2015年03月05日

日経の2つのセミナー「健康・省エネ住宅最前線」と「光触媒と建築」



昨日、日経主催の2つのセミナーへ顔を出してきました。
午前中は 「健康・省エネ住宅の最前線」 というのがテーマなので期待して出席したら、会場で配られていた案内状の内容が 「スマートウェルネス住宅」 と、完全に入替わっていたのにはビックリしました。
このスマートというのは、最近よく 「スマートハウス」 と大手メーカーや国交省が言っているように、太陽光発電が6.5KW以上搭載した住宅という意味でしょう。
私はどこまでも、「断熱・気密に優れた家」と受け止め、Q値は0.9W以上、C値は0.4〜0.6cu以上の住宅と捉えていますが、一条工務店の i-smart にしても、どちらかというと太陽光7〜10KW以上搭載した住宅という印象が強くなってきています。

私がメガソーラーに反対しているのは、数年前ドイツで見たものは 「太陽光を大切に使う」 と言うことではなく、実体は 「投機マネーの乱立」 だったからです。
そして、最近の正確な数字を忘れましたが、電力会社に売る価格が25円/KW程度で、電力会社から買う電気料金が35/KW以上と高くなり、最初に乗り出した投機資本以外は退散し、肝心の蓄電に対する投資はほとんどなされていないと聞いています。
それなのに、孫義明の投機マネーの言葉を真に受けて、昔の管総理は 「投機マネー大歓迎」 というつまらない政策を日本へ持ち込みました。 しかし、今年の4月からメガソーラーの買取価格は29円に、7月からは27円になります。 いわゆる逆ザヤになり、完全に投機資本の暗躍する時代は終わりました。
そして、10KW以下の家庭用も、東京・中部・関西は買取価格が33円ですから、投機的な魅力はなくなってきました。 これからは、売電よりも蓄電の時代。 やっと本来の正常な姿に戻りました。 そして、太陽光はどこまでもサブで、本命はQ値0.9W以上の断熱性であり、C値は0.4〜0.6cuの気密性が最前線に出てこなくてはなりません。 それと、自家でいかに太陽光を蓄電して、それを有効に使ってゆくと言う時代。
他人の褌で投機で儲けようと言うあさましい根性は、今年限りで捨てることにしましょう。

経済産業省は、そんなサインを出しました。 これでは国交省側の村上周三先生や伊加賀俊治先生のメンツが立ちません。 そこで、「ウェルネス」 というわけのわからない概念を持ち出して来たのではないかと、ゲスの私は考えました。
「ウェルネス」 と言うのは健康のこと。 単に待ちの健康ではなく、[積極的に新進の健康増進を図る生活態度」 という意味らしい。
伊加賀慶大教授の 「スマートウェルネス住宅研究の概略と現状」 という講演内容を聞いた範囲では、「寒い家に住んでいると血圧が上がるし、炬燵に潜りこんでいて1400歩も運動不足が起こる。 国の決めた省エネ住宅に住んでいるのはたった5%。 イギリスやドイツのように 「国民の権利」 として暖かい住宅に住めることが目的。 だが、日本はそこまでもいっていない。
「床暖房の家に住むことが、ステータスだと考えられているだらしなさ」 というような、さっぱり要領を得ない話で、眠くなってきました。

次いで話をした星出聰自治医大准教授の 「スマートウェルネスの医学面からの評価と現状」 はこれが学術発表かと思うほどひどいもの。 ともかく、診療所で診断しているだけで、医者は患者がどんなにひどい住環境にあるかについて、何も知っていないことを暴露しただけ。

パネルデスカッ.JPG

最後に、上記2人の学者と栃木の訪問介護の黒崎看護師、それとコーデネィター上原裕之氏を交えたパネルデスカッション。
ここで、やっと 「スマートウェルネス」 の目的としているところが、いくらか明確になってきた。 つまり、国民はシックハウス、ヒートショック、熱中症、アレルギー、糖質の取り過ぎによる肥満などに悩まされているが、医者や看護師、建築家や林業家に相談しても、誰もまともに相手にしてくれない。
もっとも、家庭の健康を守っているのはお母さんと、看護婦さん。 この人達が中心になって、ドイツのように 「暖かい家に住めるのは国民の権利である」 ような社会にしてゆくには、地域のお母さんと看護婦さんが手を組んだ 「草の根運動」 を起こして行くしかないと言うこと。
趣旨は大賛成だが、果たしてそんな草の根運動が起こるのか?
大手住宅メーカーと中小建設会社や大工さん主体に考えている国交省の、消費者を騙すための眼先を変えた手法に終始するのがオチではなかろうか? 
そんな、肩透かしの印象を持たされただけの、つまらないセミナーでした。

芝浦工大本橋.JPG

午後は、芝浦工大本橋健司教授による 「光触媒の建築への応用について」。
私は本橋先生は良く存じ上げていないが、建研の時、タイルやガラスに対する光触媒の効果を調べていたらしい。
光触媒工業会のホームページによると、酸化チタン光触媒は、最も効果的で、紫外線を当てると、「分解力」 と 「親水性」 の作用を発揮する。
そして、酸化チタン光触媒の用途として、大きく5つに分けている。
◆防曇    ミラー、ガラス
◆防汚    タイル、テント、ガラス、外壁、建装
◆抗菌    タイル、繊維、塗装
◆水浄化   水処理装置
◆ガス分解  空気清浄機、カーテン、フラインド、ランプ、冷蔵庫など、コンクリート、建装

このうち、本橋先生が担当されたのがタイルや塗装、ガラスなどの建築外装材。
しかし、ほとんどの試験が短期間で、いろんなデータが発表されたが、光触媒を使うことによって、どれほど汚染効果があり、掃除などのメンテナンスがどれほど減ったかという肝心の記録がまったくない。
つまり、「光触媒を採用した方が、これだけのメリットがありますよ」 というデータが一切示されていない。 したがって、内容が非常につまらなかった。
これは、研究者本橋先生が悪いのではなく、光触媒の話をさせるということで、橋本先生を選んだ日経のスタッフが悪い。
私なら、もっと実践を積んでいるTOTO、昭和電工、パナソニックの担当者を選んできて、お客の苦情も含めて、実情を語るものにしたはず。
その方が、何よりも聴視者が聞きたかったこと。

それと、光触媒と言うと、最近では空気清浄機に対する消費者の関心がやたらに高い。
ネットで調べてみても、パナソニックがよいとか、ダイキンのダブル捕獲というのは本当なのか、という書き込みを多く見かける。
私の関心も、外装よりも空気清浄機の方にあった。 しかし、本間先生に聞いても正しい答えはえられないだろうと、早々に諦めた。
こういった点でも、日経の担当者の不勉強がやたらに目立ち、ストレスだけが異常に蓄積されたシンポジウムとセミナーでありました。


posted by uno2013 at 09:06| Comment(0) | 展示会・シンポジウム・講演 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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