2015年09月30日

ユウキ邸の年間空調+デシカ電気代=5万7000円(33円換算で) (上)



ご案内のとおり、当初 「家庭用デシカは、何とかして30万円台でビルダーの手に渡るようにしたい‥‥」 との担当者の発言を信じて、私は懸命にデシカを 「ヨィショ」 してきた。
しかし、発表された定価は100万円超。 ダクトの工事費を加えると250万円前後となり、15〜20年ごとの空調とデシカの機械交換のことを考えると、ダイキンに勤めている人でも 簡単に手を出すことが出来ないイニシァル・コスト。
そして杉並の Sa 邸で、ダイキンは2010年の8月から2011年の8月までの13ヶ月に亘ってデータをとっていてくれた。 その膨大な資料を貰いながら、私は月ごとの平均気温や平均湿度、あるいはCOPなどの性能面ばかりに注目していて、肝心の電気代の数字を見るのを忘れていた。
これは、余りにも情けない私のミステークで、言い逃れが出来ない。 深く反省している。

Sa邸.JPG

Sa邸というのは、地下室や小屋裏の機械室までを含めると80坪を越える大きな家。
入れたデシカは250m3/hではなく500m3/h の業務用。
この住宅の空調機とデシカだけの電気代が、上の写真にあるように2010/8〜2011/7までの1年間の月平均が946kW。 このうちデシカが約55%を占め、空調は45%にすぎない。
私は空調代か高くて、デシカ代の方が安いと考えていたが、これは完全に間違っていたことが実証された。
そして、年間電気代は、当時のkWh当り22円換算で約25万円。 現在の33円換算だとなんと約37.5万円にもなってしまう。
いいですか、40坪の平均住宅で この半分以下の22円換算で12万円、33円だと18万円で上がったにしても、高すぎると考えるのが当然ではないでしょうか。 この空調・デシカ代だと、ランニング・コスト面からも 誰一人としてデシカを採用出来ないのではないかと考え、そのことをこの欄で発表したのは当然のことだと考えていました。

ご存知の通り、ドイツのパッシブハウス研究所では、パッシブハウスでも電気代をタダにすることを目指してはいない。 u当り15kWhの電気代を容認している。 電気代がタダの家と言うと、日本では プレハブメーカーや建設省のように、10kW近い太陽光発電を搭載した住宅のことだと短絡的に考えてしまう。
太陽光パネルは10kWを搭載すると、最低でも350万円はかかってしまう。 しかもその寿命はせいぜい15〜20年。 15〜20年後には多少安くはなっているだろうが、あまり期待は出来ない。
つまり30〜40年間で600〜700万円の投資を、消費者に永久に求め続けようとしているのが、日本の建設省や大手のプレハブメーカーのエネルギーゼロ住宅。
これに対して400万円程度の投資で、60〜100年間も電気代が15kWh/uしかからない住宅造りをやりましょう、というのがパッシブハウス研究所。

そして、現在日本の電力メーカー買上価格は、販売価格と同一のkWh当り33円。 各電力会社によって多少の価格差はあろうが、電気料金はこの4年間で5割も高くなってしまった。 そしてこれからは、ドイツのように買上げ価格は30円を切ってゆくはず。
一方、売電気価格の方は、いつまでも33円時代は続かない。 なにしろ、当初は48円というバカ高い価格で、20年間に亘って電力メーカーに買上げる義務を孫氏などが当時の菅直人総理に押し付けた。 そしてメガソーラーブームが起きた。 この高い買上価格の影響が徐々に出てきて、電気料金はこれからも高くなってゆき、次第に40円に近づいてゆくであろう。
何しろ日本は原発がダメで、石油に依存している。 たまたま今は石油の値段が安いから33円で助かっているが、それにしてもなし崩し的に50%もの値上げをされてしまった。
原発は10万年間も残りカスを安全に保管しなければならない。 日本に新人類が移住してから、まだ5万年しか経っていない。 10万年というのはその倍。 地震国日本に、本当に原発の残りカスを安全に保管出来る場所があるのだろうか?
私は北方領土を放棄しても、シベリアの奥地に日本の費用と技術で、ソ連と日本の原発の残りカスを共同埋設保管する場所を設けるしかないと考えている。 その見通しが得られない限り、原発は便所のない高級マンションに過ぎない。 もろ手を上げて賛同することは出来ない。
としたら、庶民は自衛のために、4〜5kW程度の太陽光を搭載せざるを得なくなるかもしれない。
しかし、投機的なメガソーラーだけは絶対に阻止してゆかなければ、日本の電気料金は40円近くになり、消費者は首を絞められて大変なことになってしまう。

パッシブハウス研究所の言う15kWh/uの電気代を、40坪の家に換算すると1980kWh。 33円換算で年間で、6万5000円強で上げなさいと言っている。
少なくとも、年間冷暖房費+換気費+除加湿費をこの6万5000円強で納まらない住宅造りは、根本的におかしく、間違っているというのが私の持論。
ということは、床暖房とクーラーを活用している住宅も失格なら、デシカによる除加湿も失格ではないかと考えていた。
そしたら、1昨年11月に完成した千葉・習志野のユウキ邸から、「わが家は、大きさは吹抜け空間を入れると丁度40坪程度の大きさで、Q値は0.8Wの住宅。 初年度は暖房費が嵩んでシッチャカメッチャカだったが、2年度の昨年9月から今年の8月にかけては、冷暖房と換気・デシカの電気代合計が5万7000円で済んだ」 という嬉しいメールが届いた。
そして先週の土曜日に、イソイソと船橋市の先までユウキ邸を訪ねてきた。
すでに、ネット・フォーラム欄で紹介したように、1昨年の12月から昨年の6月までは、ダイキンが空調・デシカに関しては電気料金の資料をとってくれていた。 大変有難かったが、空調・デシカ以外の各部位毎に、どこにどれだけ電気料金がかかっているかが判らない。
このため、ユウキ氏が昨年の7月から自腹を切ってHRRSを設置して、とりあえず昨年の9月から今年の8月までの1年間のデータをまとめた。

月別電気使用.JPG

上の図は、月ごとにどれだけ電気代がかかっているかを示したもの。
写真に撮って縮小されているので、分かりづらい点が多いのは、ご容赦あれ。
この図の中でとくに目立つのは、昨年の1月から5月まで、全電気料金に占めるデシカと空調の比率が50%以上を占めていたこと。 とくに3月は76%を上回っていた。
昨年1月から5月までのデシカと空調の電気料金と、占める比率 (%) は、以下のとおり。

          2014年1月    2月     3月     4月     5月
全電気料金   18,744円  20,262円  15,741円  10,692円  10,659円
         (100.0%)  (100.0%)  (100.0%)  (100.0%)  (100.0%)
デシカ料金    4,290円   3,498円   2,970円   1,815円   3,597円
         ( 22.9%)  ( 17.3%)  ( 18.9%)  ( 17.0%)  ( 33.8%)
空調 料金    5,247円   9,669円   9,042円   4,620円   2,805円
         ( 28.0%)  ( 47.7%)  ( 57.4%)  ( 43.2%)  ( 26.3%)
デシカ+空調 ( 50.9%)  ( 65.0%)  ( 76.3%)  ( 60.2%)  ( 60.1%)

このように、初期の段階で、とくに4月までに暖房費が多くかかったのは、部屋の中や壁がよく温まっておらず、蓄熱度が低かったことが原因と考えられる。 そして、5月にデシカの料金が上がったのは、床下のコンクリートが乾いておらず、余分な除湿費がかかったためだと考えられる。
これと同じ現象が、他の高気密・高断熱住宅でも起こっていると考えるべき。
四国・松山市や横浜市で建てられている高気密・高断熱住宅でも、建てられた時期によって同じ現象が指摘されている。 完成が冬期の場合は蓄熱が足りず、夏期の場合は床下のコンクリートからの放湿が問題視されている。
つまり、高気密・高断熱住宅に対する具体的な知識が乏しく、住まい方がよくわかっていない。
このため、1年目のデータには大きなバラつきがあり、初年度だけのデータを見て一喜一憂することは、危険ですらあるようだ。
そのことを知らず、私は初年度のデータに振り回されてきた。
これからは、空調やデシカの数値を見る場合は、2年目のデータを見てから判断することが求められているようだ。

それが証拠に、ユウキ邸のデータは以下のように、2年目では様変わりしている。
2014年の9月から、今年の8月までの1年間のユウキ邸の全体の電気使用代と部位別の料金と、その比率は以下の通り。
全     体                   195,756円 (100.0%)
デ  シ  カ                    29,173  ( 14.9 )
空 調・換 気                    27,779  ( 14.2 )
和室・台所(冷蔵庫・台所換気扇・炊飯器・ポット) 62,561  ( 32.0 )
玄関・洗面所・浴室(給湯はガス)          9,735  ( 5.0 )
リビングの照明                    7,953  ( 4.1 )
洋室1・寝室                       726  ( 0.4 )
洋室2(パソコン)                   5,313  ( 2.7 )
リビング(テレビ)                  8,481  ( 4.3 )
2階廊下・小屋裏(パソコン)            9,768  ( 5.0 ) 
電 子 レンジ                     4,686  ( 2.4 )
洗  濯  機                     1,122  ( 0.6 )
その他の 電力                    65,472  ( 14.5 )

何回も強調するが、これはkWh当たり33円として計算した数字。
デシカと空調換気の合計が、57,000円を下回っている。 しかも電気料全体に占める比率は、29.1%と30%を切っている。
仮に22円の電力料金が今も続いていると仮定したら、38,000円を下回る数字となる。
私は、この数値で十分と考えている。 したがって、ユウキ邸の勇気を誉めたい。
北海道などの寒冷地を除いて、東京以西ではこの数値を確保することを、最優先の目的にすべきだと考えるが、如何でしょうか?


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2015年08月30日

モデルハウスを持てない私には 「発言権はない」 のだが‥‥。



私が現役であった頃は、年に1〜2戸のモデルハウスを建て、6〜10年程度で解体するたびに、床・外壁・天井の結露状態やダクトの汚れ状態を確かめてきた。
また、新しい試みに挑戦する多くの消費者から、その実態を教えて貰って来た。
シャープが開発したばかりの太陽光発電に最初に飛びつき、消費者に特別な安価で提供したり、北海道で普及を始めたばかりの高気密・高断熱住宅のモデルハウスを、関東エリアで最初に建ててそのメリットを立証してきた。
換気という概念と、断熱・気密という概念を最初に日本へ導入してくれたのは、スウェーデンから第3種の排気専用換気システムを導入した 今は姿を消したディックス社の石原社長だった。
北海道の仲間から石原氏を紹介してもらい、第3種換気を最初にモデルハウスに採用した。
しかし、北欧では夏期の冷房の必要性がなく、冬期の暖房だけを必要としていた。 そして、給湯による地域暖房システムが普及していたヨーロッパでは、窓の下にパネルラジェーターを設置する暖房だけで事が足りた。
その温水のパネルヒーターの上に、給気用のパッコンという穴をあけても、外部の冷気は必ず暖められて室内へ入ってくるので、問題になることがなかった。
また、北欧にはスギ花粉がなかったので、パッコンにつけられているフィルターは目の粗い、いいかげんなものだった。

まず、消費者から最初に指摘を受けたのは、フィルターを交換して、スギ花粉が入ってこないようにしてほしいというもの。
たしかに、ディックス社に言ったら花粉用のフィルターがあった。 しかし、価格は驚くほど高かった。 このため、国内でポーレンフィルターを見つけて細分化して、安く消費者の手に渡るようにした。
しかし、東京エリアでは温水のパネルラジェーターの暖房と、クーラーの冷房に2重投資が出来る家庭は一部に限られる。 エアコンで夏と冬を過ごす家庭が圧倒的。 エアコンだと冬期はパッコンからの冷気がジカに床に落ちるために足元が寒い。 また夏期はパッコンの湿度の高い外気がクーラーに結露を生じさせたりした。
それと、パッコン用の穴が各室に設けられるので、外を通る人の話声がウルサイというクレームが多く発生してきた。
このため、各室にパッコン用の穴をあけ、クーラーを付けるのではなく、小屋裏へ機械室を上げて、原則として1台のクーラーで冷暖房をするセントラル空調・換気方式に切替えざるを得なくなってきた。
最初からセントラル方式を意図したのではなく、よりよい空調換気システムを考えたら、パッコン方式の第3種換気をやめ、セントラル方式に切替えざるを得なかった。
しかし、小屋裏へ機械室を上げると、クーラーの音がうるさく、その遮音と吸音・断熱対策が求められてきた。 また、給気や排気の取付け位置も寝室の周辺は避けると言う 細心の注意が求められた。

そして、数年前より換気のより効率化を考えて、換気の排気熱を85%以上回収する熱回収換気システムが普及して、第3種換気システムの生産が中止されるようになってきた。
日本へ最初に換気システムと高気密・高断熱という概念を持ち込んでくれたディックス社が、2年前の正月に営業活動を中止に追い込まれた。
しかし、夏期が乾期で冬期が雨期のヨーロッパでは、日本のような 「高温多湿の夏と、異常乾燥の冬期」 という厳しい条件がない。 地球の温暖化が叫ばれているが、ドイツ以北では夏期の直射日光さえ避ければ、室温は高くても28℃止まりで納まり、相対湿度は45%以下。 つまり、絶対湿度が10〜11グラム程度と快適そのもの。 クーラーが不要な世界。
つまり、今まで通りの温水による地域暖房だけでよく、換気を熱回収型に変えるたげでことが足りている。

さて、このドイツ以北の換気システムを日本へ導入するとなると、なかなかスムーズにことが運ばない。 まず問題になるのは、日本で普及している換気システムは、ヨーロッパやカナダなどの顕熱交換機が日本にはなく、ビル用の全熱交換機しかないという現実。
ビル用の交換機は、トイレや湯沸室などからは個別排気して、後は室内全体の空気を交換すれば良いだけ。 そして、人が在室している昼だけ運転させればよい。
しかし、ヨーロッパや北米のカナダなどでは、家庭用の交換機をまず大前提に考える。
家庭用の熱交換機は、トイレ、浴室、台所、ペット、下駄箱などのダーディゾーンからの24時間排気が大前提になる。 住む人間の健康ということを考えると、ダーディゾーンからの24時間連続排気こそ不可欠。
ということは、こういったダーディゾーンからの排気熱を回収するということであれば、匂いや悪質な物質の回収を避けたい。 このため、ヨーロッパやカナダでは、家庭での全熱交の採用は避けて、匂いが移転しない顕熱交の採用を大前提にしている。
しかし、ナショナルや三菱電をはじめとして、日本のメーカーは顕熱交を生産していない。
つまり、大手住宅メーカーの全てが、ヨーロッパや北米のような、ダーティゾーンからの24時間排気を行っていないという現実が‥‥。
非常に、不健全な生活を日本の住宅メーカーと換気メーカーは強要している。
このため、消費者は時折窓を開け、風通しを良くして、家の中をホコリまみれにせざるを得なくなっている。
情けないことに、正にマンガの世界。

いいですか。 このような不健全な生活を、日本の住宅局だけでなく、日本の建築学界も黙って見逃しているのですぞ!。
排気計画なき換気。 ビル用の全熱交が威張っている日本の住宅が、世界に売れるわけがないという理由が、この事実で分かっていただけると思う。
私は、一条工務店の全熱交をセントラル空調換気システムに採用してみた。 もちろん排気ダクト内に空気清浄機を入れて、ダーディゾーンからの24時間排気を大前提とした。
この結果、冬期は浴室やトイレ、台所などの水回りから24時間排気しているので、カラカラに異常乾燥することが避けられた。 少し相対湿度は低く、40%を切ることはあったが、20%台という異常事態は避けることが出来た。
しかし、夏期は全熱交を使うメリットが、一つも発見出来なかった。
専門家は、「夏期こそ全熱交の威力が発揮される」 と言うが、全熱交を使うと相対湿度が高くなるだけ。 その高くなった相対湿度を除くシステムがあれば良いが、それが何一つ用意されていないのだから、全熱交を使えばそれだけ相対湿度が高くなる。
寝苦しい夜に日本人が皆悩まされている。

さて、この日本へスウェーデン製の顕熱交を持込み、日本の高温多湿な夏と過乾燥な冬に対応しょうとしているのが、横浜のK邸と松山市のM邸。
昨夜、そのMさんに会い夏期の状況を聞いた。
室温が26℃程度で、相対湿度が60%程度らしい。 絶対湿度13グラムと許容範囲。 床下も空調しているので、6月に完成したばかりだから、どうしても床下の相対湿度80%を超えるらしい。
しかし、オール電化住宅なのに、夏期の電気代は今のところ安い。
問題は冬期の相対湿度。 顕熱交を使っているが、どこまで上げられるか。
12月か1月に、一度訪問して実態を確かめたい。
ただ、「一条工務店の i-smart の価格で、一条工務店以上の性能を」 という目的にはなかなか及びそうにはない。 というのは、やはり地場ビルダーが中心になり、年間最低50戸程度がこなせるようにならない限り、資材の入手価格が安くならない。
自分が第一線でやっていた時は、直ぐにモデルハウスが建てられ、それを消費者に体験して頂き、納得の上に新しいチャレンジが次々と出来た。
しかし、今はモデルハウスが簡単に得ることが出来ない。
年間最低50戸から200戸という夢は、若い人に譲るしかなさそうだ。


posted by uno2013 at 15:59| Comment(0) | Q値0.8W以上の住宅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月10日

マイスターハウスの 「宿泊体験棟」 で考えたこと。



先にネットフォーラム欄で触れたように、さる6日、マイスターハウスが前橋に建設中の 「宿泊体験棟」 を案内してもらった。
この宿泊体験棟の最大の特徴は、「16KWの屋根一体型の太陽光発電」 を搭載していること。
それと、「206の外壁に14センチ厚のグラスウールの充填断熱をした外側に、KMブラケットで6センチ厚のロックウール外断熱を採用していること」。 さらにはエクセルシャノンの 「PVCのトリプルサッシ」 を採用していること。 
このため、正式なQ値は聞かなかったが0.8〜0.9W程度で、C値は0.1〜0.2cuのはず。 
完成した時点と、夏場と冬期に再度伺わせて頂く予定なので、細部にわたって性能値や使用部材を聞くのを控えた。

私は、注文住宅を売ってゆく場合は、総合展示場へ出展するのは不可欠だという考えを持っている。 それが不可能であれば、「とくに超高気密・高断熱住宅の場合は、宿泊体験棟を持つことが絶対的な条件だ」 と考えている。
体験棟だから、分譲住宅の1区画を買って、5年も経った時点で、原価償却をして売れば良い。
一条工務店が i-cube や i-smart で、急激な売上を伸ばしたのは、全国に130戸近い展示場を持っているだけでなく、展示場を上回る宿泊体験棟を全国の分譲地の中に建てたから‥‥。
インテリアとか新しいキッチンなどは、見れば分かる。
だが、「今までになかった超高性能住宅」 と言われても、消費者にはピンとこない。 快適さというのは、家族全員で宿泊体験してみなければ分からない。
そして、私が強調しているのは、土日以外で消費者の宿泊がない日は、設計者や営業マン、経理の人を含めて全員家族と共に宿泊体験をさせること。 もし余裕があれば、大工さんをはじめ全下職の家族にも宿泊体験させたい。
そうすれば、お爺ちゃんや子供までが納得して、勝手に口コミを始めてくれる。

1.5寸勾配がネット腰に見える.JPG

屋根一体型太陽光.JPG

この住宅には、16KW余のLIXILの屋根一体型太陽光が搭載されている。
上の写真で、ネット越しに1.5寸勾配が見える。
そして、下から太陽光をカメラに収めようとすると、南面を200メートルもバックしないと、姿が見えない。
搭載費用は約600万円で、この太陽光が20年間で稼いでくれるのが、東電への売価32円/KW計算で、20年間で約1200万円とか。
えらく稼いでくれるように感じるが、太陽光そのものの寿命が約20年ぐらいだろう。
ということは、20年後に足場を組んで、全て屋根を取換えねばならない。 その時、太陽光のコストはかなり大幅に安くなっているだろうが、600万円のうち500万円程度は改修費として残しておかねばならない。
これは、何も屋根一体型に限ったことではない。 一般の屋根に太陽光を取り付ける場合も、その取付けで瓦などの屋根材を痛めてしまう。 したがって、太陽光を取換える時は、屋根材も取換える必要があると考えるべき。
ということは、今年度までは10KW以上は32円だが、今年の4〜6月は29円に、7月からは27円になってしまう。 ということは、メガソーラーで太陽光を搭載してメリットが出るのは3月までで、7月以降は全く意味がなくなってくる。

10KW以下の家庭用太陽光でも東電、中電、関西電は来年度からの買上げ価格は33円となり、メガソーラーの負担分がオンブされてくると、買上げ価格よりも購買価格が次第に高くなり、メリットが全くなくなることになりかねない。
このことは、数年前から分かっていたこと。 太陽光発電で投機的なメリットを求めることが、そもそも間違っていたと諦めるべき。
そんなわけで、LIXILの屋根一体型の16KW強という太陽光は、それほど魅力が感じられなかった。

この宿泊体験棟で、最も魅力的なのがトリプルサッシ。
外開き+FIXのU値は1.1W、半外付け引違いは1.3Wという。
しかし、新しい辷出し+FIXは0.8Wという。 枠に工夫が凝らしてあるらしい。
そして、0711の0.8Wのトリプルサッシが、マイスターの場合にはかなりな価格で入手できそう。
R-2000住宅の場合、受注する全てをR-2000住宅仕様に切り替えたのは、よねくらホーム、北洲、マイスターハウスとハーティホームの4社だけだった。
最初は断熱材とサッシが高くて、切替えたくてもR-2000住宅に切替えることが出来なかった。
しかし、PVCのペア―ガラスサッシが普及し、安く入手できるようにようになってきて景色が一変した。 つまり、全棟をR-2000住宅に切替えられたのは、PVCサッシが手ごろな価格を出してくれたから‥‥。
内地でQ値が0.9Wを切り、全棟をこの性能仕様に切替えてゆけるかどうかは、PVCサッシの性能と価格にかかっていると言っても過言ではない。
そういった意味で、今回のマイスターハウスの宿泊体験棟は、大変に勉強になった。

出窓ほど広い膳板.JPG

それと、もう1つ大きなニュースを聞いた。
ご案内のようにKMブラケットの販売権は、ハウステック社から一時はユーロハンズ社に移されていた。 そのユーロハンズが昨年の新春早々に倒産し、販売権はハウステック社に再度移されたと聞いていた。 
ところが、マイスターハウスの山口社長によると、信越ビーアイビー社が、KMブラケット社の全販売権を譲り受けたと言う。
マイスターハウスは、原則として外壁は全てタイル張り。 
消費者のアフターメンテナンスのことを考えると、タイル仕上げ以外は考えられないという。
タイル仕上げを大前提にすると、プラスの外断熱をやるには、KMブラケット以外では考えられなくなる。 そして、8年以上も前にS邸での実績がある。 
S邸では、外壁のタイルに関してはクレームが一切ない。
それを、今度の宿泊体験棟でも活かしている。
ただ、14センチの充填断熱と6センチのロックウール外断熱で、断熱厚は20センチと内地では最大級。 このため、上の写真のように、すべてが出窓と言えるほどに、膳板の幅が大きくならざるを得ない。

天井と壁にハイクリーン.JPG

それと、同社の場合は壁と天井には、ハイクリーンボードを採用している。 これはシックハウスを防ぐためだが、サッシ周りの納まりが綺麗なのが嬉しくなってくる。 クギ打ち間隔も10センチピッチで、耐震性の面でも安心出来る。

吹抜の2階に天付クーラー.JPG

それと、この住宅の空調換気システムについて聞くのを忘れたが、1階のクーラーは2階の天井に設けたこの天井付だけとか‥‥。 風を感じなくするために、ワザワザ吹抜け空間の2階の天井に取付けている。
この効果がどれほどか‥‥、是非とも今年の夏に確かめに来なければなるまい。


posted by uno2013 at 07:22| Comment(1) | Q値0.8W以上の住宅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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