2015年01月20日

空調換気に関する時系列的な系統図と光冷暖に対する疑問と期待 (下)



除加湿機能付きのセントラル空調換気システムを、世界で最初に開発してくれたのがダイキン工業で、18年前の1997年のことだった。
カナダ資源エネルギー省のR-2000住宅研修に参加して理論武装を行い、本格的な顕熱交を開発しただけでなく、冬期は加湿し、夏期は除湿するという意欲的なシステムを開発してくれた。
当時のR-2000住宅のQ値は1.4W程度だったので、空調機は6〜8kWの動力を利用した方がランニングコストは安く上がった。
このほかに、除湿専用の排熱ドライが1台。 つまり、室外機は2台。 
そして、加湿は日本で初めての透湿膜加湿器を開発してくれた。
このシステムの除加湿機能は悪くなく、当初に採用した消費者からは好評だった。 
しかし、透湿膜は水道水を利用していたので次第に電磁弁にカルキが溜まり、日に1回水を入れ替える時に電磁弁が閉まらず、水が垂れ流しになるクレームが連続的に発生した。 このため、10年後には加湿機能はデシカに全面移行して、生産を中止してしまったのは残念。
その電磁弁を改善し、透湿膜のシステムを引き継いでいるのが三菱。

ともかくダイキンは、住宅各社に呼びかけて、大々的に新製品発表会を行ったが、このシステムを本格的に採用したのはハーティホームだけだった。
採用に当たって、まず問題になったのは冷暖房と新鮮空気の吹出口の位置。
セントラル空調換気システムの家に住んだことの無いメーカーの機械屋、電気屋の技術者は、店舗用のスカイエアで馴らされてれているので、平気で窓に近い天井面に吹出口を設けてしまう。
これは、最悪の選択。 
実際に、天井に吹出口を付けて、その下に座って見ると分かる。 これほど不快感に悩まされることはない。 2年前からセントラル空調システムを採用している松井修三氏の 「涼温な家‥‥エアコンの風が嫌いな人へ」 も、同じ間違いを犯している。
冷水修業僧のように、冷気をモロに頭から浴びて、身体も唇もガタガタに‥‥。
一度アメリカで、1階の床から冷気が吹上げている現場に遭遇した。 この下からの冷房方式は最も不快。 つまり空調は、上下から直接人間を狙う方式は絶対的にダメ。

試行錯誤の末に考え出したのが、廊下側の天井に一番近いところから、窓に向かって天井沿いに水平に風を送る方法。 
これだと冷気や暖気は頭の上を通り過ぎてくれるので、ほとんど気にならない。 何よりも優れていたのは、給気ダクトの長さが飛躍的に短くすることが出来たこと。
そして、一番温度的に弱いサッシ面に当って、外気を包んで跳ね返り、アンダーカットされたドアの下部からダーディゾーンへ流れて行ってくれる。 これこそが、冷暖房と気流が気にならないベストな方式。
こんなイロハのイも分からず、人を狙ってエアコンを吹付けることを自慢げにPRしている会社があるのだから、嫌になる。 低開発国の最低のエアコン方式を、最善策だと勘違いしているトップが、いまだに存在しているということ‥‥。

次に考えたのが機械室の位置とダクトの振回し。
機械室は、小屋裏を利用するのがツーバイフォーの常識。 そして、2階に小屋裏と1階の天井を結ぶ3尺角程度のダクトの通路を設ける。
そして、南側は212のIジョイストを用いて、北側の通路と部屋には平行弦トラスを架ける。 この平行弦トラスの採用こそが、ダクト工事を飛躍的に容易にしてくれた。
アメリカの建築現場で、この平行弦トラスを2階床に採用しいるのを目撃。 
それをヒントに、関東ギャングネールに相談したら、204材をギャングネールで絞めるのではなく、204材をネール付きの波型の細い金属板を、両方から挟んで圧縮した平行弦トラスをオーストラリアから輸入してくれた。 世界には、優れた部品が揃っている。 
しかも、北側の2階の床だけだから、コストの負担も軽くて済む。
この、比較的安い平行弦トラスの採用で、ダクト工事は飛躍的に簡単になった。 つまり、浴室やトイレ、床下などのダーディゾーンからの排気ダクトは、そのまま平行弦トラスの中を這わせればいい。 
給気ダクトは、1〜2階の廊下の天井を25p程度下げることで、各室へ簡単に供給出来る。
この平行弦トラス方式は、私どもが考え出した特許ではない。 アメリカやオーストラリアで普及している技術を応用してまでのこと。 したがって、「誰にでも使わせて良いですよ」 と関東ギャングネールに言ったのだが、日本では未だに採用しているメーカーを見かけない。 
日本の空調屋さんと住宅屋さんは、少し不勉強だと言いたくなってくる‥‥。

しかし、風を感じさせないポイントは、空調の風量を最低限に絞ること。
北海道無暖冷房住研のメンバーから、「Q値0.5Wの住宅だと、冬期1kWの暖房機があるだけで十分。 どこのメーカーでも良いから、1kWの空調機を開発してくれないかね‥‥」 と言われたことがある。 
たしかに、内地でもQ値を0.8W程度の性能にすると、0.5回転の換気に若干おまけする程度の空調機1台で十分。 つまり、40坪程度の住宅だと2.5kW程度で十分。 ところが、空調換気メーカーの生産品だと、どうしても4.0kW以上の機種になってしまう。 

さて、ここで2つの重要な問題が浮上してくる。
1つは、今までのように6〜8台のエアコンを使うわけではない。 6〜8台を使っている時は、1台が故障しても何とかやり繰りが出来る。 しかし、これからは空調機が1台の時代。 つまり室外機も1台。 それには、相手が機械物だけに油の状態などをしっかり確かめて、きちんとメンテをしてくれるプロの存在が不可欠に‥‥。
このため、私どもは消費者に働きかけて、あまり役に立っていない指定店を解除して、オリエンタルに切替えてもらった。
もう1つのポイントは、各室への給気量の調整。 
各メーカーとも給気用のチャンバーとか分岐チャンバーを用意しているが、いずれもビル用に開発されたもの。 住宅用の場合は、部屋の大きさとか寒暖に対する体質の違いから、厳密な分配器が絶対的に必要になる。 しかし、そういっては悪いが、日本のメーカーで ミリ単位で風量を調整出来る分配器を備えているのを見たことがない。
その中にあって、オリエンタル冷熱が独自に開発した分配器には、ホレボレとさせられる。 文字通りミリ単位で調節出来、必要な風量と適温湿度を供給してくれる。
したがって、私は今までは 《光冷暖》 の必要性などは、考えたこともなかった。
顕熱交は欧米からの輸入物に頼るしかなくなったが、全熱交のリターンダクト内には光触媒機能を付加しているし、ガスバリア性透湿膜の開発などによって、ダーディゾーンからの24時間排気も完全に確保出来るようになっている。
疑問符がつく形での全熱交は、おかげ様で全然使っていない。

問題は家庭用デシカの価格。
当初、担当部長から 「ビルダーには30万円台で入手出来るようにしたい」 との個人的な意向を聞いていた。 このため、私は家庭用デシカを一生懸命にヨイショした。 
しかし、ダクト工事は別にして、機種だけで100万円強という価格を示されて、私の意欲は急速に萎えてしまった。
私は、今でも光冷暖に300万円以上の予算を投じるのなら、デシカ付きのセントラル空調換気システムの方が優れていると信じている。 
イニシァルコストだけでなく、ランニングコスト的にもその方が安く、今までの体験から、「日本の気象条件にはピッタリで、快適」 と実感している。
しかし、最近は平行弦トラスが入手出来ず、ダクトの施工費が嵩むので、130u前後のセントラル空調換気・デシカ除加湿システム住宅だと280万円程度の資金が必要になってしまう。 
これを240万円以内に収めるには、高価なデシカの採用をやめて、冬期の相対湿度が40%台の三菱の透湿膜システムと、夏期はダイキンのアメニティビルトインの排熱ドライを選ぶしかない。

だがこの考えは、光冷暖をよく知らない人間の寝言かもしれない。
第一、光冷暖の換気システムがどのように考えられているのか‥‥という基本的なことさえ私には不明。
また、1つのアルミラジエーターで、本当に全館空調換気・除加湿が可能なのかどうという技術面も闇の中。
したがって、創建社のK社長と友人のO氏のシステム造りと実績データー報告に、多大な期待を寄せている昨今。


posted by uno2013 at 08:24| Comment(0) | 技術・商品情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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