2015年10月10日

ユウキ邸の部位別年間電気代一覧と圧倒される浴室の写真 (下)



ユウキ邸のデータの優れた点は、初年度 (1913年12月〜14年8月) より2年度 (14年度9月〜15年8月) までキチンとしたデータが揃っていることと、初年度に比べて2年度の方がはるかにデシカとエアコンの電気代が大幅に安くなっている点。
ご案内のように、ユウキ邸はkwh当り33円で計算している。
その計算根拠の問題はさておき、2年度の電気代の一覧と部位別の比率は、すでに最初に紹介済みだが、再度取上げたいと思う。(10円単位以下は四捨五入)

 分岐回路名称    年間電気代 (2014年9月〜2015年8月)   比率
★デ   シ  カ         29,200円           (14.9%)
★エアコン・換気?      27,800            (14.2 )
(上記2つの合計)        57,000円           (29.1%)
★和室・台所(冷蔵庫・台所換気扇・ポット・炊飯器)
                    62,600            (32.0 )
★玄関・洗面・浴室        9,700            ( 5.0 )
★リビングの照明         8,000            ( 4.1 )
★洋室1・寝室            700            ( 0.4 )
★洋室2 (パソコン)       5,300            ( 2.7 )
★リビング (テレビ)       8,500            ( 4.3 )
★2F廊下・屋根裏 (パソコン) 9,800            ( 5.0 )
★電 子 レ ン ジ       4,200            ( 2.4 )
★洗   濯   機       1,100            ( 0.6 )
★そ の 他 電 力      28,400            (14.5 )

★合       計       195,800            (100.0%)

すでに説明したように、ユウキ邸では2014年の7月から個人的に HEMS を入れて、上記のように細かなデータをとっている。 したがって、部屋別の電気代の使用量が良く分かる。(HEMS のことを以前に間違えて HERS などと書いていますが、これは明らかな間違いです。 訂正致します)
全面的に LED 照明を採用しているので、全体的に照明代が少ない。 とくに洋室1と寝室は年間たったの700円。 日射の関係で、1日中照明がついているいるリビングにしたところで、年間8000円で、テレビは8500円にすぎない。
ビックリしたのは洗濯機代。 幼い子供が2人もいて、さぞや洗濯代がかかっているだろうと想像していたが、年間1100円で済んでいる。 パソコンも思ったほどではない。 この辺りはさすが HEMS の威力と感心させられた。
そして、盲点だったのは、台所の冷蔵庫。
ともかく、和室と台所で62,600円、全体の32%もの電気が消費されている。 和室は赤ちゃんが寝ている程度で、ほとんど電気代がかっていない。 大部分は台所での消費だと推定される。
たしかに、台所換気扇、炊飯器、ポットなど電気をくいそうなものが多い。 だが、ユウキ氏は主犯は10年近く前に買った冷蔵庫ではないかと踏んでいる。つまり、冷蔵庫にも個別に HEMS を付けるべきであった。 しかし、これは今だから言えること。
HEMS を冷蔵庫に、別個に付けた方が良いという発想は、なかなか簡単に得られない。 ユウキ邸の失敗談を我がものとして、これからデータをとる方は、心して頂きたい。

さて、何度も繰り返すようだが、デシカとエアコン (換気も含む) の年間電気代が、ユウキ邸では5万7000円で上がっている。 しかも、kWh当り33円として計算した上で‥‥。
ユウキ邸は、PVCのトリプルサッシを採用しており、Q値は0.8W以上。
それだけの性能がありながら、初年度の冬期は、蓄熱不足のために、やたらにエアコンの暖房代が嵩んでしまった。
それが、2年度では完全に解消されている。
ユウキ邸は冬期は室温が24℃で、相対湿度は40%。
夏期は設定温度は27℃で、相対湿度は40〜45%。 実に快適な生活。
それを保障してくれているのがデシカ。
ユウキ邸の内部写真を何枚も撮ったが、その効率の良さを、いちばん感じさせるのは浴室の写真。 24時間換気で 湿気が皆無で、カラリと乾いている。
今でも、天井面や床面には結露の跡がなく、当然のことながらカビが1つも生えていない。 実に爽やかな住宅。 この写真を見る度に、大手住宅メーカーや一条工務店に文句をいいたくなる私の気持も、少しは察して欲しい。
だが、この家庭用デシカは、そのイニシァルコストの面から考えて、大きく普及するとはとても考えられない。
また、家庭用デシカは背が高いために、勾配の緩い小屋裏に置くことは出来ない。 ユウキ氏は、小屋裏に置けるように機能分離を希望しているが、住宅用をそのように改善される雰囲気は今のところない。 むしろ業務用を改善した方が、早い気がする。
それにしても、年間のランニングコストが3万円で上がるというメリットを考えると、各メーカーにイニシァルコストの安いデシカを、何としてでも開発して欲しい、とお願いしたい。


浴室.JPG


さて、ここで問題になるのは、世界の先進各国の電気代。
ネットで調べてみると、2013年の資料が最新。 しかも、為替レートが絡んでいてなかなか単純に比較が出来ない。
ともかく、先進国で電気代が安いのは、カナダ、アメリカ、フランス。 
逆に高い国はドイツ、デンマーク、イタリア、スペインなど。 とくにドイツとデンマークは2013年時点でkWh当り限りなく35円近くになっている。
そして、2013年時点では日本は24〜25円台で、先進国では中位の位置を占めているが、資料によって数値がバラバラで信用が出来ない。 3.11以降、日本の電気代はやたらに高くなってきており、心配が尽きない。
ユウキ邸の使用電気代を見て、日本における電気代の節減の難しさを、再確認させられている昨今と言うことでしょうか‥‥。
そして、あの電気代の高いドイツで、パッシブハウス研究所が提案する電気代で、本当に上がるのだろうか?‥‥。 
これが今、私の抱いているいちばんの疑問。

なお、エコキュートについては、新しい面白い投書があったので、次回当りに紹介したいと考えています。



posted by uno2013 at 08:36| Comment(0) | Q値0.8W以上の住宅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月05日

ユウキ邸の訂正


ユウキ氏からメールが入っていたのを、見落していました。
「冬は24℃に設定しておくと、室温は25℃になっている」 と話したが、調べて見たら 「23℃に設定しておくと、室温が24℃になっていた、の誤りであった。 訂正して頂きたい」 というものです。 気付かずに放置していたことをお詫びいたします。

posted by uno2013 at 18:10| Comment(0) | Q値0.8W以上の住宅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ユウキ邸の年間空調+デシカ電気代  ドイツ人はケチくさい (中)



ドイツのパッシブハウス研究所が、「年間の電気代は15kWh/u」 と唱えているので、「ドイツ人は寒い冬を、実際に何℃の室温で生活しているのか?」 を、ドイツの研究者に数年前に質問したことがある。 
ご存知のように、日本の政府関係者は冬期は18℃での生活を求めている。
20年前の話だが、R-2000住宅に住んでいる300家族に冬期の設定温度を聞いたことがある。
その時、18℃で生活している世帯は3世帯しかなかった。 いずれも長袖を着て、セーターを纏っていた。 私は暑がり屋だから 18℃でも平気だったが、ほとんどの家庭は22〜23℃での生活が多かった。 政府の言う通り18℃で生活している家庭は、20年前の高気密・高断熱住宅では1%にすぎなかった。
このため、ドイツでは何℃で生活しているかが知りたくなった‥‥。
私が質問した研究者は、空理空論ではなく実際のデータをとっていて、「ドイツでは20〜21℃での生活が圧倒的に多い。 私自身は20℃で生活しています」 と断言した。
日本よりは、設定温度は2℃程度低かったことを良く記憶している。
「ドイツ人は、徹底したケチン坊だ。 だから、パッシブハウス研究所の15kWh/uでも、平気で受け入れられるのだ」 とその時に感じた。

さて、北海道では、冬期でも家の中では半袖姿で生活してる人が多い。 しかも、相対湿度は20%前後とカラカラ。 鼻が乾いてしょうがない思いをさせられたことは、かつては何度となくあった。
これは、何も北海道に限ったことではなく、スカスカの低気密・低断熱の家に住む人は20℃以下でも我慢している。 しかし、高気密・高断熱住宅で、22〜23℃の温度が簡単に得られるようになると、人々は22〜23℃で生活を始める。
ユウキ邸でも初年の冬は、21〜22℃設定で、実質室温は23℃の生活をしていた。 それ以上の温度は暑いと感じていた。 ところが、次年度は23〜24℃設定で、実際の室温は25℃で生活していると書いている。 相対湿度は ネットフォーラムで紹介したように40%。
一方、夏期の室温は27℃で、相対湿度は40〜45%。
それでいて、デシカとエアコン・換気の年間電気代が33円/kWh当りで5万7000円で上がっているというから、私はすごいと思った。 イニシァルコスト高という問題は抱えているが、家庭用デシカのランニングコストが3万円を切っていることには驚いた。
しかし、冬期に高温度に設定するのは、なにもユウキ邸に限ったことではない。
昨日お邪魔したSi邸でも、初期は24℃に設定していた。 これでは少し動くと汗をかくので、途中から22℃に設定し直したという。

しかし、ユウキ邸で感心出来ないのは、初年度は暖房費などに出費が嵩んだので、他の電気の使用を極力抑えた。 しかし、次年度はデシカ・エアコン・換気の出費が少なくなってきたら、それと比例する形で他の電気の使用量が増えている。 年間の電気代が33円計算だと約20万円というのは、どう考えても高すぎる。 このため、デシカとエアコンの比率が、合計で29.1%と、30%を切ることにはなったが‥‥。 
このほかに、ユウキ邸では給湯代としてガス代を年間4〜5万円支払っている。
したがって、細かくHERSでデータをとった割には、ユウキ邸は参考にならないという気もする。
とくに目立つのは和室・台所の6万2561円と言う費用。 全使用電気代の32%も占め、デシカ・エアコンよりも多くなっている。
和室はLED照明以外にはほとんど電気を使っていないので、犯人は台所に潜んでいる。
電気炊飯器・ジャー・台所換気扇なども含まれているが、最も電気を喰っているの主犯は10年近く前に買った冷蔵庫らしい。 電子レンジや洗濯機などに個別のHERSがついており、その数字が微小なのに、冷蔵庫に付けなかったのは、失敗。

冷蔵庫.JPG

一方、昨日初めて訪れたバンブー邸。
一条工務店の i-smart に惚れて、昨年の初夏に完成した住宅。 某国立研究所に勤めている技術者で、ことのほか詳しく、したがって特殊な注文が多い。
その、「特殊な注文については書いてはいけない」 と念を押されたので一切省いている。

平屋南.JPG

平屋北.JPG

写真のように33坪の平屋建てで、片流れの屋根に23.2kWの太陽光を搭載している。
このうち、自家における年間発電量は約2.9kWh。 
うち売電収入は約120万円/年で、一条工務店へ支払うパネル代は約95万円/年。 したがって年に約25万円は残る勘定。
Hi 邸と同じくオール電化住宅で、ユウキ邸のようにガスは一切使用していない。
そして、年間の電力使用量は約7500kWhとユウキ邸の26%も多い。 33坪にしては多すぎる気がする。 しかし、バンブー氏の計算では、月平均の支払いが約1万5000円で、年間18万円とリーズナブルという。
この数字を逆算すると、kWh 当り24円となってしまう。 
ユウキ氏の33円に比べると9円も安い。 どちらの計算が正しいかについては、現時点では私には分からない。 いずれにしろ、早晩ハッキリさせねばならない大問題。

さて、ここで問題になったのは、「エコキュート」 の存在。
エコキュートが開発された動機と言うのは、原発を大前提にした深夜電力の利用。 原発は途中で止める訳にはゆかず、深夜電力を利用してエコキュートでお湯を貯めようという発想が出され、それが普遍化した。
このため、ドイツやオーストリアなどで普及している太陽熱による給湯システムが、日本で発展しなかった。 太陽というと、もっぱら光発電だけとなった。
しかし、わざわざ太陽光発電して開発し、給湯として使うのは邪道。
やはり、太陽熱として、パネル2枚分はそのままお湯として使いたい。 その方が、はるかに経済的。 この肝心なことが、日本では忘れられているように思う。
原発が稼働していない今こそ、エコキュートではなく、太陽熱給湯を見直すべきではないかという意見が出された。 
一考に値する意見だと思うが、如何に?

posted by uno2013 at 13:49| Comment(0) | Q値0.8W以上の住宅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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