふざけた話が跋扈しているが、これは対日禁輸政策で石油がストップされたから。その恐怖から戦後日本は原子力政策を進めてきたが、3.11の悲劇により進展は難しい。大体、石油が情勢不安なアラブに偏在し、石油価格はそれで変動してしまい、シーレーンという莫大な資金を使う防衛構想も描いた。
しかし、ようやくそんな教訓から再生可能エネルギーに目が行きだしてふたを開けるとエネルギー密度が小さい太陽光が花盛り。この国家は国家を愛しているのか?