2015年04月25日

給湯だけではなく暖房費の半減も! 大洋建設の実験棟 (下)



セミナーの会場.JPG


太陽熱利用システムというと、私どもの頭に深く刻み込まれているのが、「太陽熱を利用した給湯システム」。
不凍液を循環させる床暖房や各種のパネル暖房システムも、基本的には同一システム。
この給湯システムにも大きく分けて2つのシステムがあると 道科学大・鈴木名誉教授が指摘。
1つは、矢崎総業に代表される45万円台の 「平板型集熱器」。
もう1つが寺田鉄工所に代表される80万円台余の 「真空型集熱器」。

ところが、今回 NEDO が 「技術開発」 をしようと助成事業を計画したのは、給湯システムだけではなく、暖房システムを含めて、「年間給湯・暖房費を半分にしょう」 というもの。 冷房費や除加湿費用までを含めて半減するというのなら難しいが、暖房費+給湯費たけを半減するというのは、それほど難しいことではないはず。
給湯システム関係だと、大まかな技術開発は終わっている。 また、給湯を用いた床暖房やパネルヒ―テングの暖房システムも、とっくの昔にヨーロッパなどで開発済み。  
したがって私は、冷房がほとんど不要な北海道などでは、ヨーロッパの給湯暖房・給湯システムでことが足りると短絡的に考えていた。 
ところが、暖房システムでは給湯以外のシステムを求めているらしい?
今回のメインテーマーは、私の印象では太陽熱を直接用いた 「給湯以外の暖房の技術開発にポイントが置かれている」 と考えてもよいようだ !?
もちろんコスト面では、実用性に耐え得るものの開発を目指しているが、必ずしも 「経済性」 に重点が置かれたものではなさそう。 そうなれば、話が180度違ってくる。

この技術開発の共同研究機関として九州大・尾崎研究室が選ばれ、設計時のシミュレーションによるエネルギー予測解析を指導したり、完成後の実測値の測定・集計を2年間に亘って行うことになっているらしい。 つまり、全国の実証棟の刻々の観測データーは、インターネット経由で九州大に送られ、そこでまとめられる。
それらのデーターの分析結果は NEDO から発表される。 
途中で 中間発表が NEDO からあるかも知れないが、いくら尾崎研究室と親しくても、また個人的に尾崎先生を熟知していても、いくら突いても結論は話してもらえそうにない。


パネルと配管.JPG

雪の多い札幌では、太陽集熱パネルは屋根に置くのではなく、写真のとおり1、2階とも庇の部分に60度の角度で取付けられる。 
「札幌の場合は60度ではなく、もう少し急角度の方が冬期の積雪を避けれたかもしれない」 とは、鏡原社長の述懐談。
そして、見たとおり平板型集熱パネル。
このパネルの提供を国内メーカーに求めたが、「札幌や旭川だと性能が保証出来ない」 と軒並み尻込みしたという。 そこで、選ばれたのはスウェーデン製のパネルとか‥‥。 何となく淋しくなってくる話。
したがって、一番知りたい集熱パネルの価格と性能については、まだ発表出来る段階には至っていないらしい。 
もちろん性能は、設置の緯度、方位や角度、集熱パネルの仕様、熱媒循環量などで変わるので、一概には言えないが‥‥。
そして、2階の庇についている4枚の集熱パネルが給湯用で、1階の庇についている4枚が暖房用集熱パネル。
よく、太陽光の電気エネルギーの効率は10〜20%で、太陽熱の効率は50〜60%と言われている。
しかし、この写真を見ると、断熱材を巻いていない管が縦横に走っている。 これは、どこまでも素人目にすぎないが、これだけ管が現わしになっているのはもったいないという気がする。


ダブルスキン.JPG

次にこの実験棟で注目されるのは、2階の南面3.185メートルと西面1.82メートル (3.25畳) のサンルーム空間。 その外壁側に、設けられている幅約60センチ弱のダブルスキン空間。 
このダブルスキンというのは、外壁の外側または内側にガラスなどの壁を2重に設けて、その空間を温熱コントロール空間として利用するもの。 多い使用例は、バルコニーの外側にガラスの壁を設けて、バルコニーで温めた空気を暖房に利用する方法。
大洋建設の実験棟は、札幌だからバルコニーがない。 変わりに小さなサンルームが設けられたということ。

北海道では、最近の傾向として南面以外はトリプルサッシを採用し、南面だけをペアーガラスにする例が多く見られると聞く。 南面までトリプルサッシにすると、冬期には日射熱が少なくて寒いから‥‥。 
これは、冬期の室内の相対湿度が30%以下と低くなっても我慢しているから、ペアーガラスでも結露が生じていないだけのこと。 冬期の相対湿度を快適な45%以上にしたら、北海道の住宅はほとんどが結露だらけで、住宅寿命が極端に短くなってしまう。
つまり使う方位によって、ガラスの日射取得率 (η値) を変えるのが本筋。 それをやらない手抜きの悪い風習が、北海道では横行しはじめていると言うことらしい。


床下蓄熱.JPG

一方、昨年の4月30日付のこの欄で、北海道無暖冷房住宅研究会の、絵内先生などの集熱と蓄熱の研究について報告した。 
太洋建設の実験棟でも、2階の南面の6畳の子供室の床に大建工業のDKPM-20という蓄熱フロアーを採用している。 また、地下の基礎空間を蓄熱層として活用している。
しかし、ダブルスキン空間と言うのは、私にとっても初めての経験だったが、北海道ではおそらく初めての試行であろう。
大洋建設のダブルスキンは、外側にトリプルサッシを用い、約60センチの内側にロールスクリーンを内蔵したペアサッシを用いている。 夏期はこのロールスクリーンが日射を遮蔽する。 肝心のガラスのη値を聞くのを忘れた‥‥。
太陽熱集熱パネルとこのダブルスキン空間で温められた空気は、基礎のスラブへ送られて蓄熱される。


空調室.JPG

しかし、ダブルスキンの空間は限られている。 他の南面や西面の窓からは、ダイレクトに太陽光が入って、オーバーヒート現象を起こす。 そのため、この実験棟では室内の空気の循環量を増やして北側の部屋へ循環させている。
それと、吹雪が3日間も続いた時は、集熱パネルもダブルスキンも役に立たない。 地下の基礎に貯えられた熱もなくなってしまう。
そこで、2階の南面に4.5尺角の空調室が設けられている。 冬期の予備暖房として、夏期の冷房運転として機能しているのだろう。
この空調室の内面は、写真で見る通り6面ともアルミ箔仕上げ。 音や熱の伝導を防ぐためだろうが、その効果のほどはどれほどなのたろうか?  ここまでやらなくてはダメだったというクレームは、今までに一度も受けていないのだが‥‥。 
この空調室はダクトで各室と結ばれていて、オーバーヒート時の空気循環にも大活躍している。

九州大の指導で内地で行われる一般的なシステムでは、換気も湿度調節もエアコンで行っているのだそうだ。 しかし大洋建設の実験棟では、事業主の意向で別途に第一種換気を設置しているという。 そして、湿度調節機器は設置していないとのこと。
ところが、2階の西側の6帖の子供部屋の押入れに設置されていた温湿度計では、室温が21℃で、相対湿度が48%であった。 絶対湿度は8グラムと冬期としては理想的。 したがって、湿度調節機能を持っているという風に考えてしまったが、これは考えすぎだったらしい。
多くの参観者の吐く息で、相対湿度が上がったらしい‥‥。


タンクとエコジョーズ.JPG

上の写真は、台所に置かれた貯湯タンク。
念のために、ガス会社のエコジョーズが併設されていた。 
給湯については、いまさら触れるまでもなかろう。


同行した4人の意見では、「新技術の開発だから、いろんな試みがなされていて参考になった。
しかし、機械ものは10数年から20年で必ず壊れる。 そのアフターメンテが非常に大切。 ところが、車のように定期点検が義務化されておらず、機器の損傷に対する消費者の予備の貯金もなされていないのが現実。 このため、ビルダーとしては60〜100年間の住宅性能そのものについては保証出来るが、機器に対しては保証出来かねているというのが現実。 ここらあたりのシステムを、是非 NEDO で考えていただきたい」 という意見に収束された。
一つの意見として参考にして頂きたいと思うが、セミナーでの各講師の発言内容の資料が配布されていないので、これ以上の詳細な報告は出来ないというのが現実。 
内容の不備や舌足らずな点は、お許しいただきたい。


posted by uno2013 at 10:59| Comment(0) | 展示会・シンポジウム・講演 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月21日

太陽熱はどこまで復活するか? 大洋建設の実験棟 (上)



今から35年前も昔のこと。
つまり、45歳以上の方だと覚えているだろう。
当時の日本の新設住宅の着工戸数は、小さなアパートまで含めて年間150万戸。
その半分以上の住宅に太陽熱温水器が搭載されていた。 
なんと、1980年には年間80万台も売れていた。
菅原分太の朝日ソーラーの宣伝文句は、テレビからどんどん流れ、誰しもが家を新築する時は太陽温水器を屋根に搭載し、風呂や調理の時にタダのお湯を使うことが夢だと考えていた。

それが、鈴木憲三・道科学大名誉教授によると、昨年の実績はたった3万台程度に過ぎなかったと言う。
何故、日本では太陽熱ブームがポシャってしまったのか。
ドイツやオーストリアなどでは、「太陽光」 もさることながら、「太陽熱」 に対しては消費者も強い関心を持っている。 
いつの間にか、日本だけが 「太陽光発電」 に偏重し、大切な 「太陽熱」 のことを忘れてしまってきた。
その原因は、セールスマンにやたらなノルマを背負わせ、その尻を叩いた朝日ソーラーの経営方針に問題があり、消費者が同社離れを起こしたことは事実。

しかし、それよりも大きかったのは原発の普及。
日本の発電量の1/3を占め、近い将来は1/2までを占めるのではないかと電力業界や政府関係者も考えていたし、日本の学界の意向もその方向に集約されていた。
つまり、原発の比重が高くなればなるほど、夜中やゴールデンウィークなどに余る電気を如何に消費するかが問題になってきた。 
原発は一度点火させると、簡単に停止させることは出来ない。 
したがって、調整は火力発電でやるしかない。 しかし、ピーク時に焦点を当てるとなると、どうしても原発に頼にならざるを得ない。
その結果として、余剰電力の活用が大問題になってきた。
そこへ登場したのが 「エコキュート」。
これこそが、原発の窮地を救う 「神様」 として、政官学のすべてにもてはやされ、私ども住宅人は電力業界のお先棒を担がされ、「オール電化住宅」 なるものを売らされた。 
つまり、エコキュートを売ることが 「善」 であって、「太陽熱」 などに関心をよせることは 「悪」 であるかのような風潮が世の中を支配した。

そこへ悲劇的な知らせが届いた。
2011年3月11日の東日本大震災。
こともあろうに、「絶対に安心だ」 と言われていた福島原発か大きな被害を出し、あれほど騒がれていた原発のほとんどが停止に追い込まれてしまった。
そして、民主党の菅前総裁は、ソフトバンクの孫代表の言葉に踊らされて、太陽光に投機資本の導入を許してしまった。
本来は、民間の消費者を信頼して、「太陽熱」 にもう少し力を入れるべきだった。 
ところが、投機資本は太陽光に殺到し、日本の貴重な遊休土地を中国産のパネルで埋めようとしている。
これ以上のことは、ここでは書かない。 


さて、問題は太陽熱がどれほどの効果を持っているかということである。
太陽光に多くの消費者が関心を持たされたのは、「その買い上げ価格の高さ」 であった。「何年間でモトがとれ、タダで電気が使える」 と言うことだけが話題になった。
これに対して太陽熱は、どこまでも自家での消費を問題にしている。
今回の大洋建設の実証棟は、[暖房用と給湯用で、熱エネルギーを50%削減する」 というNEDO (新エネ技術開発機構) の計画に乗ったまで。
札幌の大洋建設だけでなく春日井市のFHアライアンス、旭川市のカワムラ、花巻市の花住ホーム、福井市の松栄建設、春日井市の丸七ホーム、宮崎市のアイ・ホームの7社が参加してそれぞれに実証住宅を建設している。

http://taiyoukk.com/publics/index/100/

大洋建設が建てた実証住宅は、上写真のとおり1、2階で延べ面積が117.2u (35.4坪) で、木軸の2階建。 ロックウール105ミリ+135ミリのフェノバボードの外断熱で、トリプル・サッシを採用している。 このため、Q値は0.7Wで、C値は0.3cuという。 
札幌市の次世代基準で言うならば2番目のハイレベル・クラス。
図のように左が北で右が南の南北に長い敷地。
これに、2階の庇には60度の角度で、4枚の給湯用太陽光集熱パネルが取付られている。
1階の庇には、これまた4枚の暖房用太陽光集熱パネルが取付られている。
上の写真だけでは、同社のシステムはなかなか理解出来ない。


1F.pdf

2F.pdf

そこで、同実証棟の1階と2階の平面図を上に紹介する。
これを見ただけでは、同社のシステムを理解するのは困難。 したがって、詳細な解説は次回に回すことにしたい。
posted by uno2013 at 18:44| Comment(0) | 展示会・シンポジウム・講演 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月05日

日経の2つのセミナー「健康・省エネ住宅最前線」と「光触媒と建築」



昨日、日経主催の2つのセミナーへ顔を出してきました。
午前中は 「健康・省エネ住宅の最前線」 というのがテーマなので期待して出席したら、会場で配られていた案内状の内容が 「スマートウェルネス住宅」 と、完全に入替わっていたのにはビックリしました。
このスマートというのは、最近よく 「スマートハウス」 と大手メーカーや国交省が言っているように、太陽光発電が6.5KW以上搭載した住宅という意味でしょう。
私はどこまでも、「断熱・気密に優れた家」と受け止め、Q値は0.9W以上、C値は0.4〜0.6cu以上の住宅と捉えていますが、一条工務店の i-smart にしても、どちらかというと太陽光7〜10KW以上搭載した住宅という印象が強くなってきています。

私がメガソーラーに反対しているのは、数年前ドイツで見たものは 「太陽光を大切に使う」 と言うことではなく、実体は 「投機マネーの乱立」 だったからです。
そして、最近の正確な数字を忘れましたが、電力会社に売る価格が25円/KW程度で、電力会社から買う電気料金が35/KW以上と高くなり、最初に乗り出した投機資本以外は退散し、肝心の蓄電に対する投資はほとんどなされていないと聞いています。
それなのに、孫義明の投機マネーの言葉を真に受けて、昔の管総理は 「投機マネー大歓迎」 というつまらない政策を日本へ持ち込みました。 しかし、今年の4月からメガソーラーの買取価格は29円に、7月からは27円になります。 いわゆる逆ザヤになり、完全に投機資本の暗躍する時代は終わりました。
そして、10KW以下の家庭用も、東京・中部・関西は買取価格が33円ですから、投機的な魅力はなくなってきました。 これからは、売電よりも蓄電の時代。 やっと本来の正常な姿に戻りました。 そして、太陽光はどこまでもサブで、本命はQ値0.9W以上の断熱性であり、C値は0.4〜0.6cuの気密性が最前線に出てこなくてはなりません。 それと、自家でいかに太陽光を蓄電して、それを有効に使ってゆくと言う時代。
他人の褌で投機で儲けようと言うあさましい根性は、今年限りで捨てることにしましょう。

経済産業省は、そんなサインを出しました。 これでは国交省側の村上周三先生や伊加賀俊治先生のメンツが立ちません。 そこで、「ウェルネス」 というわけのわからない概念を持ち出して来たのではないかと、ゲスの私は考えました。
「ウェルネス」 と言うのは健康のこと。 単に待ちの健康ではなく、[積極的に新進の健康増進を図る生活態度」 という意味らしい。
伊加賀慶大教授の 「スマートウェルネス住宅研究の概略と現状」 という講演内容を聞いた範囲では、「寒い家に住んでいると血圧が上がるし、炬燵に潜りこんでいて1400歩も運動不足が起こる。 国の決めた省エネ住宅に住んでいるのはたった5%。 イギリスやドイツのように 「国民の権利」 として暖かい住宅に住めることが目的。 だが、日本はそこまでもいっていない。
「床暖房の家に住むことが、ステータスだと考えられているだらしなさ」 というような、さっぱり要領を得ない話で、眠くなってきました。

次いで話をした星出聰自治医大准教授の 「スマートウェルネスの医学面からの評価と現状」 はこれが学術発表かと思うほどひどいもの。 ともかく、診療所で診断しているだけで、医者は患者がどんなにひどい住環境にあるかについて、何も知っていないことを暴露しただけ。

パネルデスカッ.JPG

最後に、上記2人の学者と栃木の訪問介護の黒崎看護師、それとコーデネィター上原裕之氏を交えたパネルデスカッション。
ここで、やっと 「スマートウェルネス」 の目的としているところが、いくらか明確になってきた。 つまり、国民はシックハウス、ヒートショック、熱中症、アレルギー、糖質の取り過ぎによる肥満などに悩まされているが、医者や看護師、建築家や林業家に相談しても、誰もまともに相手にしてくれない。
もっとも、家庭の健康を守っているのはお母さんと、看護婦さん。 この人達が中心になって、ドイツのように 「暖かい家に住めるのは国民の権利である」 ような社会にしてゆくには、地域のお母さんと看護婦さんが手を組んだ 「草の根運動」 を起こして行くしかないと言うこと。
趣旨は大賛成だが、果たしてそんな草の根運動が起こるのか?
大手住宅メーカーと中小建設会社や大工さん主体に考えている国交省の、消費者を騙すための眼先を変えた手法に終始するのがオチではなかろうか? 
そんな、肩透かしの印象を持たされただけの、つまらないセミナーでした。

芝浦工大本橋.JPG

午後は、芝浦工大本橋健司教授による 「光触媒の建築への応用について」。
私は本橋先生は良く存じ上げていないが、建研の時、タイルやガラスに対する光触媒の効果を調べていたらしい。
光触媒工業会のホームページによると、酸化チタン光触媒は、最も効果的で、紫外線を当てると、「分解力」 と 「親水性」 の作用を発揮する。
そして、酸化チタン光触媒の用途として、大きく5つに分けている。
◆防曇    ミラー、ガラス
◆防汚    タイル、テント、ガラス、外壁、建装
◆抗菌    タイル、繊維、塗装
◆水浄化   水処理装置
◆ガス分解  空気清浄機、カーテン、フラインド、ランプ、冷蔵庫など、コンクリート、建装

このうち、本橋先生が担当されたのがタイルや塗装、ガラスなどの建築外装材。
しかし、ほとんどの試験が短期間で、いろんなデータが発表されたが、光触媒を使うことによって、どれほど汚染効果があり、掃除などのメンテナンスがどれほど減ったかという肝心の記録がまったくない。
つまり、「光触媒を採用した方が、これだけのメリットがありますよ」 というデータが一切示されていない。 したがって、内容が非常につまらなかった。
これは、研究者本橋先生が悪いのではなく、光触媒の話をさせるということで、橋本先生を選んだ日経のスタッフが悪い。
私なら、もっと実践を積んでいるTOTO、昭和電工、パナソニックの担当者を選んできて、お客の苦情も含めて、実情を語るものにしたはず。
その方が、何よりも聴視者が聞きたかったこと。

それと、光触媒と言うと、最近では空気清浄機に対する消費者の関心がやたらに高い。
ネットで調べてみても、パナソニックがよいとか、ダイキンのダブル捕獲というのは本当なのか、という書き込みを多く見かける。
私の関心も、外装よりも空気清浄機の方にあった。 しかし、本間先生に聞いても正しい答えはえられないだろうと、早々に諦めた。
こういった点でも、日経の担当者の不勉強がやたらに目立ち、ストレスだけが異常に蓄積されたシンポジウムとセミナーでありました。


posted by uno2013 at 09:06| Comment(0) | 展示会・シンポジウム・講演 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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