2013年05月15日

一条の見積書から浮かび上がってくる、いくつかの不安点


最近、一条工務店の見積書を3つばかり見る機会を得た。
しかし、プランをみたら肝心のロスガード90の設置位置がないものや、OA (外気の取り入り口) と EA (室外機の排気口) が、たった数十センチしか空いていないもの、連棟形式なのに設計面でも予算面でもツーバィフォーの界壁の基本的なことが分かっておらず、私だったら「こんな素人集団には、絶対に発注したくない」 と痛感されるものがやけに目についた。

つまり、こう言うことなのだろうと思う。
一条は、在来木軸の会社であった。
そこへ、ツーバィフォー最先端の i-cube が登場してきた。
社内外には、ツーバィフォーのプロが余りにも少なかった。
開発部が先行して、最高の技術体系を導入した。
しかし、営業や設計、工事の最前線には筋金入りのプロが不在。聞きかじり、見た感じでなんとなく押し付けてはきたが、やはりポロポロとボロがこぼれてしまう…。
理想的には、設計と工事の幹部社員をアメリカの現場へ最低2ヶ月間に亘って派遣させ、朝から晩まで現場に張りつかせて、基本を徹底的に勉強させるべきであった。
そして、プレハブに徹した一条工務店専用の 「設計・施工マニュアル」 を作成するべきであった。
それがなされていないので、とくに 「ドライウォール工法」 などには、余りにも初歩的な間違いが多すぎる。 現場を見ていて、正直なところ泣きたくなってきた。

昨年秋、「サスケ邸」 の完成間際の現場を案内してもらって、9月10日から20日の3回に亘ってブログで取り上げた。
施主は自信マンマンだったので、私はあえてダメを出さなかったが、恩師の杉山英男先生が見たら、「こんなものは枠組壁工法ではない」 と、怒りの大声を発せられたと思う。
ともかく、肝心のポイントが、あまりにも等閑視されていて、在来の木軸工法の欠点をそのまま残されている工法。
したがって、今までに多くの施主から、不安や疑問のメールが寄せられてきたのは、「けだし当然のことだったのだな…」 と改めて痛感させられた。
一条工務店の現場は、木軸からスタートしているだけに、アメリカの現場のように理論武装されたポリシーが見られない。
その、即席栽培の欠陥が、私が拝見した図面や見積書にそっくりそのまま反映されているように感じられた。
つまり、核になる工事に関するポリシーが見えない。

恥ずかしながら私の略歴を話すと、トステムの前潮田会長から、「ツーバィフォーで注文住宅をやりたい。是非とも手伝って欲しい」 と頼まれた。
そこで数人のプロを集め、世田谷・芦花公園に斬新なモデルハウスを建て、数人の世主の賛同を得てやっと軌道に乗り始めようとしていた時、潮田会長は 「実は私どもも本格的に注文住宅に乗り出すことになりました。是非、芦花公園の展示場を見てください」 と、当時のエスバイエルの社長に自慢げに話しをした。
それを聞いたエスバイエルの社長は怒った。
「材料メーカーが分譲住宅をやっているのなら、まだ許される。しかし、注文住宅をやるとなるとわれわれの敵となる。それが事実なら、今後は敵となるトステムからは一本のサッシも買わない !」 と。

そこでトステムからの資金が断ち切られ、多摩一番の木材店が展示場を買い上げてくれるはずだった。だが、同展示場へ出展していた年商5億円程度の小さな地場ビルダー・藤和が、「ツーバィフォーの会社なら当社が買う」 と強引に名乗りをあげ、私が人質になるのを条件に、「芦花公園モデルハウス」を買い上げてくれ、誰にも被害を与えずに済んだ。
ともかく、数人の顧客が付いてきてくれていたので3年間は 正月1日以外は休日なし。
顧客との細部の打合せや見積り、現場監督の指導、大工さんや電気屋さんを始め下職の現場教育で、月に車での移動が500〜800キロにも…。
もちろん「ツーバィフォーの設計マニュアル」と大工をはじめ全下職を対象にした「施工マニュアル」も作成した。 私が育てたツーバィフォーの大工さんは、都合100人くらいに上っている。

そういった努力が実を結んで、数年間で藤和は100億円を突破する企業になり、とくに松下電工の強力な応援もあり、北海道・よねくら、仙台・北洲、千葉・新昭和、群馬・ハラサワホーム、岐阜・宇佐美ハウジング、山口・村田ハウジング、大分・別府ハウジングという最強地場ビルダーのグループで毎月勉強会を開催して、常に新しい情報のキャッチと交流に勤めた。 東京が地場の藤和は、当然のこととして幹事役に選ばれ、ツーバィフォー協会の役員にも選ばれた。
このメンバーが核になって、後のR-2000住宅部会を発足させていった。

しかし、この藤和という優秀な地場ビルダーを潰したのが富士銀行。
当時、副社長と専務と常務の三人が派遣されていた。
バブル時代の押付方式の金貸業しか知らず、いずれも住宅会社の経営者としての資質はゼロ。唯一わかっていた経済用語はPDCA (Plan-DO-Check-Action) ぐらい。それでいて当時流行語になった「ノーパン シャブシャブ」 などには、やたらと明るかった。
社長に付け入り、やたらとカネを貸して、個人財産を形成させて金利をハネルことが仕事。
それが、命がけの努力で100億円を突破したら、このままの調子だと200億円は軽いと、バカ丸出しで 《目標200億円》 というスローガンを掲げ、新卒を大量に採用し出した。
核になる人材が育っていないうちに、売上倍増を唱えるのは身の程しらず。
この強引な作戦で、それまでは「私の仕事の99%は開発の仕事」 だったものが、何と 「60%がクレーム処理」 となってしまった。
とても、こんな会社には勤まらないと、R-2000住宅専門の会社を仲間と興し、富士銀行系に染め上げられたエセ住宅会社・藤和との縁を切るしかなかった。
2年後に当然のことながら藤和は富士銀行の手によって倒産し、社長は隠匿生活を余儀なくされ、数年前に離婚した挙句亡くなった。

私が言いたいのは、技術と人材を中心とする組織が固まらないうちに《売上倍増》を計画すると、その会社はクレームの巣になってしまうということ。
クレーム処理ほど辛い仕事はない。
消費者の一生を台無しにすることは絶対に許されないので 一生懸命頑張るのだが、誰もほめてはくれない。 これほど、ストレスのたまる仕事はない。
したがって、以来クレーム・レスを最大の目標に掲げてきた。

一条と言う会社は、業界新聞にも雑誌にもPRしない会社。
もちろん、テレビ広告はしていない。
このため、i-smart の売れ行きは絶好調だが、それほどクレームが多いとは聞いていなかった。
しかし、一条を選んだ方々からのメール内容は、満足しているものは少なかった。多かれ、少なかれ不満が書かれていた。
だが、自分の判断で選んだのであり、一条工務店を中傷するようなメールは皆無だった。
これは、一条が積極的にPRしていないことにより、口コミ客が中心になっていた成果によるものと考えられる。

それにしても、一条工務店の中堅以上の客層への浸透度は驚くべきものがある。
その結果、手なれた設計陣や工事に明るい現場監督が、思いのほか枯渇しているように感じられる。
そして、一番不足しているのは、基本をきちんと身につけ、i-smart になれた施工業者。これが払底し始めているらしい。そのような話が伝わってくる。
これは、当面の間は大きな問題として残るかもしれない。

それよりも、私が一番心配するのは、本当に設計をはじめ、社員が空調換気のことが本当に分かっているかどうかということ。
一条の設計図書を読んで、空調換気に関する知識の低さに呆れた。
Q値が0.8W前後の住宅に、如何に設備費の償却が済んでいるとはいえ、床暖房が標準仕様として採用されている異常さを、誰一人して自覚していない。
床暖房をメインにするならば、原子力発電を前提にした安い深夜電力に依存しているエコキュートシステムから率先脱皮して、太陽熱へ大きく進路を切り替えるべきではなかろうか。
太陽熱利用のヒートポンプはまだまだ需要は少ないが、太陽光発電一本やりで、やたらと小銭稼ぎを消費者に推奨している姿勢には、どうしても疑問符がついて回る。 企業としての一貫したポリシーが感じられない。

また、最近は気体遮蔽性と透湿性を兼ね備えた特殊加工紙による素子の開発が進んできている。CO2臭気成分は通さず、水分のみを通すと言う湿度換気が可能になってきている。
基材となる紙の繊維構造に細密化して、表面に吸湿性とガスバリア性 (気体の通過を抑制する性質) を併せ持つ薬剤をコーテングしているもの。
この登場により、ロスガード90の有難味が、かなり失われてきていると言う指摘もある。

そして、全熱交のロスガード90の盲目的な採用。
確かに20年前まではヨーロッパでは温水に房地域暖房が普及しており、夏は乾燥期のヨーロッパでは第3種換気の黄金時代が続いた。
しかし、第3種換気のエネルギーをタダで捨てている事への猛反省から、ヨーロッパでは第3種換気の製造が事実上中止になり、日本の換気業界の先達者として大貢献をしてくれた札幌のディックス社が、昨春で営業停止に追い込まれた。ある意味では当然のことではあるが…。
そして、ヨーロッパと北米では熱交換の中心をなしていた顕熱交も次第に日本では影が薄くなりつつある。

たしかに、顕熱交と全熱交の性能そのものを比べれば、全熱交に軍配が上がる。
しかし、どこまでも比較の問題であって、いくら全熱交を100パーセント稼働させても絶対湿度は13〜15グラムがリミット。とても、夏期の快適性は全熱交だけでは得られない。
そして、浴室・トイレ・台所からの換気は、匂いが移行するので 部分間欠運転にとどめ、カビが生える温床になっている。
これで、熱回収率90%と言われても、誰も納得出来ない。

仮に、40坪 (132.5u) の3LDKの住宅があったとしよぅ。
カナダのスーパーEの仕様では主寝室は36m3で、それ以外はLDK各18m3、2つのトイレと浴室も各18m、子ども室には18m3、それぞれ給気しなさいと言っている。主寝室と合わせると180m3の給気が必要ですということ。
日本のシックハウス対策では一律0.5回転/時。これだと166m3程度。
一条の分配器はすぐれもので、各室18m3の分配はきちんとやってくれる。ただ、パイプが100ミリ以下で、細いところは耳鳴り音が響いて不評な面も…。
しかし、給気の面では心配していない。
しかし、匂いが移転しない場所からの排気となると、当然一番排気をしたい台所、浴室、トイレ、シューズルーム、クロゼットからは行われず、臭気が溜まる一方にはならないだろうか。

私は、黙ってトイレからは25〜30m3、浴室・台所から50m3は排気する。すると残りは30〜40m3。これはシューズルームとクロゼットから15〜20m3となる。
一条のプランを見て、一番感じたのは排気計画。これを設計マニュアルにどのように書かれているのだろうか。排気不足で室内は常に加圧状態におかれているのではなかろうか。
それと、壁掛けエアコンの位置とドレーンの処理。当初のように壁内で行うと気密性能が低下してしまう。現しの配管で許されるのだろうか ?

ともかく、ダクトによる給排気計画、リターン換気計画、機械室の位置、OAとEAの位置の最善な方法の選定でプラン計画の半分の時間がかかる。最低3日の仕事。そこまで真剣に考えるから、デシカによるセントラル空調換気計画では最高の室内空気質環境が得られる。
正直いって、現在の一条の設計士では、完全な空調換気計画をこなせる人間は皆無ではなかろうか…。
これは、それほどがっかりしなくてもよい。
一流のはずの空調換気の関連メーカーの技術者でさえ、がっかりするような欠陥図面を、堂々と顧客に提案し、大顰蹙を買っているのが実態だから…。

一条工務店のゼロ・エネルギーハウスの性能値と価格は大変評価したい。
地場ビルダーの中で、何人の人が、一条の見積書を見ているのだろうか?
しかし、急速に普及するということには、反面大きなリスクと危険もついて回る。
その点を頂門の一針として、心して頂きたい。


posted by uno2013 at 16:43| Comment(0) | ゼロエネルギーハウス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月10日

i-smart を性能的にも価格的にも上回るビルダーが何社あるか ?


首都圏の I さんから、具体的に数社の社名をあげて、「この中で、本当に i-smart に性能的にも価格的にも対抗出来得る会社を紹介して欲しい」 とのメールを頂きました。
新住協の鎌田先生や森みわさん等の講演も聞きに行き、その話の内容の問題点も指摘している熱心で、非常にまじめな賢い消費者の一人。

「i-smart に対抗出来得る商品」というのは、すでに見たとおり。
40坪でQ値が0.9Wを切っており、資材の値上がり分を換算しても、標準的な照明・カーテン・外構工事込みで坪単価が75万円 (消費税別) で上げられる住宅……ということ。
首都圏で、コンスタントにQ値が0.9W以上の、例えば0.87Wという商品を提供している会社は、私の知っている範囲ではない。
たしかに、「パッシブハウス」などの名で、試験棟を建てた経験社は何社かある。
だが、いずれも坪単価という商品の基本的な点については、単なる原価の積上げによるものが多く、ほとんどが坪80万円を軽くオーバーしている。
つまり、i-smart 対抗商品として、意識的に、組織的・システム的に考案されたという商品は、未だに皆無と言える。

したがって、私の答えは次のようにならざるを得なかった。
「現時点では非常に残念なことではありますが、挙げられた7社には i-smart に対抗できる商品を持っている会社は一社もありません。 そして、近いうちに何とか開発したいと努力している会社も、残念ながら仄聞しておりません。 しかし、皆無かというとそうではありません。 今挙げられた7社以外で、若手の現場のプロを中心に据えて、システム的に解決出来ないかとプロジェクトを立ち上げようと努力しているグループが存在しています。果たして、この若手グループがどこまでやれるかです…。 ツーバィフォー工法をオープン化した時、集まってきたのは全国の若手の向こう知らずの面々でした。その若手は経験が乏しかった。 だが何でもトライしてやろうという強い意慾があった。その意慾が日本の経験と勘に頼っていた古い木構造を根本的に覆し、耐震性と防火性の高い木構造体系を築きあげてくれました。 おそらく、i-smart 対策商品を開発してくれるのは、過去の体験を引きずっていない そうした若手の中から誕生してくるのではないでしょうか…」。

我ながら情けない。奥歯に物が挟まったような文言の羅列になってしまった。
私が言いたかったのは、「今までの成功体験に酔っている者の中からは、絶対に i-smart 対抗商品は生まれてこない」 ということ。
かつての在来の木軸に安住していた棟梁からは、何一つ革新的なシステムが生まれなかったように…。

数年前までの、かつての一条工務店は、木軸のメーカーに過ぎなかった。田舎のお年寄りを相手に、年寄り好みの家を建てているだけの「おやじさん企業」だった。
それが、ツーバィフォー工法に転身し、工場生産では絶対に不可能であるとされてきた気密性能、つまりC値1.0cu/uの難関を、EPS断熱材に何本かのスジを入れ、その反発力を利用するというアイディアでC値0.6cu/uを達成してしまった。
鉄骨プレハブとかツーバィフォーパネルでは不可能であると信じられていた気密性という難関を、ど素人の発想力で突破したのである。
ところが、他の鉄骨プレハブメーカーもツーバィフォーのコンポーネント工場も、価格の安いグラスウールにこだわっていて、一条工務店の経験に学ぼうとせず、未だに1.0cu/uの壁さえ越えないでいる。そして、国交省に泣きついて、次世代基準から「気密性能」という言葉を削除してしまった。
情けない「低気密性能住宅」の軍団達…。それを支持しているお役人とご用学者。
既存の知識や常識にこだわっていると、何一つイノベーションが進められないという代表的な見本の一つ。

一条工務店は、今までの常識を打ち壊してきた。
そこから i-smart が生まれてきた、という事実を直視する必要がある。
だが、残念ながら私のリンク先の首都圏の地場ビルダーには、最近はものすごくイノベーション力が低下している。
つまり、新規なものに対するトライしょうという意識が著しく欠け、自分の古い成功体験を維持することに汲々としている。そんなトップがほとんど。
これでは、現状打破力で力をつけてきた i-smart に対する対抗商品は、逆立ちしても生まれてこない。
現状を打破する意欲のないものに、新商品を期待することは どだいムリな相談。

大変に厳しい見方ではあるが、私のホームページの首都圏のリンク先は、i-smart が誕生するまでは検討に値する対象企業であった。
ところが、i-smart が生まれて丸3年になろうとしている。
それなのに、危機意識の欠けたトップは、未だにQ値が0.9Wを切れずにオタオタしており、醜態をさらしている。
そして、昔のままの「自然素材」とか「ムク材」などを謳い文句にしてさえおれば、この危機を乗り越えられるかのような、大きな錯覚に陥っている。
これでは、いまどきの若くて賢い消費者は離反してゆく。
私のホームページのリンク先を一新すべきかもしれない。
そうすると、ほとんどの企業が姿を消すことになるが……。

私のホームページを訪れてくれている約140人/日の消費者の7〜8割は、黙って i-smart に走っている。
私の目からみれば、i-smart にはまだまだ欠陥が多い住宅。とくに強調したいのは、「本当の快適さに欠ける」というのが難点。
しかし、消費者の立場で、現状の中で選択するということになると、消去法の結果 i-smart にならざるを得ない。
そこへ持ってきて、太陽光発電7kWが自己資金ナシで搭載出来ると言う魅力が加わった。
つまり、i-smart というのは、今までの単なる《省エネ住宅》ではなく、パッシブハウスよりは先行している《ゼロ・エネルギーハウス》なのだ。
経産省や国交省の当てにならず、しかもやたらと制約条件が多い補助金に依存しなくても、坪75万円の資金手当てさえすれば ゼロ・エネルギーハウスが入手出来るという魅力。
この魅力を、地場ビルダーのトップは、本当に 真剣に考えているのだろうか…。

私のリンク先から、昨年は宇都宮のエムエスホームズなど有力な3社が姿を消した。
リーマンショック後に、ホンダなどの有力企業の消費者が動かなくなったからだと言っていたが、同時期に i-cube や i-smart が急伸していたことを考えると、すべてをリーマンショックのセイにすることは納得できない。
また、今年の4月末から仙台のツーベアホームがホームページを閉じ、電話も携帯電話でも連絡がとれなくなった。主力としていた東北電力の従業員相手の《オール電化住宅》の影が薄れたことと、電力会社の合理化が大きく影響しているからだと推測する。
両社とも北関東から仙台にかけての若手のホープと見られていただけに、戦線離脱は痛い。根源は、いずれも i-smart 対策の準備不足にあったと私は考える。

地場ビルダーは、その存立の基盤をアンチ三井、アンチスウェーデンハウスに置いていたところが多い。
三井やスウェーデンハウスだと価格的に十分に対抗出来る相手。だから、三井やスウェーデンハウスのおこぼれで商売が出来た。
ところが、ツーバィフォーのトップメーカーは、三井ホームに変わって昨年から一条工務店になった。 スウェーデンハウスには、かつての活況が見られない。
まだまだ相見積の経験がない一条工務店の i-smart が、最大の競合相手として登場してきているという事実。
それなのに、各住宅紙誌は、どうしたわけかそのことをほとんどとり上げてくれない。
騒いでいたのは私だけ。私の警鐘度が弱かったと言うことであろう。その点では大きく反省しなければならないが、企業のトップの感覚が消費者から大きくズレてきていることに、ほとんどが気付いていないことこそ大問題。
いや、気付いているのだが、虚心坦懐に他から学ぼうとする基本姿勢が失われている。
極論すれば、住宅業のトップとしては資格が喪失しつつあると言うこと……。

しからば、首都圏以外の地場ビルダーはどうか。
中部以西でも、首都圏とほとんど変わらない。
だから、全国的に i-smart の快進撃が続いている。
私の知っている範囲で、この快進撃に何とか対抗するシステムを作ろうとしている地場ビルダーや、ビルダーを支援する資材などのメーカーや販売店で、これはという動きがあると言う話を 聞いてたことがない。
何社かの倒産事例が出ない限り、このまま手をこまねいているだけかも知れない。

しからば、北海道はどうか。
北海道では、Q値が1.3W以下では どの消費者も相手にしてくれなくなってきている。
鎌田先生のグループが叫ばなくても、実質的にQ値が1.0Wを切っていないと、地場ビルダーとしては認めてくれなくなっている。
そして、進歩的なトップがいるところでは、0.9Wを切り、実質的なQ値は i-smart に並んでおり、価格的にも一条工務店より優れているところが多い。
これは、北海道に限ってロックウールによる充填断熱と気密工事を一手に引き受けてくれる専門業者が存在している、という事実に負うところが大。
北海道の地場ビルダーの客出し価格を見ると、びっくりさせられる。
65キロのロックウールの価格が、驚くほど安いのだ……。
これだと、i-smart のEPSの充填断熱材や50ミリの外断熱よりは遥かに優れている。

ただし、206のロックウールの充填断熱は良いが、その外側にチャチな枠を組んで200ミリ以上の現場吹込みロックウールを外断熱として用いているのには賛成できない。
神戸や中越の直下型地震を見て回った私の目には、どうしても不信感がついて回る。中越地震の時の外断熱がそうであったように、ほとんどが剥落してしまうと感じるから。
あのホールダン金物が、激しい上下動で千切れていたのですよ……。
もし私がやるならば、206の壁の外側に、土台から210のタルキを結ぶ204の通し壁を外側にもう一つ建てる。そして構造用合板、ないしはOSBで固めて、その間にロックウールを吹き込む。
これだったら i-smart の50ミリの外断熱に比べてもはるかに安全であり、耐震性、耐防火性でも安心出来る。
この仕様か、KMブラケットによる仕様、あるいは I ジョイストによる210または212の壁だと、i-smart よりは優れていると思う。対 i-smart 対策ということであれば、その3つに絞るべきだと考える。
そして、Q値は0.8W以下で、4kWの太陽光を搭載した坪価格が75万円以下であれば堂々とゼロ・エネルギーハウスを呼称してよい。
私だったら i-smart よりは、間違いなく地場ビルダーの方を選ぶ。

ところが、一条工務店も負けてはいない。
トリプルサッシを採用し、地中熱回収型全熱交を標準装備し、硬質ウレタンの特殊仕様だとQ値0.53Wという札幌市次世代基準の「ハイレベル基準」に適合する超高性能仕様を、近く宮の沢東展示場にお見絵させるという…。
つまり日本も、本格的なトリプルサッシの時代に突入する。
そうなれば、北海道ではQが0.7W、首都圏では0.8Wの性能が求められ、坪単価はそれでも76〜77万円という商品開発が求められる。
この性能と価格が、実現出来るかどうかが問われています。

いまどき、Q値が0.13Wとか0.11Wといっても、知っている消費者は振り向きもしない。
国交省や関係筋の先生方のように、無知な消費者を対象にして1.9Wなどという現実離れの話に貴社が拘泥していたら、貴方の会社は3年以内に倒産することになるでしょう。 国交省は潰れませんが…。


posted by uno2013 at 14:12| Comment(0) | ゼロエネルギーハウス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月15日

目標は40坪で、坪74万円でゼロエネルギーを達成する !!


一頃は、R-2000住宅のQ値1.4Wという輝かしい実績を上回って、如何にしてQ値が1.0Wの住宅にしてゆけるか !

あるいは、どうしたらパッシブハウス (年間一次消費電力を120kWh/u以下) が達成できるようになるか !

この数年間は、そういった観念的な目的論が中心になり、議論が進められてきました。 
早い話が、省エネ性能数値が目的化し、消費者の関心の高い耐震性や本当の快適性を如何に高めて、しかも消費者の手の届く価格にするか。
そして、どのようにしてゼロエネルギー住宅を達成するか。
そのような肝心の視点は、残念ながらなおざりにされてきました。
そして、政府と学者の作った観念的なHEMSによる2段階によるゼロエネルギー論なるものが横行し、補助金をつけることで経産省は新しい天下り先を確保。
そんなバカ騒動のおかげで、民間側は価格問題までは手を回わせる状態ではなかったというのが、正直なところでした…。

R-2000住宅が爆発的な普及を見せ、専業ビルダーが誕生出来たのは、PVCのペァーガラスが安く入手出来るようになったから…。
もちろんペァーガラスだけではありません。各種の断熱材の開発、性能のよい顕熱換気システムの開発、同時給排型台所換気扇システムの開発、あるいは気密断熱性能の良い床下点検システムなどの小物の開発までが揃って、初めて今までは得られなかった新鮮な室内空気質と、温度差のない快適空間が手に入るようになったのです。
それより一段上の快適性能を目指すには、何と言ってもトリプルサッシの開発が急務で、手ごろな価格での入手がカギを握ると考えられました。
私のこの数年間の主要行動は、それへ傾注させていました。

その時、意外や意外。 
大手住宅メーカーの一角で、もっぱら田舎のお大尽様を相手にしている会社だと考えられていた一条工務店が、Q値0.8Wを切る i-cube を開発したのです。
ともかく、観念的ではなく、日本でも超高性能住宅が、準パッシブハウス事業として軌道に乗せられる可能性が出現したのです。 
R-2000住宅にしがみついている企業の影が、あっという間に薄くなりました。

そして、その方向を決定づけたのが、一条工務店のフィリピン工場での太陽光パネルの生産でした。
たしかに、現在の中国では 大手だけではなく中小の精鋭太陽光発電メーカーが力をつけ、kW当たり15万円で搭載工事までを完了しているそうです。
当然のことながら、中国の次のターゲットは日本。
日本の大多数の家庭を犠牲にするメガソーラーの今年度の38円という価格設定は、絶好の好餌。 
中国の実態価格の2倍以上の価格を、ソフトバンクなどの政治力に押されて、経産省が今後20年間に亘って電力会社に強制的に買上させるのです。 それを高い電気代として国民から巻上げようと言うのですから、実質的な大増税。
そして、日本メーカーのシャープ、京セラ、パナソニックなどは、カラーテレビと同様に駆逐されて行くでしょう。 雇用機会は見事に失われてゆくのが目に見えています。

その中にあって、唯一わが世を謳っているのが一条工務店。
なにしろ、フィリピンの労賃は中国より相対的に大幅安…。 コンテナの運賃代の問題はありますが、中国並みの価格競争力を持っています。
現在のパネルの価格……5kW未満=44万円。5kW=42万円、7kW=38万円、9kW=34万円が、例え半値になったとしても、1条工務店は利益が計上出来るはず。
現に、同社の10kWまでの搭載工事費が6.6万円、金利は1%と言う数字は、ハイムなどの住宅メーカーが逆立ちしても敵わないもの。
この太陽光発電を初期費用「0」で、一条工務店が責任をもって搭載し、全戸の太陽光の発電量を本社で一括管理し、高い売電で一条工務店が償却してくれて、償却後は施主の物になるというのですから、一条工務店ブームが起こりました。

一条工務店は、一昨年から売り出した i-smart は、1.5寸勾配で、全戸太陽光搭載が必須条件。平均7kWが搭載とか。
もちろん、i-smart 以外の商品でも太陽光の搭載率は高く、90%を突破しています。
なかでも、Q値が自称0.82W、C値が0.59cu/uという i-smart の償却率が卓越しているので、ツーバィフォーだけで昨年は8000棟を突破し、戸数と金額の両方で三井ホームを追抜き、一条工務店が日本一のツーバィフォーメーカーになったはず。
ところが、住宅関係の報道機関は、一条工務店が付きあい広告を一切出してくれないので同社の動向を一向に追おうとしない。
また、有力なスポンサーである三井ホームのご機嫌を損なっては…ということもあってか、肝心の報道はネグレクトしたまま。 情けないサボり。

そして、北海道ではそれほどでもありませんが、内地では性能重視の中堅サラリーマン、なかでも理工出身のサラリーマン、開業医師関係、中小企業主、教師を中心とする地方公務員などの多くの施主が一条工務店へ走っています。
私のホームページの読者の60〜70%が一条工務店へ靡いたと思います。
ところが、どの施主も一条工務店オンリーで、大手住宅メーカーならびに地場工務店から相見積書をとってはいません。
内地では、性能を求めると大手住宅メーカーは気密性能で相手にならず、地場ビルダーは勉強不足と価格面で一条工務店には敵わないということを、賢明な消費者は完全に見抜いているからです。
したがって、「競合に負けて消費者の離反」 が進行していることに、残念ながらほとんどの地場ビルダーは気付いていません。 仕事が少なくなったのは、「どこまでも景気が悪いから」 と他人のせいにしています。
つまり、私のように消費者の移動が見えていないのです。 

ところが、一部の消費者からは批判精神を喪失して、一条ベッタリ派になりつつある者に対して、心の底で次第に反発を覚え、顰蹙を買いはじめています。
そして、i-smart の全熱交システム、ダブルハニカムシェード、Q値が0.9Wを切っているのにランニングコストのかかる床暖房システムの強要、除加湿システムの不完全さによる快適性の低さなどに対して、しだいに不満が蓄積されてきています。
太陽光で 「稼ぐ住宅キャンペーン」 に載せられ、肝心の快適性と社会性を忘れ、意地汚なく走りすぎたことへの反省が見え始めています。
まだまだ少数派にすぎませんが、一条工務店以外での 信頼出来るシステム探しがはじまってきています。

しかし、かつてのQ-1.0W運動とか、パッシブハウス運動と全く違う点があります。
それは、40坪で一条工務店の i-smart に匹敵する性能を持ち、快適さは i-smart 以上で、ゼロエネルギーハウスであって、価格は i-smart の坪74〜75万円で上がる……という厳しい条件が付いていることです。

地場ビルダーは、どちらかというと今まではスウェーデンハウスをターゲットにしてきました。 
おしゃれなデザインと、それなりの性能を備えた住宅を求める高額所得層こそが、美味しいお客であり、スウェーデンハウスが相手だと 価格で勝てる可能性がかなり大きかったからです。
しかし、スウェーデンハウスそのものがこうした顧客の縮小に悩んでいます。
お客様が大きく変わってきているのです。
これからは、一条工務店に勝てないようでは、早かれ遅かれ企業としての存在価値かなくなってゆくということ。

とくに強調しておきたいのは、一条工務店との差別化を図って行くには、私はデシカを中心としたセントラル空調換気が絶対条件になってくると考えています。
ところが、住宅のダクト施工に対しては、現場で苦労を積み上げた経験者がほとんど居ないと言う現実。
ビル建築の技術者では、つまりRC造や鉄骨造建築しかやっていない技術者では、木造の現場では使えないことが、ダイキンの例で証明されています。
それと、もう一つ肝心なことは、CADで書いた構造図では、絶対にダクトの配置がうまくゆかないということ。
これが基本的なポイントなのですが、ほとんどの空調関係者も住宅業者もビルダーも分かっていません。
2階とか3階の床根太内を上手くダクトスペースとして使えてこそ、初めて安価なセントラル空調換気システムが成立するのです。
CADの構造図を前提に考えると、40坪の住宅でもデシカを含めた空調換気工事費だけで300万円を突破し、とても坪74万円では収まってくれません。

今日の話は、具体例の少ない観念的なものになりましたが、別の機会に固定観念しか持っていない者と、CADに拘らずにダクト図がかけるものとの価格差がどれほど違うかを、実証してみたいと考えています。

いずれにしても、消費者が本質的に変わってきていることを知ろうとしない者は、消費者の手によって早かれ遅かれ、淘汰されます。



posted by uno2013 at 08:42| Comment(1) | ゼロエネルギーハウス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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