2013年12月05日

家庭用デシカに対する質問に答えられるほどの実績が‥‥


住宅用デシカにたいする質問をいただいたので、ネットフォーラム欄で私なりの返答を書いていたのですが、前回のブログの不確かさの指摘を受け、話がそちらへ流れたので、この欄でまとめて取り上げたいと考えます。 
同じことを何度取上げるつもりだ、と怒られる向きもありましょうが、今一度お付き合いを。

家庭用デシカは、いきなり生産されたわけではありません。
ダイキンが業務用デシカを開発してマーケットへ投入したのは5年前の2008年か、その前年だったはず。 いずれにしろ業務用デシカは、2008年の 「省エネ大賞」 を得ている。
そして、翌年には滋賀工場内に2億円を投じて《エコラボ》と称する家庭用デシカの実験棟を建てています。
この実験棟は、大手鉄骨プレハブに依頼したもので、気密性 (C値) は0.8cu/uとR-2000住宅クラスだったが、熱損失係数 (Q値) は0.8W〜2.7Wと、内地で求められる最高値に近い性能から次世代基準までに対応。
必要に応じて、自在にQ値をアジャスト出来る内容だった。
そのエコラボの見学と、デシカに対する知識を深めるため 北洲の3人のトップと私が滋賀工場を訪ねたのが2009年の年末。 その様子は、2009年の12月20日付のこの欄で紹介してます。

ダイキンとしては、Q値が0.8Wの層から2.7Wの層までの需要を睨んでいた。
その、0.8Wクラスの層の意見を聞く機会として、北洲と私が呼ばれたのだと思う。
そのほかに、1.9W〜2.7Wを狙うプレハブ各社も当然のことながら呼ばれていたと推測。 そして、プレハブ各社も非常に高い関心を示したはず。 
だが、湿度を完全にコントロールするには気密性が物を言う。 
業務用はRC造が多く、気密性能は高い。 したがって抵抗なく受け入れられたが、プレハブなどの大手住宅メーカーにとっては、次第にこの気密性能が重荷になってきたはず。
そういったこともあって、家庭用デシカの開発は当初よりもかなり遅れることになった。

私が最初にデシカに取り組んだのは、Q値が0.9WのS邸。 一条工務店がダイキンに仕様書発注をし、鳴り物入りで売り出した《ロスガード90》。 何しろ全熱交で、夏期の潜熱も回収してくれる優れ物として前評判がやたらに良い。
これを、単なる換気装置として使うのではなく、「セントラル空調換気システム」 として採用したいとダイキンエアテクノ東京に頼み込み、一条工務店の許可を得てS邸など2棟に採用してみた。
ところが、潜熱まで交換するせいか、相対湿度が60%以上と高くて とてもじゃないが快適な生活は出来ない。 設定温度を25℃にして、やっと相対湿度が60%。 
こんな冷気の中での生活は身体に悪いと言われて、クーラーを除湿力の高いアメニティビルトインに変えざるを得なかった。 
それでも、Sさんは9年前のダイキンの初期の除加湿機能システムの方が良かったと言われるので、ダイキンに頼んで業務用デシカを2010年8月に入れてもらい、1年間に亘ってデーターをとってもらった。
そのデータの一部を、今年の8月15日付のこの欄で紹介している。
2011年の8月は、平均して室温が27℃で、相対湿度は40%。文句なしの快適さ。 男で、面の皮の厚い私は、32℃で相対湿度が30%の方がより快適に感じる。
一方、12月から3月までの冬期は、室温が21〜22℃で、相対湿度が45%。 もう少し相対湿度を上げたいところだが、準防火地域でサッシが限定され、45%を超すとサッシに結露が生じてしまう。 このため、45%をキープ。

業務用デシカだから、最初から空調機、加湿器、分配器ともども吊下げ方式。 そして、マイスターハウスは消音のために床に工夫を凝らしてくれていた。 床を張ったのは小屋裏の一部に過ぎなかったが、それ以外の部分には断熱材の端材を詰めるなどをして、消音に配慮してくれていた。 
このため、最初から音に対するクレームはゼロ。
そして、1階の同居予定の母のために造った浴室は、現場作りで腰壁から上は青森ヒバで仕上げており、2階の広い浴室はこれまたレッドシーダーの無垢材仕上げのため、天井面に結露水がつくことがなく、したがってカビの胞子が育つことは皆無。
つまり、S邸は結露が皆無の家で、浴室からの24時間排気を行ってもデシカの素子が塩素系の洗剤で痛めつけられる懸念は無し。
そして、エアテクノ東京は、便所からの24時間排気を考えて、RAダクト内に簡易な光触媒機能を設置してくれていた。
このため、業務用デシカに変えて問題点は、一度冬期の除湿数値の設定を間違えた大チョンボ以外では、何一つ問題がなかった。
そして、価格はかなり抑えられるという見通しを聞いていたので、私の意見は家庭用デシカ待望論一辺倒となってしまった。

この、S邸の業務用デシカの採用より半年程度の遅れで、家庭用デシカが北洲の2つの家庭で実験的に採用され、データがとられた。 
その報告書をダイキンから見せてもらったが、施主の家が仙台とか、北上と遠かったので、ズルをした私は現場を見ておらず、施主の率直な意見も聞いていない。 
それどころか、北洲の技術担当者からも、細部の意見を吸い上げていなかった。
つまり、家庭用デシカに対する真剣さが足りなかった。 もっともっと突っ込むべきであった。 そして、いち早くに問題点を発見し、メーカーに改良を要望すべきだった。
それを行わず、「家庭用デシカの発売時期だけにこだわっていたのは怠慢だ」 といわれても、言い訳が出来ない。 率直に非を認めるしかない。
そして、ご案内のように家庭用デシカが発売されたのは今年の春。
そして、価格は予想を大きく上回る高さで、定価で100万円。 このため、多くの消費者が離れて行かれたのは、ある意味では当然。 

ダイキンが、一条のロスガード90や、地所ホームのエアロテックを見て、家庭用デシカを床置きにしてフィルターの交換を優先したのは正しい選択だったろう。 
しかし、重さが135キロと重く、2階とか小屋裏へ上げるのは、将来の交換のことを考えると2の足をふまざるを得ない。
それに、仕様書に書いてあるように運転音が36デシベルとやや高い。 しかも四切弁の 「シューッ」 という切替音は最大で45デシベル。 寝室の側に設置すると、どうしても気になってしまう。
したがって、1階の玄関回りなどに設置する例が増えているようだ。 
しかし、一条工務店のような各室毎の分配器を持っておらず、単に換気用として採用した場合でも3尺角の空間で全部を処理することが出来ず、1階及び2階の天井裏に設ける2分岐、ないしは4分岐チャンバーで処理しなければならない。 当然のこととして、ダクト設置の手間が余分にかかる。
これが、セントラル空調換気システムにする場合は、出来たら小屋裏に吊った空調機、分配器まで200φ以上のダクトで結ばねばならない。 上げるダクトと降ろすダクトのスペースは、バカには出来ない。 設計士が熟知していないと、根太や梁で配せなくなる。

そして、デシカの素子が塩素系の洗剤に弱く、浴室やトイレ、あるいは台所からの排気は全部個別排気ということになると、熱回収能力は著しく落ち、省エネ機器とは言えなくなる。 それに、冬期の加湿力に問題が出てくる。
こうした諸問題に対して、実践の中で経験を積み、消費者のクレームを完全に追放してゆくには、かなりの時間がかかろう。
しかし、住宅用の換気システムとか空調換気システムは、そうした禊を受けない限り絶対に成長出来ないのは事実。
これは、何もダイキンだけに限った問題ではない。 ナショナルも菱電も抱えている問題であり、日本の住宅システムが世界へ羽ばたいてゆこうとする限り、絶対に克服しなければならない大きな壁。
勇気をもって、実績を積んでゆきましょうよ。

posted by uno2013 at 10:56| Comment(0) | 除加湿・空調・換気 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月15日

経験値から推定する、東京の 《快適温湿度》 と 《許容温湿度》


暑いですね‥‥。
4日連続で最高温度が40℃を突破したとこもあるとか‥‥。
昨日の午後3時の小平市の外気温度は34℃で、相対湿度は43%。 絶対湿度は約14.5グラム。
その時、外を歩いていました。
たまたまレーザ光の温度測定器を持っていたので、陽がガンガン当たっているアスファルトの温度を測ってみました。 今まで何度となく室内の床、壁、天井の温度は測定してきましたが、地面の温度を測るのは初めて‥‥。
そしたら、なんと58℃。 
素足で歩いたら 間違いなくヤケド。
外気温が41℃だとアスファルトの温度は70℃近いのかもしれませんね‥‥。まさに焼土。
そして、大きなケヤキ並木の下で、朝から陽が当たっていない地面を測ってみたら、最低で33℃。 ほとんど気温と同一で、場所によっては気温よりは若干低いほど。
そして、絶対湿度14.5グラムですから、ケヤキ並木に吹く風は涼しく感じました。
34℃の気温でも、絶対湿度が比較的低く、直射日光が当たっていないところでは 風があると涼しく感じるのですね。 今ごろになって遅まきの発見‥‥。

今までは体験的に、なるべく日蔭を求めて歩いていました。
しかし、このアスファルトの58℃と外気温度34℃との、24℃もある温度差を見たら、日蔭を求めることこそが本能として当然の選択だったと思いました。 
そして、58℃もある歩道に近い位置でベビーカーに乗せられた幼児が如何に暑い思いをしているかが、納得できました。
夏の盛りは、地面は火傷をするほど高温で、絶対に赤ちゃんをベビーカーに乗せて歩いてはいけないということ‥‥。 皆さん 厳守しましょうね。

帰って自分の部屋の、夏の床温度をこれまた初めて測定してみました。
室温は、夏期の間は27℃に設定していますので、床も同じ27℃。
お役所は、「28℃に設定しなさい」 と言っています。 
28℃で、仕事の能率が落ちないためには、相対湿度が55%でなければなりません。 絶対湿度で言うならば13グラム。
この湿度条件を保証してくれるのなら、国民は喜んで28℃で生活してくれます。
しかし、役所が言うのは28℃という温度だけ。
国民の健康とかストレスに対する配慮は、一切ありません。

2011-8.jpg

上の図は、7月20日のこの欄で紹介した、S邸の2011年8月の温湿度表。
室温が26〜27℃で、室内の相対湿度が40%を 平均で若干下回っています。
なんと、絶対湿度が9グラムという数字。
この9グラムという数字のすごさを分かっている人が、住宅関係者の中にもほとんどいないという、侘しい現実があります。
「9グラムが、どうしたというの !? 」 という呆れた反応。
いいですか、東京の8月の平均相対湿度は76〜77%ですから、平均気温が28℃だとすると外気の絶対湿度は約18グラムというところ。
その18グラムという高い絶対湿度の空気を取り入れて、1時間に0.5回転も換気させながら、室内の絶対湿度を9グラムに半減するというのは、容易な技ではありません。
今年の7月の25日に6人の方をS邸に案内した時は、外気の絶対湿度がちょうど18グラム強でした。 それが半分の9グラムのS邸に入ったら、26〜27℃なのに汗があっという間に引いてしまいました。

暑い時、クーラーがガンガンに効いているスーパーや百貨店に入るとホッとします。
しかし、24〜25℃という低温の中に居られるのはせいぜい30分から1時間がいいところ。女性だと、厚着をしない限り生理がおかしくなります。
これに比べて、26〜27℃で、相対湿度が40%のS邸では‥‥つまり、絶対湿度が9グラムの世界では、長く居れば居るほど身体がリラックスして、肩からストレスが 《スーッ》 と抜けてゆくのが実感できました。
かつて、ハーティホームの 湿度調整機能付きセントラル空調換気システムのR-2000住宅が売れたのは、この9グラムには及ばなかったが、27℃で相対湿度が50%という11グラムの住宅を供給したから‥‥。
いいですか。 同じセントラル空調換気システムと言っても、アメリカやカナダの粗っぽい雑なシステムではなく、また三井ホーム、地所ホーム、東急ホームなどとは全く異質の11グラムのシステムを ダイキンの全面的な協力を得て構築できたからです。

そして 強調したいのは、11グラムという快適さは 口でいくら説明しても絶対に分かってもらえなかったということ。
ともかく、如何にして消費者に長く展示場に座っていて 体感してもらえるか‥‥。
本当は、全家族で一泊出来る 《体験棟》 があれば理想的。 20年前は、ともかく1時間以上モデルハウスに座っていてもらえるかどうかが勝負。
今でも、強い印象が残っている具体例があります。 
それは、身障者のお子さんを持っておられた若夫婦。
それまでは、どの社の展示場へ行ってもお子さんはグズリ出す。 したがって、ゆっくり打合せが出来ない。
ところが、R-2000住宅ではお子さんがすっかりくつろいで、泣き声一つ出さない。
それが一度や二度ではなく、来る度にお子さんが超リラックス。
その姿を見て、「この子はR-2000住宅にゾッコン惚れている。 この子のためにもR-2000住宅にします」 と若い両親は決意表明をされました。

11グラムでも、ハーティホームのR-2000住宅は、それだけの説得力を持っていた。
一昨年夏に、私が体験した一条工務店の床冷房・八王子体験ハウス。 Q値やC値はR-2000を大きく上回っていた。しかし、絶対湿度はハーティホームのR-2000住宅よりは劣る12グラムに過ぎなかった。 同社の床冷房システムが未だに正式発表されないところを見ると、改良を加えている最中なのだろうと推測。
この改良品が11グラムを上回れば、温暖地では とてつもない強敵になる !!
それこそ、三井ホームや地所ホームがぶっ飛ぶくらいの強敵に‥‥。
そういった客観条件下にあって、デシカの9グラムという性能は、特筆に値するものがあると私は考えています。
しかし、それだけの性能を持ちながら、売れ行きが芳しくないというのは、マーケットリサーチと商品化という面で大チョンボを犯しているか、あるいは 《住宅としての機能》 そのものが焦点ボケしいるからかも‥‥。

話が今回のテーマから脱線した。
日本で、本気で 《高温低湿住宅の開発》 に取り組んだ企業として、ダイキンとともに忘れてはならないのが東京ガス。
残念ながらその商品化は成功しなかったが、2回に亘る延べ600人を動員して神奈川大・岩本研が行った温度と湿度に関する人体実験調査には、今でも学ぶところが多い。
この人体実験調査の詳細は省くが、25℃以下、26℃、28℃、30℃の温度下で、相対湿度が40%の時と60%の時の人々の 《暑いという反応》 を、具体的に調べたもの。 
絶対湿度換算では下記になる。

・26℃で40%=絶対湿度約 8.5グラム   ・26℃で60%=絶対湿度約12.8グラム
・28℃で40%=絶対湿度約 9.5  〃    ・28℃で60%=絶対湿度約14.2 〃
・30℃で40%=絶対湿度約10.6  〃    ・30℃で60%=絶対湿度約16.0 〃

結論だけを書きます。
室温が25℃以下だと、よほど相対湿度が高くないかぎり‥‥例えば70%の後半から80%以上でないかぎり、湿度の高さをほとんどの人は気にしない‥‥ということが分かった。
これは、非常に重要なポイント。
つまり、夏期に湿度が問題になるのは、梅雨時を除けば室温が26℃以上になってから。
逆説的に言えば、室内の相対湿度が60%以上と高い時は、室温を25℃以下の冷温にすると、相対湿度が気にならなくなる‥‥ということでもある。
したがって、室内の絶対湿度が13グラム以上の時は、人々は自然にクーラーの設定温度を低くして生活し、《冷房病》 を生んでいる。
性能の悪い住宅で、クーラー1台で生活している家庭のほとんどがこの状態。
省エネの点では褒められても、大きなストレスがもたらす 《健康面》 から考えるならば、決して称賛出来ないもの。 むしろ、薬代などの出費が増大する原因に‥‥。

次は、室内の相対湿度が40%の場合は、28℃どころか30℃になっても絶対湿度が10.6グラムだから、ほとんどの人が 「少しは暑いかな‥‥」 と感じる程度で、暑さは全く苦にしていない。
ところが相対湿度が60%の場合は、26〜27℃までは絶対湿度が13グラム台なのでヘッチャラ。 そして、28℃の14グラムを超えると30%の人が 《やや暑い》 と感じ、30℃になると全員が 《やや暑い》 と感じるだけでなく、30%の人がはっきりと 《暑い》 と感じるようになる。
この600人に及ぶ人体実験から分かることは、人々は 《温度》 よりも 《湿度》 に対して敏感だということ。
こうした貴重な資料があるのに、気象庁もそれ以外の役人も、それに住宅産業人にしてももっぱら 《温度》 のことだけを語り、夏の高温多湿と冬の過乾燥の日本で 《湿度》 のことを語ろうとしない。 
私には、「消費者をバカにしている行為」 としか写らない。

快適温湿度.jpg

さて、S邸の夏と冬のデータを見て、私は安い除湿器と加湿器を買って来て、自分の部屋で 《夏》 と 《冬》 の 《快適温湿度》 と 《許容出来る温湿度》 の範囲を調べたのが上図。人体実験の対象者が私1人というのが、なんとも情けない。
また、小さな空気線図しかなく、拡大したので見苦しい点があるのはお許しあれ。(図をクリックしていただくと、少しは鮮明に見えます)

まず、夏。
私が快適と感じたのはS邸同様に絶対湿度で9グラム。
26〜27℃で相対湿度は40%で快適。 そして30℃でも相対湿度は約34%で快適。 それどころか32℃にした方が相対湿度30%となり、空気が乾燥していて 私的にはこの方が一番快適感が強かった。 ヨーロッパやロスの避暑地にいる感じで、なかなかのもの。
32℃以上は、安ものの機器のために実験出来なかった。
しかし、これは男の考えであって、皮膚が気になる女性の場合は、10グラムで相対湿度が40%の29℃が最適温湿度かもしれない。
そして、11グラム、12グラムともに合格で、夏期の許容出来る範囲は13グラムとした。26〜27℃で相対湿度が60%、30℃で相対湿度が50%という範囲以内。
私の部屋も、なんとかこの範囲を守っていて、正に実感的な 《夏期の許容線》。

一方、冬。
快適線は21〜24℃までの絶対湿度8グラム線。
一番のお薦めは21℃で相対湿度が50%。 しかし、50%を達成するためには、東京でもU地1.0W程度のサッシでないと結露してしまう。
そして冬期は室温を18℃とし、「長袖シャツを着て、家の中でのベストの着用もあり」 という家庭もある。 18℃であっても、相対湿度が50%であれば非常に暖かく感じる。 むしろ18〜21℃の設定温度で、相対湿度50%こそが最上のお薦めコースかもしれない。
そして、冬期の許容線は、相対湿度は30%を切らないこと。
「高気密・高断熱住宅だ」 と自慢げに鼻をピクピクさせていながら、相対湿度が30%を切り、造作のトメの部分が口を空けていたり、壁の入隅部分に亀裂が入っている不良住宅を良く見かけて、ガッカリさせられる。
相対湿度が30%以下の住宅は、《欠陥住宅》 として、消費者から告訴すべきものだと私は考えるが、如何‥‥。



posted by uno2013 at 10:42| Comment(0) | 除加湿・空調・換気 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月25日

プロはデシカの快適さに鈍感 !!  消費者は敏感に反応 !!


今日は、この欄の掲載が夕方になったことをお詫びします。

実は、朝のうちに家庭菜園にゆきいろいろ収穫してから、ほんの一部をお土産に持って2ヶ月ぶりにS邸を訪ねてきました。
《デシカの夏》を初めて体験する6人の方を案内するために‥‥。

今日の東京は朝から曇り空。 朝のうちは温度が低かったのだが相対湿度が非常に高く、収穫作業をしているだけで汗だくに‥‥。 
そして、午後1時近くの杉並・S邸近くの外気温度は28℃で相対湿度は75%。 絶対湿度は17.8グラムというところ。 
ところが一歩S邸の中に入ったら蒸し暑さがさっと消えた。
室内の温湿度計を見たら27℃で相対湿度が40%。 絶対湿度は9グラム。

温度はたった1℃だけ低くなっただけだが、絶対湿度は17.8グラムから9グラムに半減。
その快適なことと言ったら‥‥。
しかし、この快適さは、いくら口で説明しても分かってもらえません。
私の経験からいうと、ビルダーや設計士など 住宅のプロを自任する者ほどこの快適さに鈍感。
そして、純粋無垢な消費者ほど敏感に反応してもらえます。
プロは理屈をこねまわし、自分の能力とか今までの経験が覆えされることを怖れて、素直に反応出来ないのです。 実に可哀そうな人種。
それに比べて、絶対湿度が半減する魅力に、文句なしに反応し、その良さを体で感じてくれるのが正しい選択肢を持つことが出来るのが消費者。
今日の6人の初経験者の中で、プロとしての反応を示したのが1人で、残りの5人は消費者として正しい反応を見せてくれました。 それだけに、Sさんの説明にも熱が入っていました。

デシカと言っても、それをどのような条件下で体験したかによって、内容がまったく変わってきます。
例えば、Q値が3.0Wで、C値が4.0cu/uと性能の低い鉄骨プレハブの家に備えられたデシカ。
これだと、室温は26℃と低くクーラーが効かせてあっても相対湿度が70%程度で、絶対湿度は15グラム程度ではないかと推測します。 
このように、絶対湿度が15グラム以上では、26℃以上だとほとんどの人が 《不快》 と感じます。
日本のプロと言われるビルダーや設計士が問題にするのは温度だけ。 
設定温度が26℃であれば文句を言う方がおかしい。 
それで不快だったら25℃に設定温度を変えればいいじゃないか。 文句を言われる筋合いはない !! 
と開きなおります。
絶対湿度などは頭の片隅にもない。 そんな住宅を平気で消費者に押し売りしょうと画策します。
私は、これは一つの犯罪行為だと考えています。
プロのふりをして、消費者を欺く犯罪行為‥‥。

私は、こんなデシカを売ろうとは考えません。
S邸のように夏は絶対湿度が9〜10グラムであって、冬期は7〜8グラムの絶対湿度の家しか売りたくない。
つまり、この絶対湿度を維持するためにQ値とC値が問題になるのです。 そして、デシカの除加湿能力が絶対的に欲しいのです。
S邸のQ値は、6年前に準防火地域で完成したため優れた防火サッシが入手出来ず、0.9Wに過ぎません。しかし、C値は0.2cu/uと最高値。 この性能値の裏付けがあるから、夏も冬もデシカはその能力を十二分に発揮してくれるのです。
ただ、残念なことに、日本で夏9〜10グラム、冬7〜8グラムの絶対湿度を体験出来る住宅は、日本には現在のところS邸がただ一つあるだけ。
したがって、ダイキンの営業マンがいくら口角泡を飛ばして説明しても、体験出来ない消費者は絶対に営業マンの口車に乗ろうとは考えません。
これは、正しい選択です。 
つまり、夏9〜10グラム、冬7〜8グラムの絶対湿度が達成できない住宅は、たとえゼロ・エネであっても消費者の快適度、満足度は低いものに過ぎません。

今日、6人の方が心の底からびっくりしていたことが 6つありました。

1つは、6年間一度も外で布団を干さないのに、布団がフワフワしていること。

2つは、朝 家事室のロープにハンガーにかけた洗濯物を干すと午前中に乾き、しかも、変な匂いが洗濯物につかないこと。

3つは、風呂場にも地下室にも、どの隅を探してもカビの気配が全くなく、《カビがゼロ》 という住宅が この日本にあったという事実。

4つは、一年を通じて相対湿度が40%前後に抑えられているために、人間だけでなく造作材や壁材なども健康で、隙間が一つもなく、アフターメンテナンスがほぼゼロということ。 これほどビルダーにとっては有難い住宅は、今まで考えられなかった。

5つは、窓を開けないということもあって、外部から騒音とホコリが一つも入ってこない。このため、内部の化粧タイルの白い目地が、床から天井まで新築したばかりのように真っ白。

6つは、S邸で2時間も話していたら、肩から余分な力が抜けてゆき、心身ともにリラックスしてきた‥‥つまり初めてリラックスできる家を体験出来、《快適さ》 という言葉の実態が把握出来たこと。

つまり、S邸と同じ体験棟が日本の各県に最低1つ出来ないと、家庭用デシカは普及しないはず。
最後につぶやくように言った Sさんの独り言が面白かった。
「大きなビル工事をやっていると、家庭用のコマコマしたデシカはどうでもよくなってくると思う。 億単位のビル工事に比べると、住宅と言うのはゴミ漁りのようなもの。 したがって、ビル工事と併存させていたのではデシカの本当の普及はあり得ない。 ダイキンは儲かっているのだから、ビル工事とは別の子会社を資本金10億円ぐらいでつくったらよい。 そして、各県に体験棟を建てて住宅と込みでデシカを売って行く。 そしたら、すごい事業が日本に実現でき、日本の住宅需要は一変する。 そして、高温多湿地域の住宅の最先端技術が新会社に集中するのだから、世界の高温多湿地域のマーケットにアプローチ出来るグローバル企業になれる‥‥」
もちろん、これはどこまでもSさんの思いつきであり、つぶやきにすぎない。
しかし、ダイキンの井上会長の耳に入れたい言葉だと私は感じた。
つまり、デシカが本格的に家庭に入ってくるためには、現在の巨大企業から脱皮する必要があるのかもしれないということ。

しかし、これもSさんの思いつきと同様に、どこまでも部外者の勝手なつぶやきに過ぎない‥‥。


posted by uno2013 at 19:11| Comment(0) | 除加湿・空調・換気 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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