2015年10月25日

健康住宅は、自然素材を使うとか風通しが良いだけでは得られない!


今月の30日(金) の 「独善的週刊書評」 で、「健康住宅を手に入れる5つの知恵」 という著書を紹介することにしている。
なんということはない。 「無垢のパイン材を床に使い、内壁を漆喰塗りにして、風通しと日当りを良くして、マイナスイオンを多くすれば健康住宅は得られる」 と、一般的な常識論を並べているだけ。 それだけなら許せる。
「高気密住宅にしながら、24時間機械換気をやっているのはナンセンスだ」 と挑戦的な言動を弄んでいるので、堪忍袋の緒が切れた。
当然、私は 「R-2000住宅のワークショップで、カナダと日本の学者や官民がこぞって7年間にわたって研究し、多面的に議論して確立してきた健康住宅。 それをこの程度の知識しか持合わせていない人間に、糾弾されてたまるか!」 ということで反論した。 そして私の読者の方なら、この欺瞞的な発言に猛批判を加える力を、全員が持っている。
ともかく、独善的週評では紙数が限られているので、まともな反論にはなっていない。
そこで、言い足りなかった最低限のことを、敢えてここで取上げることにした。

ASHRAEダニカビ.JPG

まず、ASHRAE (アシュレ=全米空調衛生学会) が、40年も前に発表した 「相対湿度と微生物との相関関係」 の図を見て頂きたい。 この図は、過去に20回以上も紹介しているので、我ながらいささか情けなくなってくる。 だが、これほど相対湿度が、バクテリア、ウィルス、カビ、ダニ、呼吸疾患の発生に大きく関わっているということを見事に立証した図は、今までに見たことがない。 何回見ても納得させられる。
これを見れば一目のように、@バクテリアは、相対湿度が30%を切った時と、相対湿度が55%を超えた時にのみ発生する。 冬季よりも夏季の方が要注意。
そして、風邪などをもたらす Aウィルスは、相対湿度が50%以下か、70%を超えた時に発生する。 やはり冬季の方が発生しやすい。 だが、湿度が高いときの夏風邪にも要注意。
一方、いやらしい Bカビは、相対湿度が60%を超える夏季にしか発生しない。 冬季は窓ガラスが結露に覆われるが、相対湿度60%以下であれば、それほど心配しなくてもよい。 ともかく、窓枠とガラスを丁寧に拭掃除をすることが肝要。
これに対して、夏季にやたらと悪さをするのが Cダニ。 とくに、相対湿度が50%を超えると発生するので、夏季は何はさておいても相対湿度を50%以下にしたい。
Dの呼吸疾患。 これは相対湿度が50%を切る冬季のみに発生する現象で、冬季の相対湿度に気をつけておけば、それほど心配することはない。

この要点を丸暗記して欲しい。
全米空調冷凍学会は、相対湿度が40〜60%の間だと 「快適ゾーン」 だと強調しており、1年を通じて40〜60%の相対湿度で生活することを奨めている。
ヨーロッパ各国やアメリカ大陸の西海岸では、冬季が雨期で夏季が乾燥期。
したがって、夏季は問題なく相対湿度が50%以下。 当然のことながら、日本やアメリカの東海岸のように、高温多湿を気にする必要は一切ない。 つまり、夏のダニ、カビ問題は、ヨーロッパやロスアンゼルス、サンフランシスコなどでは無視してよい。
そして冬季は、東京やニューヨークのように、異常乾燥のために鍵穴にカギを触れるだけで、ビリッと静電気が走るようなこともない。
ところが、そのヨーロッパで、セントラル暖房が普及した冬季に、日本の夏季のようなダニ、カビ問題が急増している、とドイツで開業医をやっている日本人から聞いて驚いたことがある。
冬季のヨーロッパで、日本の夏季に匹敵するダニ、カビ対策やシックハウス対策を講じる必要性が増大しているらしい‥‥。
つまり、今までは温度コントロールだけで済んでいたものが、日本と同様に湿度コントロールが、冬季の場合には必要条件になってきているのだ。

化学物質過敏症とかシックハウス対策が叫ばれて、間もなく20年になろうとしている。
日本へホルムアルデヒドの基準や換気の基準を持ち込んだのはカナダのR-2000住宅。 日本とカナダの学会や政府、民間が一緒になって、「日加リサーチ&開発のワークショップ会議」 が設けられて、7年間にわたって徹底的な研究と議論が重ねられてきた。 その影響を受けて厚生省がホルムアルデヒドに関するガイドラインを発表したのは1997年。
ホルムアルデヒドの日本基準は、世界基準と同じ0.08ppm。 この基準に準じて、早速構造用合板等の農林規格F1〜F3が発表された。 ともかく、F1の構造用合板を床、外壁、野地に採用しておれば、ホルムアルデヒドが0.08ppm に抑えられ、人畜には全く無害。
それを立証するために 国立衛生院の池田部長にお願いして、ホルムアルデヒドの測定器を購入して、全戸でホルムアルデヒドの濃度検査を実施した。

私は、渡部建設の社長の案内で、中越地震の激震地だった川口町の現場を3回も見てきた。
震度7の直下型地震に耐えるには、木質構造住宅の床、外壁、野地には、絶対条件として構造用合板ないしはOSBの面材を採用することが 不可欠の条件だということを学んだ。
在来木軸のスジカイ工法では、全部のスジカイが折れるなり面外へ弾き飛ばされて、倒壊しないまでも 気密性が完全に損なわれるという被害に遭遇していた。
F1の構造用合板を用いると、自然素材と同様にシックハウスから免がれられる。
その肝心なことに目をそむけている輩のなんと多いこと。 こういった輩が、日本の木質構造をダメにしいている。
とはいっても、初期の頃は0.08ppm を達成するのは 大変に難事だった。
測定器で構造用合板完了時に測定すると、全部のホルムアルデヒド濃度は0.08ppm 以下。 ところが、押入れの引戸を空けると、段床に採用している薄い合板はF1仕様ではなくて、0.08ppm を突破する。 慌ててメーカーにねじ込んで、薄い合板をF1仕様に変更させた。
こうして、0.08ppm 以下の性能を持った新築住宅を引渡しても、実際に人が住み始めた家を測定してみると、軒並み0.08ppm を突破。 
その原因は、施主が買ってきた家具や家電に用われている合板やパーティクルボードから、大量のホルムアルデヒドが発散していた。 このため、引渡した全戸のホルムアルデヒド濃度が、基準値の0.08ppm をクリアーするまでには、2年近くの時間がかかった。
「健康住宅を手に入れる…」 を書いた著者は、どのようにしてホルムアルデヒドの濃度を測定を行ったかが一切書かれていない。 したがって、私は著者を信頼出来ないでいる。

ホルムアルデヒドを0.08ppm 以下にするには、ビニールクロスを使っても問題はない。 ビニールクロスからの可塑剤の放出は極めて微量。
問題は接着剤と塗料の選定。 
接着剤としては、当時はポリウレタン1液、エポキシ樹脂2液、ないしは変成シリコン系を選べば問題がなく、塗料としてはエマルジョン系を選ぶしかなかった。
加えて防腐・防蟻処理も重要なウェイトを占めていた。  
農薬以上に問題になったのが、タバコの煙。
また、子どものアトピー性皮膚炎は、生後1〜2ヶ月で発生するものが多く、その90%は食物アレルギーとして発症すると言われていた。
そして、2才児になると60%以上が、家屋塵やダニアレルゲンによると言われていた。
家屋塵としては、@空気中から吸込むハウスダストとしてのダニ、カビ、花粉、ペットの毛やフケ、胞子、粉類がある。 A皮膚に接するものとしては、ウルシ、化粧品や染料、ニッケルなどの金属と、ゴムがある。 また、B薬剤としてはペニシリンなどの抗生物質と、 C食物の添加剤がある。
一番問題になるのはダニであった。
1985年にアメリカのロール医師が、家庭内アトピー患者の発症原因のほとんどが、ダニのフンであることを発見。 つまり、人の血を吸うマダニが問題ではなく、ホコリダニの死骸やフンが原因だと発表した。
もう一度、上のASHRAEの図を見て頂きたい。 ダニは夏季に相対湿度が50%を超えた夏季に発生する。 そして、居場所としてはカーペットとビールの袋入りのヌイグルミ、ソファーや毛布、畳のワラ床などが多かった。
ということは、今までのようにダニの居場所を清掃し、駆逐することだけを考えるのではなく、夏季の相対湿度を50%以内に抑えることそが、ダニの発生は防ぐ最良の方策ではないか‥‥。
この発見が、私共をして夏季の湿度コントロールへ走らせた。

技術的に、この難問を解決してくれたのがダイキンのデシカ。
デシカを採用しているSa邸やユウキ邸では、冬季の相対湿度は40〜45%で稼働させ、夏季は50%前後で稼働させている。 冬季は40〜45%稼働というのは、それ以上に設定するとペアの樹枝サッシに結露が生じる。 このために冬季の相対湿度は40〜45%がキープされている。 これだと、風邪とかウィルスの心配がほとんどない。
そして、夏季の相対湿度が50%。
というのは、55〜60%に設定すると、室温を26℃以下に設定しないと快適ではない。 それが相対湿度50%前後だと、室温の設定は27〜28℃でも快適。 つまりいやらしい冷気から解放されて、汗をかくこともない。
さらに 実質40坪強のユウキ邸の年間空調・換気・デシカの電気代を合計しても、kWh当り33円という高めで計算しても5万7000円で上がっている。 もっとも、ユウキ邸はQ値が0.8W/uと優れた性能を持っているせいではあるが‥‥。
つまり、性能的・技術的にダイキンは難問を見事に解決してくれた。
しかし、イニシァルコストが高すぎる。 機器だけの定価が100万円を超えており、これにダクト工事や分配器のコストを加えると40坪の住宅で200万円を突破、250万円近くならざるを得ない。
このため関係者の間で、何とか200万円以内に収めるべく商品開発が現在進行中。
残念ながら、現時点ではダイキンのデシカを含めて、価格的にこれはというシステムが開発されていない。 だが、ダイキンのデシカの登場で、ダニの心配が不要な商品が開発されたという事実は、心の底から喜びたいと思う。

さて、内閣府は2012年に50年後の人口予測を発表した。
詳細については、各報道機関から発表されているので省く。 一番問題になるのは、人口の減少と著しい高齢化。
                  2010年     2020年     2060年
総     人     口   約1.28憶人  約1.24億人  約0.87憶人
内65才以上の高齢者   約23.0%   約29.1%   約40.0%
15才から 64才まで   約63.8%   約59.2%   約50.9%
14才以下の若者比率   約13.2%   約11.7%   約 9.1%

とくに高齢者の比率が増え、2060年には65才以上の比率がなんと40%を占めるまでになる。 5人のうち2人までが65才以上の高齢者。
そしたら、どんな現象が起こるか。
まず、年寄りは体力が衰えているので、風邪などをひきやすい。 それを防ぐために、高断熱住宅が不可欠となってくる。 昔のような隙間だらけの住宅だと、老人の医療介護費が幾何級数的に増大する。 東京周辺でも、Q値0.9W程度の高断熱住宅が、最低条件になってこざるを得ない。
そして、気密性能のC値は、最低でも0.5cu/uが求められるであろう。
そして、10年前とは異なり、冬季は空気を透さず、夏季は空気を透すインテロというべバーバリアの使用が絶対条件になってくる。 地球の温暖化による夏季の逆転結露を防ぐために‥‥。
そして、日本のメーカーが制作してくれないなら、欧米からの熱回収率90%に近い顕熱交換気が輸入され、日本の換気の主流を占めるようになるであろう。
大手住宅メーカー各社が採用している全熱交換機や、一条工務店のロスガード90は、間違いなく過去の遺物扱いを受けることになる。 いや、しなければならない。
でないと、日本のいびつな換気行政は、いつまでたっても改善されることがなかろう。

まだまだ書かなければならないことが山積している。 しかし、紙数が尽きた。
ただ、湿度をコントロールするには、隙間のない住宅づくりこそがポイントであるというだけは、腹の底から理解して頂きたい。



posted by uno2013 at 15:21| Comment(1) | 技術・商品情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月20日

アメリカにはジョブズよりも大物経営者がいるのですね!



竹内一正著「史上最強のCEO イーロン・マスクの戦い」(PHPビジネス新書 870円+税)

30.JPG

最近は、アメリカの経営者と言うと、もっぱら故スティーブ・ジョブズに光が当っている。
ところが、イーロン・マスクという1971年生まれで、まだ44才という若い怪物経営者がいるというのだ!  この著を読むまでは、その存在を知らなかった。 私だけでなく、ほとんどの人もこの人物の存在を知らないと思う。
そして、ジョブズが輝かしい功績を挙げて、アップル社を建てなおしたのに対して、イーロン・マスクの計画は、第2回東京オリンピックの開催で日本中が湧きたっている2020年から本格的に動きだす予定だという‥‥。
2020年には、まだ49歳のマスク氏は、100万人もの人々を火星に送り出すという計画を緒につけているはずだし、350万円余という電気自動車の大衆車 「モデル3」 がフル操業をし、太陽光発電を搭載した膨大な 「充電のためのスーパーチャージ・ステーション網」 が全世界にネットを張っているはずだと言うのだ。 ともかく、政府以上に、国民の将来を考えている人物らしい。
こんな、夢みたいな計画が、アメリカの1民間企業の手によって実行されようとしている。
アメリカと言う国は、私共の想像を越える国であるらしい。

イ―ロン・マスク氏は、南アフリカ共和国・プレトリアで生まれた。
父は南アフリカ人の電気技師で、母はカナダ人でニューヨーク時代に栄養士やモデルとして働いた経歴を持っている。 メイドも庭師も居るという恵まれた家庭の長男として生まれ、白人系で肌の色は白い。
10歳の時にコツコツ貯めた貯金でコンピューターを買い、独学でプログラミングを覚えたと言うから、頭の出来は私の想像外。 そして、12歳の時に 「ブラスター」 というゲームソフトを開発して、500ドルでそのシステムを売ることが成功したという体験が、その後の成功を約束してくれていると言ってよい。
南アフリカ共和国は、「アパルトヘイト」 で、黒人を弾圧し、18才になると男性は兵役の義務が課せられている。 それから逃げだしたいということもあって、名門のプレトリア男子高校を卒業した17才の時、とりあえず母の祖国へ行くことを決心する。 本当はアメリカへ行きかったのだが、いきなりアメリカへ行ってもビザが取れず、親戚の多いカナダへ移住してからアメリカへ行く方が、スムーズに行くと言うことを知っていた‥‥。
ところが、両親の賛成が得られず、資金的な援助もないままにカナダへ渡ることになった。 そして、農場や製材所で過酷な肉体労働を余儀なくされた。 お坊ちゃんが肉体労働で働いたことが、あとあと大変に良い経験となっている。

トロントへ移ると、クイーンズ大学で2年間、経営学と物理学を学んだ。 そしてこの時、ベターハーフにも出会っている。 イ―ロンは運よく奨学金を得るとともに、憧れだったアメリカのペンシルベニア大へ編入し、引続き2年間経営学と物理学を学んだ。
そして、卒業した時はインターネットブーム。 スタンフォード大に受かったが、実社会でビジネス体験をすることが必要だと考え、2日間だけでペンシルべニア大を去って、Zip2を立ち上げた。 これが成功して、次に 「Xドットコム社」 を設立させ、ライバル会社を買収して31才にして約180億円の巨額資金を手にした。
シリコンバレーでは、31才のイ―ロンが次はどのような手を打ってくるかと注目していた。 イ―ロンが新規に選んだ道は、宇宙だった。 「スペースX社」 を創業。

イ―ロンは傍目では、「次々に連続して起業を成功させる起業家」 のように見られているが、内実はとんでもない失敗例も多かった。 とくに宇宙開発では、最初は失敗の連続。
最初のロケット 「ファルコン1」 は、2005年から2008年にかけて3度も失敗。
それまで使っていたロケットエンジンを、再冷却式に変え40%も効率を向上させて4号機を完成させた。 そして、見事に成功。
しかし、1号機から4号機までに約100億円も使っていた。 あの180億円が底をついていたのだ。
「もし4号機が失敗したいたら、「スペースXはなくなっていた」 とイ―ロンは後日語っているが、それほど追い込まれていた。
しかし、この4号機の成功で、イ―ロンの信用は高まり、資金調達量は桁違いに増大。
そして、ロシアが解体して競合相手がなくなったNASAに変わり、宇宙開発は 「スペースX社」 に任される形になってきた。 NASAから人材を導入した。
こうして、「NASAの1/100のコストで人口衛星を打ち上げ、将来100万人の人々を火星に送り込む」という壮大な計画をイ―ロンは発表するまでになっている。
それを支える2つの技術が、注目されている。
1つは、NASAのように、宇宙船は1度で使い捨てるのではなく、新しい「ドラゴンV2は、ヘリコプターのように、逆噴射して発射した基地へ着陸出来る」。 つまり ドラゴンV2は、何回でも使える。 これが1/100のコストで上がる大きな要因。
もう1つは、ロケットエンジンを史上初の3Dプリンターでエンジンを制作したこと。この3Dプリンターを用いると、高い制度の部品が安く、しかも軽量で製造することが可能に。
それだけではなく、運行中に不具合が起きると3Dプリンターで作れる。 さらには火星で必要とされる各種のインフラも、3Dプリンターである程度は補える。
100万人の火星新都市造りにとって、必要不可欠の技術となろう。

一方、電気自動車を作っている会社 「テラス社」 も、順風満帆という訳にはゆかなかった。
テラス社が最初につくった電気自動車は、「ロードスター」 と呼ばれる売価1000万円という高級スポーツカー。 人気は高かったが、イ―ロンは開発期間が2年間で、費用は25億円程度で上がると踏んでいた。 ところが開発期間は2倍以上かかり、開発費は6倍の150億円もかかった。
そして、第2弾として開発されたのが、2012年の発表された 「モデルS」。
バッテリータイプは60kWh型と85kWh型の2種。 このモデルSは、アメリカのコンシューマー・レポートでは、2014年総合1位に輝いている。 
そして、これまでテラス社は、ナショナルの電池を採用していた。それが2014年の2月にイ―ロン
の発表が世界を驚かせた。
それは、「約5000億円投資して、発電用のギガファクトリーをつくる」 というもの。「2017年に完成させ、2020年には約350万円の大衆電気自動車・モデル3の発売で、フル生産になる」 という意欲的なもの。 もっともこの5000億円の投資には、ナショナルの1000億円の投資を見込んでいるのだが‥‥。

そして、「電気自動車に関するテラス社の特許を無償で公開する」 と発表した。 この発表があったので、トヨタの豊田章一氏は、「燃料電池車に関するトヨタの特許を無償で公開する」 と発表せざるを得なかった。
アメリカにおける電気自動車の普及率は1%に過ぎない。 これを行えば一番喜ぶのが中国。
しかし、中国は法治国家ではない。 特許に抵触する技術と商品を不当に発売しても、共産党政権から睨まれることはない。 しかし、イ―ロンはスペースXで、中国よりも安いコストでイノベーションを成功させたという自信がある。
「アメリカのイノベーション力は、中国の安い労働コストに勝てる」 というイ―ロンの言葉は重い。 同じことで、中国や台湾は太陽光発電で2013年だけで2200億円上回るダンピングをアメリカで行っている。 このため政府は、反ダンピング関税を設けようとした。
ところがこれに反対したのがイ―ロンであり、同氏が出資している 「ソーラーシティ社」。
彼は、「中国政府が、(中国産の) 太陽パネルメーカーに、補助金を出すなら、サンキューとお礼を言おう」 と、信じられない態度を見せている。
それと、イ―ロンが燃料自動車に対して、「水素は危険で、車に向いていない」 と忠告している点や、「人口知能は核兵器よりも危険」 と唱えている点が気がかり。
しかし、桁はずれのイノベーターを生むアメリカには ビックリさせられる。 イ―ロン・イノベーションがどうなって行くか‥‥オリンピックより楽しみが1つ増えた。


posted by uno2013 at 11:47| Comment(1) | 技術・商品情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月15日

エコキュートは東電を中心に開発されたもの。デンソーは単なる特許者



10月5日付の、「ユウキ邸の年間空調+デシカ電気代」(中) のなかで、私は 「基本電力である原発を簡単に停止させるわけにはゆかない。 このため、深夜電力の利用が各電力会社の大問題になっていた。 そして、各電力会社の手によってエコキュートが開発され、またたく間に日本全国へ普及を見せた。
しかし、肝心の原発が停止を余儀なくされている現在、原発の深夜電力をあてに開発されたエコキュートに拘るのではなく、ドイツやオーストリアで大発展を見せている 「太陽熱」 の活用に注目すべきではないか、との趣旨の意見を開陳した。

深夜電力の効率的な利用は、まぎれもなく電力メーカーの本音だった。
今から10数年前、三菱総研の電力会社の動きに詳しい某部長より、「unoさん、9電力会社が共同で開発したエコキュートは、深夜電力をうまく活用しているし、COP効率も高い。 したがっていままで大問題にされてきた深夜電力利用問題は、エコキュートの出現により根本的に解決されたと言ってもよい。 あとは如何にしてエコキュートを普及させてゆくかにかかっている。 しかし、9電力会社のPR力にはすごいものがある。 これからは、安心して任せておいてよいのかもしれない」 という内容の電話をいただいた。
そして、その年の暮に開かれた学術会議では、某大学教授より、「深夜電力の利用はエコキュートの開発で何とかメドが立った。 残りは、5月の連休時の電気の有効利用。 これが解決しない限り、効率的な原発電力利用の目途か立ったとは言えない」 と力説していた。
それほど、電力会社が基本電力として採用している原発の、深夜とか連休時の電力利用度は深刻な問題であった。

ところが、このエコキュートの基本特許を取得しているのは、外でもない自動車部品メーカーのデンソー。
同社の特許の存在に気がついた東京電力と(財) 電力中央研究所が、1998年にデンソーに対して共同開発を呼びかけた。 かくて、2003年より電力各社の懸命な努力によって開発されたエコキュートは、電力各社のPR力によって日本全国へ拡がって行った。
ところが、下記のデンソーの 「環境開発物語」 によると、エコキュートはどこまでもデンソーが開発した技術で、「その普及はデンソー1社の努力によるものだ」 ともとれる書込みをしているから、思わず 「ウソだ」 と言いたくなった。
http://www.denso.co.jp/ja/aboutdenso/technology/environment/story/no3/1par.html
私は、どこまでも部外者。 デンソーの努力と快挙に対してケチをつけるつもりは毛頭ない。 しかし、エコキュートが、デンソー1社の努力で開発されたと言う表現には、我慢ができない。 東電をはじめ、各社が 「エコキュート」 という名で統一し、共同でPRした努力を目の前で見てきただけに、その成果をデンソーの1人占めにすることは、絶対に許せない。
もう少し謙虚にならないと、デンソーに対する信用そのものが失われてしまう。

私の友人から、上記のネットの紹介があったことには感謝している。
しかし、デンソーの言い分をそのまま100%信用していることには、反発せざるを得ない。
私の記憶の中には、エコキュートの開発に関しては、デンソーのデの字も出てこない。
特許をデンソーが持っていたことは、今回初めて知った。 だがエコキュートは、東電を中心に電力中央研究所など、全電力会社が命がけで開発したもの。
そして、電力会社の意図を理解して大手メーカー各社が、エコキュートの生産・販売に乗出してくれた。
それほど、電力各社の技術屋さんは、目の色を変えていた。 目の色が変わるほど、電力各社にとっては、深夜電力の活用は火急の大問題だった。

それなのに現在の基本電力は、原発から石油に変わっている。 原発には、かつての面影は残っていない。
たしかに、石油にしたところで、需要に合わせて発電を止めるのは容易なことではない。 しかし、一度火をつけると、未来永劫に発電を続けなければならない原発ほどの厳しいの制約はなくなっている。
このため、深夜電力の利用に関しては、かつてほどシビァーではなくなってきている。
それと、友人が強調しているのは、エコキュートの電気の安さ。
電気温水器の場合はCOPが1.0に対して、エコキュートはCOPは 3.0と3倍。 つまり、電気温水器の1/3の電気料金で済む。
ということは、必ずしも深夜電力だけを対象に考えれば良いエコキュートではなくなってきている、と言うのだ。 昼間でも高い料金の1/3で済むのだから、どしどし使えばよい。 今までのような370リットルとか460リットルというタンクは不要だと言う。
つまり、エコキュートは深夜電力を使うと言う目的から外れて、小型のタンクで、昼間でもどんどん使えば良いという論法。

そこまで、エコキュートが進歩したのであれば喜ぶべきこと。
また、原発の稼働がほぼ0%の日本において、エコキュートの使用は深夜電力に限るというのは、ナンセンスな出来ごとと言わざるを得ない。
しかし、太陽熱温水は、ドイツやオーストリアでは、kWh当り換算で、いくらで入手出来るのであろうか?  そして日本では、いくらかかるのだろうか?
もし、昼間時の電気代の1/3より安くお湯が得られるのであれば、太陽熱も考慮すべき1案ではなかろうか‥‥。
いや、日本のエコキュートの技術は素晴らしく、太陽熱などに振り向いているのはムダだとデータを揃えて説明していただけると、全員がそれに従うはず。
それをやらずに、エコキュートの素晴らしさのみを強調されても、納得出来かねる。

それと、北海道などの厳冬地のことは、残念ながら私には判断出来ないし、発言権が一切ない。



posted by uno2013 at 07:33| Comment(0) | 技術・商品情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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