2015年04月21日

太陽熱はどこまで復活するか? 大洋建設の実験棟 (上)



今から35年前も昔のこと。
つまり、45歳以上の方だと覚えているだろう。
当時の日本の新設住宅の着工戸数は、小さなアパートまで含めて年間150万戸。
その半分以上の住宅に太陽熱温水器が搭載されていた。 
なんと、1980年には年間80万台も売れていた。
菅原分太の朝日ソーラーの宣伝文句は、テレビからどんどん流れ、誰しもが家を新築する時は太陽温水器を屋根に搭載し、風呂や調理の時にタダのお湯を使うことが夢だと考えていた。

それが、鈴木憲三・道科学大名誉教授によると、昨年の実績はたった3万台程度に過ぎなかったと言う。
何故、日本では太陽熱ブームがポシャってしまったのか。
ドイツやオーストリアなどでは、「太陽光」 もさることながら、「太陽熱」 に対しては消費者も強い関心を持っている。 
いつの間にか、日本だけが 「太陽光発電」 に偏重し、大切な 「太陽熱」 のことを忘れてしまってきた。
その原因は、セールスマンにやたらなノルマを背負わせ、その尻を叩いた朝日ソーラーの経営方針に問題があり、消費者が同社離れを起こしたことは事実。

しかし、それよりも大きかったのは原発の普及。
日本の発電量の1/3を占め、近い将来は1/2までを占めるのではないかと電力業界や政府関係者も考えていたし、日本の学界の意向もその方向に集約されていた。
つまり、原発の比重が高くなればなるほど、夜中やゴールデンウィークなどに余る電気を如何に消費するかが問題になってきた。 
原発は一度点火させると、簡単に停止させることは出来ない。 
したがって、調整は火力発電でやるしかない。 しかし、ピーク時に焦点を当てるとなると、どうしても原発に頼にならざるを得ない。
その結果として、余剰電力の活用が大問題になってきた。
そこへ登場したのが 「エコキュート」。
これこそが、原発の窮地を救う 「神様」 として、政官学のすべてにもてはやされ、私ども住宅人は電力業界のお先棒を担がされ、「オール電化住宅」 なるものを売らされた。 
つまり、エコキュートを売ることが 「善」 であって、「太陽熱」 などに関心をよせることは 「悪」 であるかのような風潮が世の中を支配した。

そこへ悲劇的な知らせが届いた。
2011年3月11日の東日本大震災。
こともあろうに、「絶対に安心だ」 と言われていた福島原発か大きな被害を出し、あれほど騒がれていた原発のほとんどが停止に追い込まれてしまった。
そして、民主党の菅前総裁は、ソフトバンクの孫代表の言葉に踊らされて、太陽光に投機資本の導入を許してしまった。
本来は、民間の消費者を信頼して、「太陽熱」 にもう少し力を入れるべきだった。 
ところが、投機資本は太陽光に殺到し、日本の貴重な遊休土地を中国産のパネルで埋めようとしている。
これ以上のことは、ここでは書かない。 


さて、問題は太陽熱がどれほどの効果を持っているかということである。
太陽光に多くの消費者が関心を持たされたのは、「その買い上げ価格の高さ」 であった。「何年間でモトがとれ、タダで電気が使える」 と言うことだけが話題になった。
これに対して太陽熱は、どこまでも自家での消費を問題にしている。
今回の大洋建設の実証棟は、[暖房用と給湯用で、熱エネルギーを50%削減する」 というNEDO (新エネ技術開発機構) の計画に乗ったまで。
札幌の大洋建設だけでなく春日井市のFHアライアンス、旭川市のカワムラ、花巻市の花住ホーム、福井市の松栄建設、春日井市の丸七ホーム、宮崎市のアイ・ホームの7社が参加してそれぞれに実証住宅を建設している。

http://taiyoukk.com/publics/index/100/

大洋建設が建てた実証住宅は、上写真のとおり1、2階で延べ面積が117.2u (35.4坪) で、木軸の2階建。 ロックウール105ミリ+135ミリのフェノバボードの外断熱で、トリプル・サッシを採用している。 このため、Q値は0.7Wで、C値は0.3cuという。 
札幌市の次世代基準で言うならば2番目のハイレベル・クラス。
図のように左が北で右が南の南北に長い敷地。
これに、2階の庇には60度の角度で、4枚の給湯用太陽光集熱パネルが取付られている。
1階の庇には、これまた4枚の暖房用太陽光集熱パネルが取付られている。
上の写真だけでは、同社のシステムはなかなか理解出来ない。


1F.pdf

2F.pdf

そこで、同実証棟の1階と2階の平面図を上に紹介する。
これを見ただけでは、同社のシステムを理解するのは困難。 したがって、詳細な解説は次回に回すことにしたい。
posted by uno2013 at 18:44| Comment(0) | 展示会・シンポジウム・講演 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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