2015年03月30日

消費者に「超高気密・高断熱住宅」を、どのように売込んでゆくか!



先週の土日に、横浜の創建社・K社長宅が、「完成現場見学会」 を開いたので、土曜日の午後に現場へ行ってきました。
「何しろ、初めて織込みチラシ3万枚を、周辺に撒いた」 と聞いていたので、消費者がどのような反応を見せているかを知りたいと思ったから‥‥。
ところが、「午前中は、住宅関係者が多く集まり、一般消費者は期待したほどではなかった」 との返事。 それで、撒いたチラシを見せてもらった。
そしたら、「新商品OOO住宅完成見学会」 との大きな活字が目に付いた。 
確かに内容をよく見ると、「金物在来工法」 「厚さ220ミリのダブル断熱」 「0.78Wの木製サッシを採用」 「北海道の新築住宅に比べて60%も省エネ」 という謳い文句が見えた。
だが、こうした謳い文句で、本当に消費者の心を捉えることが出来るのだろうか? 
という疑問が同時に湧いてきた。 私が帰った土曜日の2時半以降と 昨日は消費者の訪問が多かったかもしれないので、あまり断定的なことは言えない。 だが、残念ながらチラシを見て、私には行動を起こしたいという気にはならなかった。
そこで今回は、消費者に 「超高気密・高断熱」 を売込むにはどうしたら良いかを 一緒に考えてみたいと思う。

都下の羽村市に、「福島屋」 というスーパーがある。 残念ながら私は、まだ1度も訪ねたことがない。 雑誌 Voice の今年の1月号によると、消費者の立場に立つ生産者と一体化したスーパーで、過去40年間黒字経営を続けているという。 
この経営手法からは学ぶことは一杯あるが、今回紹介したいのは下記の商品のPOP。
「鮮度と品質と愛情いっぱい! 青梅市小曽木・かわなべ養鶏場の生みたてタマゴ」
「農薬不使用の鹿児島産芋。 それを原料にしたオリジナル芋焼酎!」
こういったPOPが、ビッシリ並んでいるとのこと。
この文句だと、思わず手が出てしまうと取材した記者は書いている。。
こういった内容のチラシが配られておれば、「近くだし、ちょっと寄って見ようか」 という気になってくれたのではなかろうか‥‥。

私のホームページは、プロのビルダー関係者と、消費者の中でも特別に超高気密・高断熱に明るい人を対象にしている。 対象を意識的に絞っている。 このため、Q値、U値、C値という専門用語を平気で使っているし、R-2000住宅とかパッシブハウスなどという言葉も、何の説明も加えないまま使っている。
今から20年前、R-2000住宅を知らない人に、このシステムを理解してもらうには、まず消費者に展示場へ足を運んでもらって、2時間は座って貰う必要があった。 そしてR-2000住宅を実際に体感して貰わない限り、「快適性」 は絶対に理解してもらえなかった。
快適性は、頭で考えるものでなく、全身で感じてもらうもの。 
このためR-2000住宅を売るには、2時間は相手を飽きさせない雑談の名手になる必要が‥‥。
ゼネコンや東電、菱電に勤めている男性には、理論で分かってもらえた。 だが女性は、体感を通じて納得しない限り、R-2000住宅は買ってくれない。
お客の中には、カタログだけを貰ってすぐ帰る客が多い。 そんなお客は絶対に施主になってもらえない。 したがって、すぐ帰った客は追わなかった。 追ってもムダだった。
おそらくこの真理は、現在の超高気密・高断熱住宅にもそのまま通用するはず。

超高気密・高断熱住宅は、まず気密性能が良く、隙間がない住宅。   
このため、外部の騒音が一切入ってこない。 信じられないほど静か。 
しかも、花粉やPM2.5というゴミが入ってこないので 部屋の床やテーブルが汚れることがなく、拭き掃除は週に1度で十分。 女性にとって、これ以上有難いことはない。
その上、24時間機械換気がなされているため、空気が綺麗。 このため、家の中にいて風邪をひくとか、花粉症が重くなるなどの心配は皆無。 
この超高気密の良さが、大手プレハブメーカーの横やりで、国交省住宅局の省エネ基準から一切削除された。 その理由が今もって不可解? 日本の役人は、何を考えているのだろうか? 

高断熱面では、物を言うのがトリプルサッシの存在。
トリプルサッシを使った場合は、東京周辺では窓に結露がする心配は完全になくなる。 窓の側に近寄っても寒いと言うことはない。 部屋の上下の温度差もなく、廊下や便所、洗面・浴室も居間と同じ温度。 家の中に温度差のない家。
そして、Q値か0.8W以上の高断熱住宅だと、東京周辺だと原則として暖房が不要に。
しかも、セントラル空調換気システムを採用すると、エアコンの嫌な風から脱することが出来る。 ついでに除加湿機能が付加出来れば万々歳。
もし、除加湿機能が付加されておれば、布団はベランダに出して干す必要はなくなる。 いつでもホカホカしている。 
そして、一年を通じて洗濯物は表に干す必要はなし。 洗面所などに取付金物を付けて、干せば半日で乾いてくれる。 わざわざ花粉やPM2.5が舞う外気に晒す必要がなくなる。
こういった快適さを実感してもらうには、最低2時間はR-2000住宅空間で、体験してもらう必要がある。

こんな経験があった。 
まだ、小学校の低学年に過ぎないと思われた身障を持った男の子。 普通は展示場で打合せをしていると、30分もすると必ず愚図った。 ところが、R-2000住宅では愚図るどころか、気分が良いらしくスヤスヤと寝入った。 その子を見て母親がつくづく言った。
「R-2000住宅の快適さが、この子には理屈ではなく身体で分かったのでしょうね。 今までは、どの展示場へ行っても愚図っていたのに、こんなに気持ちよさそうに寝入ったのは初めて‥‥」と。
超高気密・高断熱住宅を売るには、モデルハウスが不可欠。 
モデルハウスを持たずして、超高気密・高断熱住宅を売ろうとすることが、そもそも間違い。
一番良いのは、分譲住宅地の中に体験棟を建てること。 そこで、消費者一家に泊まって頂く。
そして、ウィークデイで宿泊客がない時は、営業・設計・工事・経理の全社員一家に宿泊体験をしてもらうこと。 可能であれば、工事関係者一家にも宿泊体験させたい。 
そして、数年経てば家具付きで売ればよい。 社員や下職関係者で、買いたい人がワンサといるはず。

超高気密・高断熱住宅で、消費者が最初は戸惑いながらも、いの1番に飛びつくのがこの快適性。 これを、チラシの中で具体的にどう表現するか‥‥。 
各人が感じた最高の感動を書けばよい。 ただし、どんなにうまく表現できたとしても、貴方が感じた感動の、1/4〜1/5しか相手に伝わらないことを、事前に知っておくべき。
次に消費者の心を捉えるのは、超高気密・高断熱住宅のランニングコストの安さ。
この点で、一番すぐれているのは札幌の 「無暖冷房住宅研究会」。 暖冷房費がタダで済むと言うのは、消費者にとっては大変な魅力。
しかし、無暖房と言っても、−9℃の吹雪の日が3日も続けば補助暖房が必要になってくる。
また、梅雨がないと言われた北海道では、夏は湿度も低く、日光さえ遮断すれば無冷房で生活出来た。 だが、地球の温暖化が進んでいる。 
北海道でも夏の温度は3〜4℃は上昇して、海水温度の上昇により湿度も増加傾向にある。 Q値が0.5Wを達成すれば、冬期は補助暖房だけで済むだろうが、これからは夏の無冷房が大きな課題になってくる。
一般消費者が求めているのは、まさしく 「無暖房・無冷房住宅」。
超高気密・高断熱住宅と言うのは、消費者の求めている無暖房・無冷房住宅を達成するための手段。 どこまでも手段に過ぎない。 このことを忘れてもらっては困る。
この手段が、きちんとした説明がないままにチラシに掲載されても、消費者は食欲が湧かない。
また、北海道の住宅は、真冬でも長袖を着なくても暖かいということを、横浜の住人の何人が知っているだろうか。 したがって、北海道の新築住宅に比べて60%省エネになると言われても、ピンと響いた人は数人もいなかったはず。

それよりも、はるかに宣伝が上手なのは、プレハブメーカーと国交省・経産省が称える 「エネルギーがゼロの家」。
「ともかく、6.4KWの太陽光発電さえ搭載すれば、家庭で消費するエネルギーはゼロになり、しかも補助金までもらえますよ!」 と言われると、ほとんどの消費者は太陽光へ靡いてしまう。
私は、メガソーラーは電気料金を上げるだけの効果しか持っていない投機にすぎないと、ドイツの失敗例を上げて批判を続けてきた。 高価な買上げ価格のせいで、現在のドイツの一般家庭と産業界は、大幅な電気料金の値上げに苦しんでいる。 
その事例を目撃しながら、メガソーラーの投機資本に翻弄された日本。
喜んでいるのは中国の太陽パネルメーカーだけ。 こんな状態になることは、数年前に予見出来た。 それなのに、孫氏などに掻きまわされた経産省のだらしなさ。

しかし、私は5.0KW程度の家庭用太陽光や、太陽熱に反対したことはない。
各家庭で、消化するエネルギーを太陽から得ることは非常に大切。 ただし、相手が機械物だから、必ず15〜20年で寿命が来てしまう。 光触媒処理をしてあれば別だが、埃で性能が低下してしまう。 寿命がきた時、再投資出来るだけの資金力と、ローンを組む余力が施主に残っているかどうか?
もし、残っていないとしたら、機械物に投資するよりも、住宅そのものの超高気密・高断熱に投資した方が、40〜100年の長期視点でみたら遥かに有利。
その間風邪をひかず、花粉症の薬代も安くて済む。
もちろん、東京周辺では窓を開けなくて済むので網戸代が不要に。
問題は、快適さをいくら位と評価するか。 女性の掃除代まで計算すれば、かなりの金額になるはす。
大手プレハブメーカーや国交省、経産省の 「ゼロ・エネルギーハウス」 に靡こうとしている消費者に対して、地場ビルダーの貴方は、どれだけの説得力を持っているか?
ゼロ・エネルギー以上の魅力のあるポイントを、貴社の住宅には備わっているかどうか?
また、その魅力を正しく伝えているかどうか?

そういったことが問われているのだと思う。


posted by uno2013 at 09:52| Comment(2) | 技術・商品情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
さすがに無暖房・無冷房は無理にしても「夏は高原、冬は春の気候を味わえます」とか「カビの生えない家」など感覚的にインパクトのあるキャッチコピーは絶対に必要ですね。「エアコンは不快だと勘違いしていませんか?」「床暖房なんていらない」なんてのもいいかもしれませんね。とにかく一般の消費者は家造りに際して間取りのことぐらいしか頭にないことを考えると、後でキチンと説明すればいいと割りきってハッタリに近い言葉を広告に載せるぐらいでちょうどいいんじゃないでしょうか。
Posted by N at 2015年04月01日 23:58
まぁ上記の間取りしか頭にないは言い過ぎにしてもまず普通の施主でC値やQ値を理解している人は十中八九いないでしょう。素人でも簡単にC値やQ値、他に玄人からみて家の耐久性を上げるにはここにこだわるべきといった素人ではわからない、調べても容易にはわらかないようなことを簡単に説明してくれているサイトが合ってもいいのではないかと思いますね。
Posted by N at 2015年04月02日 00:09
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