2013年07月20日

何故デシカに拘るのか?  温湿度をコントロール出来る快適さ!!


家庭用デシカは、本体価格だけで定価が100万円と高く、ダクト工事を含めるとえらく高価なものになる。 しかも重量は130kgと重く、小屋裏どころか2階へ上げるのも一苦労。 全く業者泣かせの代物。
おまけに200φのダクトが必要というので、大手住宅メーカーや地場ビルダーから軒並みそっぽを向かれている。
今までに、ダクトを使うダイキンの 《除加湿機能付きセントラル空調換気システム》 を 全面的に採用していたのは、かつてのハーティホームぐらいで、スウェーデンハウスが一部扱っていた程度。
このため、ダイキンの営業関係者で 住宅用ダクトに明るい人間は、東京ダイキンエアテクノ以外にはいなかった。 その東京エアテクノも2人の女性設計技術者は1年前に辞め、現場管理に明るい技術者は担当を変えられて誰もいなくなった。

ハーティホームを辞めて、中部、四国、九州の各県のエアテクノで、「エアカルテット・プラス」の良さを話すチャンスを与えられたが、どの県にも住宅用エアカルテットのダクト工事を経験した者が一人もいなかった。
たしかに、ビル用ダクトの経験者は各地のエアテクノにはいたし、HVACという販売店にはビル用のダクトを設計の経験者は多数いる。
しかし、彼らは吊り天井のビル‥‥つまりQ値が2.7〜4.5W程度の断熱性能の低い建築物を大前提に考えさせられており、長いダクトを開口部のそばまで引っ張って行っての天井面から吹出す方式が全てだと考えている。 2階も同じことで、屋根断熱を大前提にした窓際まで引っ張っていって 天井面からの吹出しが常識。 
そして、トイレ・湯沸かし室からの排気は個別間欠排気で、リターン・エアーは階段室などで取っており、OAとEAはカナダのように最低1.8メートル以上離して設置しなさいとか、出来れば別々の壁に設けなさいという基本原則が強要されていない。 このため、地所ホームのOAとEAのように、平気で並んで設置されている。
こんな仕様が日本では大手を振って通用しており、セントラル方式を採用した病院などでは、院内感染に悩まされる最大の原因に‥‥。
これはダイキンだけではなく、ナショナルにしても三菱にしても、あるいは東芝、デンソーにしても基本的に変わらない。 
ダクト工事に関しては、ビル用の旧来の慣習を守り、それを住宅に押し付けることで十分にことが足りると、未だに考えている。

北米では、住宅の100%近くがセントラル空調換気システムを採用している。
日本のような個別エアコンは、モーター・イン・ホテルぐらいでしか見かけない。 大きいだけで、やたら騒々しいのが個別エアコン。
これを嫌って、ほとんどの家庭がセントラル空調換気システムを採用。
私が最初にアメリカの建築現場を見た時は、204の内壁で16インチ間隔 (約40.6センチ) のスタッドの内に、亜鉛鉄板で作った平べったいスパイラルの角ダクトを半地下の機械室から2階まで上げているのをよく見かけた。 もちろん楕円形のオーバルダクトもあったし、T管やY管、エルボやチャンバーもあった。
だが、基本は板金屋が加工してつくるスパイラルの角ダクトが主流。 つまり、GEなどの初期のセントラルシステムのダクトは、どこまでも平べったい角ダクトで構成されていた。

そして、日本で最初にセントラル空調換気システムを採用した時、ダクト工事を手掛けてくれたのはビル用業者。
つまり、断熱性能が低く、吊下げの天井での経験しかないために、小屋裏の断熱・気密スペースの外側部分にダクトを配し、ダクトに結露を起こして2階部分は全面的にやり直さねばならない瑕疵物件が2つも出た。
それよりもひどかったのは、天井面に付けた吹出し口。 夏に真下へ行ってみると、滝のように冷気が落下している。 そこで、「ファンに工夫が凝らしてあり、直に冷気が落下することはありません」 と書いてある3種類のファンを買って来て、実物実験をやって見た。
結果は、3点とも失格。
念のために、ダイキンの技術部長に頼んで、プラスチックの微細な粉を撒いて、空気の流れが良く分かるスプレーを借りて、粉を撒いて実験をやって見た。 そしたら、いずれも分散することがなく、絵に描いたように真っ直ぐ床に空気が落ちる欠陥商品ばかり。
これを見て、ダイキンに限らず、ビル用のダクト設計士は 随分といい加減な人間の集団だということが分かった。
彼らは、ビルのオーナーに引き渡すだけ。 そのビルのテナントの女子社員がどんなに困っているかという意見は、一つも聞いたことがない。
つまり、天井面から直落下する吹出し口に対するテナントの不満の声が、一切設計士に届いていない。 このため、天井面から吹き降ろせば良いというマスターベーション野郎の意見が、未だにまかり通っている異常な世界。

ところが住宅となると、このような入居者無視は絶対に許されない。
直に強い冷気が当たるようなセントラル空調ダクト方式だと、全ての奥さんから矢のような苦情が舞い込んでくる。
そこで、苦情が一番少なく、直接冷気や暖気に襲われることなくして全館にソフトな空気が行きわたるようにと考案されたのが、ハーティホームの廊下側の最上部から窓に向かって水平に空気を送りだす方法。
Q値が1.4W以上の住宅にとっては、この方が頭の上を冷気や暖気が通過し、一番断熱面で弱い窓に当たってリターンするので好都合。
かくて、セントラル空調換気方式の評価は倍加した。

そして20年ぐらい前から、アメリカを中心に従来のスパイラルの角ダクトに変わって、ピアノ線を巻いて、不織布ないしは樹脂フィルムを巻き付けたフレキシブルダクトを、25ミリのグラスウールで断熱した200φの消音用と保温用のダクトが主流になってきた。
暖房だけで良い北欧と異なり、冷房が主力のアメリカでは、フレキシブルダクトが不可欠になってきた。
この、新しいアメリカのダクト事情を調査するために、2週間に亘ってアメリカの現場を私は自前で徹底的に調査した。
その結果、ハーティホームは日本では他社に先駆けて平行弦トラスの採用に踏み切り、関東ギャングネールトラスに発注した。 《同業他社に真似されることは光栄だ》 というオープンな姿勢を貫いたが、真似が出来る業者は皆無だった
他社はアメリカにおける新しい技術革新の動きを調査せず、せいぜい212のIジョイストの支点より離れた位置でダクトを貫通させることで満足していた。
この結果、日本においては平行弦トラスを採用したハーティホームのセントラル空調換気システムが、首都圏では寡占状態を示すようになった。
つまり、空調メーカーは、フレキシブル時代になっても、アメリカのイノベーションの研究の意義を理解しなかった。

こうした中で、ビル用のデシカが生まれた。
RC造のQ値 (熱損失係数) は3.0W以下と悪い。 しかし、気密性は1.0〜2.0cu/u以上はあり、ビル用のデシカはそれなりに機能した。
これを、住宅用に改良する時、ダイキンは基本的なマーケテング調査ミスをやらかしたと私は考えている。
1つは、一条工務店のロスガード90の成功例に倣って、70センチ角で高さ1.3メートルの床置きにしたこと。 一条の床置きは自社開発の分配器も3尺角の物置に収納出来ているが、ダイキンのベンティエールとデシカは独自の分配器を開発していない。
したがって、3尺の空間を占めているのは130キロと過剰機能を詰め込んだ本体だけ。
ここから当該階と別の階へダクトを送ろうとしてもうまく送れない。OAとEAの位置も1.8メートル以上離すのが困難に‥‥。
つまり、床置きにしたメリットはほとんど感じられず、これだったらビル用の天吊りの方がどれだけ効果が高いことか。

2つは、大手住宅メーカーの気密性能は、2.0cu/u以下と非常に低く、気密性を求めるデシカは本質的に大手には受け入れられない商品だということ。
たしかに、Q値は最近ではトップランナー方式の影響を受けて、1.9Wと改善されてきている。しかし気密性能は、未だに2.0cu/uさえコンスタントに切れない情けない有様が各社の実態。こんなメーカーが、家庭用デシカの販売対象になるだろうと皮算用をはじいたことが そもそもの大間違。
そして、一条工務店をはじめ全国にはC値が1.0cu/uを越える住宅が2万戸は売れている。そういった高気密住宅のマーケットの実態調査をダイケンはやっていない。
したがって、本来は多くいる消費者層から、遠く離れたところでバタ足を繰り返しているだけで、浮上出来そうな気配はない。
そして、これからのQ値0.8〜1.0Wの高性能住宅にあっては、果たして200φのダクトが必要かどうかということが問われている。
千葉・石田ホームは26坪の平屋だが100φのダクトで2kWの空調機1台で全館空調換気を行うというトライを始めた。
この動きは始まったばかりであり、年間を通じてのデーターが得られない限り過度に評価するわけにはゆかない。
しかし、120〜150φの消音ダクト、保温ダクトの開発は、真剣に検討する価値があると思う。

そして、カビ掃除のために塩素系洗剤が使われる可能性が高いので、素子がイカレル怖れがあるので、浴室やトイレからの24時間排気は絶対にダメだと、幼稚園児のようなダダをこねている。
こんなダダッコでは、住宅用として売れる訳がない。

それよりも何よりも、ダイキン自身がデシカの本当の良さを営業の第一線や工場の全ての従業員が理解しておらず、自社製品に惚れていない点に最大の問題点がある。自分でデシカを買って、付けている者がほとんどいない。
つまり、その有難さが社員にも理解されていない。
S邸で、ダイキンがデシカのデーターを取り始めて、今年の夏で丸4年目になろうとしている。 ところが、ダイキンは全てのデーターを握りつぶしていて、一向に消費者向けに発信しようとしなかった。
S邸も私も、ダイキンからデーターを公開しないようにと口止めされていたので、今までは何一つ発表してこなかった。
しかし、ダイキンが余りにも消費者に対して最低限の必要情報すら発信しないので、このほど2010年12月から2011年3月までの冬期温湿度記録と、2011年8月のS邸の真夏の記録だけを、ムリヤリに発表させてもらうことにした。

2011-8.jpg

まず、2011年の8月の室内外の温湿度の記録。
資料が古くなって、シワがあるのはお許しあれ。
室外の相対湿度 (薄い緑に近い青線) は平均して60%を超えており、21日と22日はなんと95%を超えている。
一方室外温度 (橙色) は、前半は30℃を越えており、後半は30℃以下。
そして、室温は一貫して27〜28℃で、相対湿度は40%前後。 つまり室内の絶対湿度は9グラム前後。
皆さんは、こんなスカッとした、爽やかで涼しい夏を経験なさったことはありますか ?
ともかく、熱帯夜はないし、熱中症にかかる心配も皆無。
故玉置宏氏が口癖のように言われていたことだが、「家の中で毛布をかけずにうたた寝しても、絶対家では風邪をひかない。 つまり、ラジオで毎日おしゃべりするのが仕事の私にとっては、本当にかけがえのない住宅です」 と。
また、S邸の奥さんは、「この家が完成してから6年近くなりますが、家の外で布団を乾かしたことも、洗濯物を干したことがありません。布団を乾かさなくてもいつもポカポカ。洗濯物は朝までに乾いてくれる。したがって窓を空ける必要がなく家の中の拭き掃除は月に1〜2度ていど。そう言えば、サッシは一度も拭いたことがありません。それで汚れがほとんどない。こんなに奥さん孝行な住宅はありません」 と。

つまり、今までの日本人の常識を破ってくれるのがデシカの家。
家そのものに手間暇がかからなくなった分、ご夫妻とも外出はしょっちゅう。 したがって家に閉じこもっているのではなくよく外を出歩いていて忙しい。 活動的になったということ。
そして、どんなに遅くなってもホテルには泊らず、必ず自宅へ戻ってくる。 いかに一流のホテルとは言え、空気質や温湿度はわが家の足元にも及ばず、安眠して心身のストレスを発散させるには 《わが家が一番》ということ‥‥。

OS邸冬期温湿度.jpg

これが、2年前の冬期の室内外の温湿度。
よく見ていただくと、室温が21〜22℃程度で、相対湿度が40〜50%の間で推移していることが分かる。
本当は、冬期の相対湿度を50〜55%としたいところ。 しかし、6年前に準防火地域に建てられた住宅なので、45%を越すと網入りガラスに結露が発生してしまう。このため45%に抑えている。
理想は室温が20℃で相対湿度が50〜55%。 
これだと、ウィルスの発生が防げるし、冬期に家で風邪を引く心配は皆無に。

私は、冬暖かい家づくりというのは、業界としてはとっくに卒業したと考えている。
そして、一条工務店の太陽光でエネルギー費がゼロという家も、特別珍しいものではなくなってきている。
次の課題は、ゼロエネルギーで除加湿が完全に管理できる住宅。
それには、現在の家庭用デシカのようにやたら重装備のものではなく、小屋裏に簡単に設置出来、150φ以下のダクトと3kWの空調機が1台でよく、太陽光は4kWのものが70
万円程度で簡単に設置出来る住宅であるべき。

そうすれば、すべての人々が、夏の高温多湿と冬の過乾燥に悩まされることがなく、ストレスが大幅に解消してS邸の快適さを味わうことが出来るようになる。

家庭用デシカは、もう一度ニーズを徹底的に洗い直し、再設計をして生まれ変わる必要があると言うのが、私の結論。




posted by uno2013 at 11:24| Comment(2) | 除加湿・空調・換気 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月25日

セントラルシステムのデシカが故障したらどうなるの ?



残念ながら、私は未だに家庭用デシカを採用した実績がない。

昨年来、多くの消費者の皆さんから相談をいただき、それなりに努力をしているのだが、残念ながらチャンスに恵まれない。
また、オリエンタル社にも多くの引き合いがあり、数多くの見積書を提出しているようだが、具体的な施工体験談は聞いていない。
したがってこのテーマに対して、本来は発言権を持っていない。
しかし、アダチさんからの質問には、セントラル空調換気システムに対する疑問とともに、デシカによるセントラル空調換気システムでデシカが故障した場合の対処法への疑問も含まれていたので、身のほど知らずとのお叱りを覚悟の上で現時点での考えを述べてみたい。

換気システムには、空調機のようにガスが抜けるという致命的な欠陥がないので、それほどクレームに見舞われることはない。
これは、過去20年以上の実体験で断言出来る。
ただ、本来の換気とは別の透湿膜加湿という加湿に関しては、水道水の中のカルキで電磁弁が閉鎖しなくなり、「水が垂れ流しになる」 という事故が私の把握している範囲で数回発生し、多くの皆さんにご迷惑をおかけしたのは紛れもない事実。
この透湿膜の生産が中止され、これに変わるものとして昨年オリエンタル社がフロンティア産業と話を付けて開発してくれ、2012年5月15日付のブログ・今週の本音の「ハーティホームのOB客に朗報。3.2万円+出張費でエレメントを交換」 の中で詳報したように、大きな解決策を用意してくれた。
透湿膜がなくても、30〜35%の冬期の相対湿度の確保にメドが立った。 価格面でも透湿膜を取り換えるよりは安く、正に朗報だと思う。

しかし、今までの換気システムと異なり、熱の回収よりも湿度の回収力に期待が寄せられているデシカの場合は、今までの換気システムとは同一視出来ないのは間違いない。
現に、開発関係者が異口同音に、「浴室からの排気をデシカへ戻すことは原則としてお断り」 と言い続けている。
たしかに、浴室のカビ退治に塩素系の洗剤を使われると、吸湿材のデシカント系のエレメントが故障する心配があるのは事実と考えねばならない。
したがって、今までの全熱交の植物繊維系のエレメントと異なり、デシカに関しては 「換気装置は簡単に壊れませんよ」 というわけにはゆかないようだ。

浴室にカビが生える最大の原因は、浴室から24時間連続排気をして、常に浴室を乾燥状態にしておかないことにある。
北海道をはじめ、スウェーデンやカナダから換気を学んだ初期の高気密・高断熱業者は、「浴室、トイレ、台所などダーディゾーンからの24時間排気」 は常識中の常識。
したがって、浴室やトイレ、台所にカビが生え、塩素系洗剤を使わなければならないという状態はほとんど起こっていない。 今までに浴室のカビが大問題になったという話は、一度も聞いたことがない。
これに対して、昨年までに発売されたほとんどの全熱交は、浴室やトイレからは24時間連続排気をせず、部分的な間欠排気を奨めている。
この全熱交にこそ、カビが発生するという大きな問題点が潜んでいると、私は今でもかたくなに信じている。
これと同列の状態にデシカを置くことには、私は絶対に賛成出来ない。
浴室からの24時間連続排気を断るのだったら、デシカは使えないし、使わない。

S邸では、業務用のデシカを採用して今年の夏で丸4年になる。
匂いが移転しないように光触媒をRAダクト、つまりリターンダクト内につけ、ダーディゾーンからの24時間排気を行っているが、現時点で問題らしい問題は何一つ発生していない。
つまりカビが生えるとか、悪臭に悩まされるなどという問題は皆無。
ただし、一昨年の秋に東京支社のS邸の担当者が変わり、新任者はデシカを良く知っていなかった。このため秋に冬期用の温湿度設定に切り替える時、湿度設定を間違えるというとんでもないヘマをやらかしてしまった。
それまでのS邸は、内壁の隅部や造作材やムクの床材にスキマが一つも生じない文字通りのクレームレス住宅だった。
それが、湿度設定ミスで相対湿度が30%を切り、ムクの厚い天板が反るという修復不可能なみっともない事故を起こしてしまった。
このため、一切のメンテナンスをオリエンタル社で出来るように、開発担当者にお願いして 特訓のレクチュアーを行ってもらった。

こうした失敗の経験も積んで、私は光触媒システムを採用したデシカで、ダーディゾーンからの24時間排気を大前提にしたダクトによるセントラル空調換気システムこそ、現時点で得られる最高の快適性を担保出来る住宅だと確信している。それ以外ではデシカを採用したいとは考えていない。
もちろん、住宅の熱損失のQ値は 東京以西にあっても0.9W/u以上であり、気密性能のC値は少なくとも一条工務店のように0.6cu/u以上でなければならない。
つまり、一条の i-smart や i-cube に匹敵する性能を持っていないと、これからのゼロ・エネルギー住宅時代に対応出来ない。 そこいらのスカスカのプレハブ住宅では、デシカの機能が最高に発揮することが不可能だと考えるから…。
こうした、高い性能を持った断熱・気密住宅を大前提にして、私はデシカの採用を考えているし、ついでにデシカや空調機の万が一故障した場合の対処法も考えている。

さらに、私の前提条件は続く。
私は、ダクトを大前提にしている以上、家庭用デシカの需要開発は容易なことではないと腹の底から痛感している。
鉄骨系のプレハブ住宅は、200Φのダクトを配するスペースが皆無。
S邸を見学した消費者の方が、3年前に i-cube でダクト方式のデシカによるセントラル空調換気システムを考え、中部地域の一条工務店の支店の技術者を巻き込んでトライしたが、梁のためにダクトはいびつな径路を辿り、ダクトのための下がり壁も多くなり、決してみ見た目の良いものではなかった。そして、最終的には本社の許可が下りず、トライは挫折した。 したがって、i-cube や i-smart にデシカを搭載することは不可能だと考えている。
日本でセントラル空調換気システムを売っているのは 地所ホーム、三井ホーム、東急ホームなどツーバィフォー業者に限られている。アメリカやカナダでは100%がセントラルダクト方式。 したがって、「セントラル空調は出来ません」 とはメンツの問題もあって言えない。
しかし、それ以外の輸入業者やツーバィフォー業者にしても、ダクトを経験した設計者や現場監督、さらには空調工事の経験者が不在。 木軸の場合にはより勉強不足で、日本の住宅へダクトを持ち込むことの困難さは想像以上。
その肝心のことを電気屋と機械屋の技術集団であるダイキンは分かっていない。 つまり、本当に経験を積んだプロの建築技術者がいない。

したがって私は、昨年 (2012年8月30日) のブログ・今週の本音の 「米・グットマン社を買収したダイキン…」の中で次のように提案した。
日本住宅ではセントラルダクト方式があまりにも普及していない。このためダクトを前提にしている家庭用デシカの普及には時間がかかるであろう。
折角グットマン社を買収したのだから、フロリダ半島をはじめとしたアメリカ東南部地方では除湿機能が抜群に優れたデシカは大歓迎されるはず。 そこで実績を積み、日本へ再上陸させた方がデシカの普及という面では最善かもしれない……。
不幸にも、私の危惧が当たるかもしれない…。
日本では130キロと重い家庭用デシカを小屋裏3階へ上げるのは容易ではない。
しかも、セントラル空調換気システムの場合は、小屋裏で1.4メートルの高さでよいから最低4畳以上の機械室が欲しい。北米やドイツのように地下室ないしは半地下室が使えれば最高なのだが…。
そこまで考えると、価格的にもデシカの採用はスムーズにはゆかない。
したがって、最悪の場合は家庭用デシカではなく、業務用デシカで対応出来ることまで考えておかねばならないのではないかと私は考えている。

結論を急ごう。
250m3のデシカには、約1kWの空調機能が付いていると聞いている。
したがって、Q値が0.9W/u以上の住宅で、C値が0.6cu/u以上の住宅であれば、例え空調機が壊れたにしても1〜2日であれば、デシカだけで十分に快適な生活がおくれる。
逆にデシカが壊れたにしても、2日程度だと換気が無くても換気不足で気分が悪くなるとか、窒息死するなどということは絶対に起こらない。そして、除加湿機能は一時的に失われることはあっても、空調機まで同時にやられるということは起こり得ない。
つまり、デシカによる空調換気システムを採用し、きちんとしたアフターメンテナンス契約を結んでおいていただければ、デシカがダメになった場合でも、また空調機が故障した場合でも、施主はバタバタと慌てて心配する必要がない。
これが、私の結論。


しかし、今年の1月に北関東のDさんからメールがあり、10数年間は浴室ユニットにカビが一つも生えなかったのに、昨年以来カビが生えて困っているという深刻な問題提起があった。
たしかに、浴室ユニットの場合は裏へ水が回り易く、カビが生えやすいものもある。そして、一度塩素系の洗剤でゴシゴシ擦るとユニット素材の撥水性が失われ、浴室の床が乾かずカビが生え易くなることも考えられる。
Dさんの問題提起には、浴室ユニットメーカーから何一つ解答が寄せられていない。したがって、対処方法は未だに不明である。
だが、そういったことも考えて、浴室の換気には十二分に配慮する必要があるようだ。


posted by uno2013 at 12:16| Comment(0) | 除加湿・空調・換気 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月30日

快適性の伝播は体験のみ…。なのにデシカの体験棟がない。


今、まさに“春の住宅商戦”の真っ只中。
第一線の設計や営業は、勝負のゴールデンウィークを迎えてテンヤワンヤでしょう。

昨日、久しぶりに52棟を展示しているABCハウジング立川総合展示場へ行ってきました。この展示場は場所が広いので、2棟以上展示しているメーカーが多い。
へーベル、ミサワ、ダイワ、セキスイ、ハイム、スウェーデン、パナ、住林、住不など代表的な大手はほとんど。 なお、3棟を展示しているのが2社。三井ホームと一条工務店。
会場全体がゴールデン・フェアに賑わっていて、どの展示棟を観るかは正直なところ気分次第という感じ。 奥さんが「落ち着いた感じね」 といえば入って見るし、お嬢ちゃんが「この家、カッコイイ」と言えば入って見る。家族の識美感と雰囲気に合わせて流されている。
目的を持った客や打合せ客の場合は、最初から目的棟に向かって一文字に歩いてゆく。 それ以外の半分は冷やかし組。 
「どの展示場に打合せ客が何人いるかを 直感で当てるのがプロだ」 と言われたことがある。
それ以来、そういった視点で客の流れを捉えてしまう癖がついた。。

高気密・高断熱住宅にとっては、かつてはその快適さを消費者に理解して頂ける唯一の場所が総合展示場だった。 何かを感じてもらわないかぎり、話が一歩も前へ進ませられない。
最初に、「あれ…」と違和感を覚えてもらうために、玄関のドアは閉めていた。
「高気密住宅はドアを閉めておかないと外部の冷気や暖気が入って、家の中の温度がかき回されて不愉快になるからです。 それに、外部騒音をシャットアウトするため…」。そして、わざとドアをあけ、「ごらんなさい。表は音楽やらなにやらで、結構うるさいでしょう」と体験してもらえば、ほとんどの人が納得してくれた。

その次は、一切の「スリッパ」をやめたこと。
とくに冬は、「この家は床暖房しているの…」 と必ず聞かれる。
「24時間全館暖房していると、蓄熱して床暖房と同じ効果が出てきます」
といってレザー温度計を取り出し、一階の床と吹抜けの2階の天井の温度を示して、「ほら、たった1℃の温度差しかないでしょう。 この家は、温度差がないマジックのような家なのです」 と興味を持ってもらう。
そして、お客の後について回れば、いろんな質有意義が発せられる。この質問は、お客が何に興味を持っているかが分かるので有意義。 しかし、その場ではポイントだけの説明に留めて、「あとで資料をもとに詳しく説明させていただきます…」と、一旦とどめて置くのが正解。

そして、一通りの案内が済んだら、空いているところはとこでも良い。
決して応接セットでなくてもいい。 台所のセットでも良いし、和室のテーブルでもよい。必要なことは、その空間に最低1時間、出来たら2時間滞留してもらうように頑張ること。
その1時間から2時間の最初に、できるだけ分かり易くQ値やC値の内容と重要性を理解してもらう必要がある。 いいでいか、Q値やC値を口で説明することではありません。 自分の体験に照らして理解してもらうことこそがポイントなのです。

「一般的な次世代省エネ基準のプレハブのQ値が 2.7W程度です」 とは誰にでも言える。
 Q値が2.7Wということは、壁の断熱材がこの程度で、天井および床の断熱材にはこの程度のものをこの程度使っています。 そして開口部にはこんなサッシを使っている者が多い。これを計算したのがこの数値表。
これに対して、Q値が1.2Wのわが社ものは、この資料に書いてある通りで、まず壁の断熱材が厚い。 そして、サッシの性能がまるきり違う
これが標準的な当社のQ値計算書ですから、どうぞお持ちください。 
「ところで、Xさんの現在のお住まいのQ値は、一体いくら位のQ値だと思われますか…」 と内容を聞き出して大雑把に計算して上げる。
「ヘェー、私のマンション (またはアパート) のQ値はこの程度なの。だとしたらこの高気密住宅はすごいじゃん…」と、初めて体験的に理解してもらえるのです。

こうして、1時間から2時間。除加湿機能付きのセントラル空調換気を体験してもらいます。 
夏は、今までの天井付きのクーラーの痛さが全然なく、それこそ軽井沢の爽やかな涼風が、身体の芯にへばりついていたストレスを吹き飛ばしてくれます。
冬期は、無垢の木や壁まで過乾燥に悲鳴を上げている。ギシギシと泣くのは収縮に伴う悲鳴以外の何ものでもありません。その悲鳴がなく、空気が潤んでいて、奥さんのお肌と壁や無垢の木と一緒に喜んでいます。
これを経験した人のみが、高気密住宅の購入者―者になってくれるのです。
そんな仕掛けを持った展示場が、立川には少なくなりました。

しかし、立川の場外で、いま一条工務店の i-smart の体験棟が、毎週希望者で目白押し。
体験棟の方が、一家で最低8時間以上は新しい空気質とそのソフトさを体験できるのですから、効果的。

「快適空間と言うのは、口では絶対に伝えられません」。 

体験し、納得して頂くしかないもの。
その意味では、展示場とは別に全国に100棟余の体験棟を作った一条工務店の決断力には頭を下げるしかありません。
この体験棟こそが、一条工務店の i-smart の爆発的な人気を支えています。

これに比べて、デシカのソフトさを体験することが出来ない消費者が、大変に困っています。
このままでは普及が覚束ない。


posted by uno2013 at 15:16| Comment(0) | 除加湿・空調・換気 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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