2015年05月25日

中国はアメリカを追越せず日本も健闘。BRICSの時代は終焉! (中)



【中国経済編】
山口  中国で長年ビジネスをやっていたが、これは 「やばい!」 と感じる事件が2010年から
 たて続けに起こり、撤退作戦を始めた。 それまでは、共産党の本部の言うことを金科玉条に
 していた地方が、本部の言う進出計画やカネのやり取りのルールより、例えば上海のルールの
 方が上だと言いはじめた。 おかしいと思って異業種の人に聞いたら、同じ経験をしている。
 一党独裁の国で、中央と地方のルールが違うと言われても対処方法がない。
 また、意見交換をしていた中国の学者はそれまで政府政策を批判することがなかった。 それ
 が急に 「今の政策はヤバイ」 と言い始めた。 そこで、大きな投資をしている企業に、「す
 ぐ撤退をはじめないと、間に合わなくなる」 と説得して撤退させた。
 2010年というのは、尖閣沖で中国漁船が海上保安庁の船に衝突事件を起こし、レアアースが問
 題化した時でもあり、シャドーバンキングなどの不良債権問題も浮上化してきて、経済政策の
 潮目がその時に変わった。
 この10年間上海に通っているが、上海でも空き部屋が目立ち始めている。 それでもバブルが
 弾けないのは、買った人が投げ売りしていないから。 今は我慢しているに限るという判断。
 それと、今まで買えなかった層が 「俺でも買える」 と思って動き出している。
吉崎  中国人の不動産取引の特徴は、借金をして買っていないということ。 だから塩漬にし
 ておける。 私も毎年上海に行っているが、2012年に双日が開いた講演会で、重慶市の幹部が
 是非発言させて欲しいと言って、「市では両江新区で巨大な開発をやっている。深センや浦東
 の投資に乗り遅れた会社は、是非投資してください」 と、パワーポイントを使っての素晴ら
 しいプレゼンティーション。
 しかし、その年は中国へ進出していた小売業や飲食店が破壊された。 そのため、「日中関係
 がこんな時に、投資しろと言われても出来ない」 という反論が日本企業から出された。
 そしたら、「われわれ重慶市が、命をかけて日本企業を守ります」 と断言した。 地方には中
 央では考えられない発想が確かにありますね。
 それと、日本から進出をためらわさせているのにPM2.5があります。 北京は盆地だから空気が
 淀むのは分かる。 しかし、上海は海のそば。 そこに3000万人もいるのに、誰も本気で怒らな
 い。 本当に不思議な国だ。
山ア  身の回りが急に汚れると拒絶反応が起こるが、除々だと案外慣れるのかも‥‥。
山口  僕らくらいの年代の人は、中学生時代まで本気で食うに困っていた。 今は食うには困
 らない。 したがってPM2.5には我慢している。 しかし5年先はどうなるかは分からない。
山ア  「中国企業は透明性で信用出来ない」 という意見が多い。 財務情報の開示は先進国で
 は当たり前。 ところが海外に上場している企業ですら、まともな監査済証明書付会計情報が
 ない。 アメリカの年金基金では一定割合は買わねばならないことになっているが中国の企業
 報は信用できないと、ボイコット運動も起こっている。 国内のバブル崩壊だけだと景気低迷
 だけで済むかも知れないが、グローバル化している企業の場合は、相当な混乱が起こるかもし
 れない。
 問題は、不動産バブルがどんな形で収束するか。 マンション価格は年収の20〜30倍。
山口  大都市の不動産は、手金で買われている。 その意味では姿が見えている。 ただし地方
 へゆけば行くほど、地方経済は借金で回っている。必ずしも不動産が手金で買われているとは
 言えない。
山ア  株価はハッキリ下がり始めた。 しかし地価は全国レベルで下がるところまでいってな
 い。 アメリカのサブプライム問題のように、ヨーロッパの銀行へ流れていないので、海外の
 金融機関への波及は心配しなくてもよい。 景気への影響だけ考えればよい。
吉崎  中国企業のすごいところも認める必要がある。 例えばIBMがレノボにパソコン事業を
 譲渡した時、今日のシンクパッドの隆盛を予測するものは誰もいなかった。 日本の稲盛和夫
 や鈴木敏文、宮内義彦クラスの人材が、中国には40〜50代でゴロゴロしていることを、知って
 おく必要がある。
山口  グローバルに展開している中国のトップ100社の社長で、英語が喋れないと言う会社は
 1社もない。 本音を言うと、日本の従業員と中国の経営者という組合せこそが、世界でピカ
 イチだと思う。 悔しいけれども‥‥。
 また、この発言には異論があると思うが、中国が名実ともに日本を抜いたら、もう日本のこと
 は眼中になく、アメリカのことしか考えない。ここで日本がズッコケなければ、あと10年あれ
 ば日中の立場は間違いなくひっくり返せる。 そうすれば、尖閣問題も自動的に解決する。

【新興国経済編】
吉崎  新興経済編に移りたいと思います。 まずは韓国。
 ある韓国観測者が言っていたのだが、「韓国の悪い癖は、願望と未来予想を一緒にしてしまう
 点」。つまり 「日本は落ちぶれればいいという願望が、日本は落ちぶれた」 と信じてしまっ
 ている。 
 2015年は日韓基本条約締結50周年。 日本は無償で3億ドル、有償で2億ドル払って、韓国は対
 日請求権を放棄した。 それが、今になって5億ドルで手を打った現政権の父親が悪るかったと
 言う意見が巻き起こってきている。
山口  日本と違って韓国は5000億ドルの対外債務を持っている。 この5000億ドルは常に外資
 引揚のリスクを抱えているということ。 韓国の外貨準備高は3000億ドル。 それだけで、韓
 国ウォンを支えきれるほど金融市場は狭くはない。 日本と韓国で締結していた300億ドルの
 通貨スワップが2012年秋で終了している。
吉崎  インドのルピーは、2013年に安部首相が増額していたので、アメリカの量的緩和縮小時
 でもそんなに売られなかった。 日本は韓国に対して2.5兆円ぐらいの貿易黒字がある。 日韓
 スワップ協定を結んでおいた方が、お互いに得になる。
 問題は、韓国は全輸出の50%が、片手で足りる企業でなされている。 サムスンとヒュンダイ
 が逝ったら経済がぶっ飛ぶ。 この時代、いつなんどき製品やサービスが陳腐化してしまうか
 もわからない。 現にサムスンのスマホが、中国企業に追い立てられつつあると聞く。
山口  韓国の富裕層はそのリスクに気付いて、もう行動をおこしているかも知れない。 アジ
 アの通貨危機が叫ばれた1996〜7年頃、私の知り合いの韓国企業の金持ちが、韓国の超低金利
 のカネを借りて、低金利の日本の銀行へ預金をしてサヤを稼いでいた。 同じことが起こって
 いるかもしれない‥‥。
山ア  日本製品が、世界のマーケットで韓国製品に負けているのは、オーバースペックのせい
 だと言われている。
山口  日本が韓国に負けているのは、貧乏人のマーケット‥‥言うならば雑貨屋勝負で負けて
 いるだけで、金持ちマーケットでは絶対に負けてはいない。 韓国が得意としている雑貨マー
 ケットには、台湾、中国が雪崩込んでいるし、インドやアフリカ諸国も進出する可能性が…。
吉崎  韓国はアメリカから距離を置き、中国へスリ寄り始めている。 彼らはアメリカが衰退
 して中国が這いあがってゆく過程だと判断している。 願望と未来予想がゴチャゴチャ。
 それが、対日関係にも表れている。
山ア  韓国が期待している中国の成長率が落ちてきている。 あまりスリ寄ると、中国経済の
 変調をモロに受け、金融面での弱点が露呈するかもしれない。
山口  先進国で人口が増えているのはアメリカだけ。 若年層が増え、財力と技術も持ってい
 る。 ノーベル賞受賞も世界で一番多い。
 これに対して、中国は人口が減り、2015年からは労働人口の減少が叫ばれている。 その中国
 が、アメリカに追いつくのは100年間はかかる。 日本との関係も、今は中国が大きく見えるだ
 けで、私は時間がくれば日本との関係も変わってくると、深刻には考えていない。
吉崎  世界で一番似ているのは韓国と日本。 日本へ来る外国人でダントツに多いのが韓国。
 訪問目的は3つある。「ビジネス」「観光」と「親戚や友人を訪ねるため」。 来日韓国人の
 1/3くらいが、親戚や友人を訪ねるためだという。  したがって民間人レベルでは、日韓関係
 は非常に良くなっているのだと思う。


posted by uno2013 at 11:07| Comment(0) | 書評(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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