2014年11月25日

多摩地域で、40坪でQ値が0.8W前後住宅のモニター募集!!



私のホームページの読者の半分近くは、一般の消費者だと思う。
そして、住宅の性能に対する関心の高い消費者が多く、この3年間に建てられた消費者の60%近くは一条工務店で建てられた方が多かったように思う。
ともかく、「Q値が0.9W以上の性能住宅を、坪60万円台で建ててくれる」 ということで、今までプレハブメーカーしか選択肢のなかった消費者に、ツーバイフォー工法で大きな可能性を開拓してくれた。 この先進性には感謝している。 
札幌市などでは、「ドイツのパッシブハウスを上回る Q値が0.5Wという超高性能住宅」 が20棟以上も建てられている。 しかし、産業規模でいうならば、一条工務店並に数をこなし、一般のサラリーマンにも手が届く住宅であってほしい。 
そういった意味では、年間30〜200棟をコンスタントにこなしていた R-2000住宅の時のような元気な地場ビルダーの存在が、絶対的に不可欠。
私は、「一条工務店を上回る性能を、一条工務店並の価格でこなせるビルダーの誕生こそが待たれる」 と、3年前から叫んできている。 
たしかに、北海道の道東ハウスなど無暖冷房住研のビルダーを中心に、たくましく育ってきている地場ビルダーも多い。 そして、「一条工務店と相見積になっても怖くはない。 私どもの性能と価格で十分に勝てる」 ときっぱりと答える。 
しかし、全国的に見ると、こうしたビルダーの存在はまだまだ例外的。

一条工務店を、性能面でも価格面でも上回ることは、確かに難しい。 いい加減なシステム作りでは対抗できない。 しかし、絶対に不可能だということではないはず。 とくに、一条工務店の現場を数棟チェックしてきた私には、「一条工務店の i-cuve とか i-smart は、在来木軸の欠点を抱えており、北米のツーバイフォー工法から見ると正統派とはいえない面が強い」 との印象を、残念ながら持たされてきた。
つまり、プロのツーバイフォー業者が、心底から推薦出来ない点が残っている。
しかし、勘違いしないでいただきたい。
私は、「北米のツーバイフォー工法に比べて、ダイヤフラム理論面やドライウォールという実務面、さらには換気の実務面で、一条工務店は客観的な大きな視野での勉強不足が目立っていると言いたいだけ。 
個別認定工法として見た場合は、i-cuve にしても i-smart にしても、ミサワホームのパネル住宅や、鉄骨プレハブメーカーの気密性がスカスカの情けない住宅に比べると、はるかに性能が高くて良心的。
「どうせプレハブ住宅を選ぶなら、一条工務店の i-cuve とか i-smart を選んだ方が、はるかに得だ」 と、確信を持って断言出来る。

自分が商売をやっていた時は、誰もが採用していなかった平行弦トラスを標準仕様として採用してダクト工事を飛躍的に簡便化出来た。 また、関東地域では誰よりも早くペアガラスサッシを採用して窓の結露を防止してきた。
これは、モデルハウスを持ち、顧客の信頼を得ていたから可能だったこと。
それが今では、「一条工務店を上回る性能を、一条工務店並の価格で‥‥」 と叫んでも、ほとんどの地場ビルダーは、「また、勝手なことをホザキおって‥‥」 と相手にしてもらえない。
そんななかで唯一、私のつぶやきをまともに受け止めてくれたのがエイ&エムカーペントリー社の梅林社長。 ツーバイフォー工法の初期からの付き合いで、アイジョイスト工業会の会長をやっている。 新井信吉氏が第一線を退いたので、ツーバイフォーをはじめとする木質構造に関してまともな議論が出来る唯一の友でもある。
昨年春、同社から、「多摩湖の湖畔町で210のIジョイストパネルによるQ値が0.87Wというゼロエネルギー住宅を建てている。 時間があったら是非見て、意見を聞かせて欲しい」 との電話があった。
早速飛んで行って、その内容をこの欄で、[なぜTJI壁パネルの肩をもつようになったのか」 と2013年4月5日号と4月10日号の2回に亘って、紹介した。 (ブログ「今週の本音」のカテゴリ「ゼロエネルギーハウス」の(5)をクリックしていただくと、たどり着けます)

私が驚いたのは、210のIジョイストを使用し、サッシを取付けた5間という長大パネルで施工をやっていたこと。 電線の有無にもよるが、パネルの長さは6.5間まで大丈夫とのこと。 とくに重いトリプルサッシのことを考えると、これからは都心以外の現場では長尺パネルへの期待度は大きくなってゆく。
そして、210の両側に9ミリのOSBボードを張り、中にウレタン断熱材を工場で注入していた。 さらに内側のOSBに38ミリの204材を割いて縦胴縁として使い、その胴縁内の空隙を利用して配線・配管工事を行っていた。 パッシブハウスの仕様ををそっくり真似ていた。
つまり、一般的な204の壁に比べると193ミリも壁が厚い。 その分だけ、外側へ壁をフカして処理していた。 
高性能住宅にするには、206の充填断熱材だけでは足りない。 どうしてもプラス外断熱が不可欠のように誰もが感じていた。
具体的に3つの代表例を上げると、下記のとおり。
●一条の i-smart      140充填+50の外断熱  計190ミリ  外壁のU値は約1.9W
●北洲のアルセコ      140充填+80の外断熱  計220ミリ  外壁のU値は約1.8W
●KMブラケット        140充填+100の外断熱  計240ミリ  外壁のU値は約1.6W
これに対して、Iジョイストを使っているので、スタッドは38ミリ厚ではなく、合板厚分しかヒートブリッジにならない。 私の手計算では、U値は1.6W。 
つまり、KMブラケット100ミリの外断熱と熱貫流率も外壁の厚みもほぼ同じ。 その性能の良さに驚かさせられた。

高性能住宅に取組むと、充填断熱材だけでは足りなく、どうしても外断熱が求められてきた。
しかし東京で商売をやってきた私は、外断熱があまり好きにはなれない。 その理由は、直下型の震度7の大地震が、30年以内には必ず東京を襲うと言われているから‥‥。
まず、耐震性。 
厚い断熱材だと、外壁の保持力が問題になってくる。 KMブラケット以外では、安心出来るシステムが限られている。
そして、猛烈な火災の怖れ。 
たとえ防火性能に優れていると言われるEPSでも、安心は出来ない。 
本来は、充填断熱も外断熱もロックウールにすべきだろうが、充填断熱材だけならばウレタンの吹付けでも許してもらえるだろう。 もちろん、石膏ボード張りが大前提で、どこまでも天井石膏ボードの先張りが大原則。
エイ&エム社は、OSBの内側に縦胴縁を入れ、その上から壁石膏ボードを施工しているが、どこまでも天井ボードが先張り。 だから防火の面では安心できる。
しかし、210の壁はいかにも厚い。 このため川崎のM邸の場合には、210ではなく208を用いて外断熱を省略させてもらった。 そして、私は梅林社長に、「208のIビームを開発して欲しい」 と、執拗に迫っていた。

このような経緯があったので、外断熱を避けるには208の壁しか方法がないという先入観に取り憑かれていた。
そんな時、梅林社長から、アメリカやヨーロッパへも輸出している上海のウレタン公司の、硬質ウレタンフォームを紹介してくれた。 日本の試験場で試験したところ、0.023Wの高い熱伝導率が得られたと言う。 
ご案内のように、アイシネンは0.035W。 これだと206ではどうしても断熱性能が足りず、208材を使わねばならない。 
しかし、0.023Wだと、話が違ってくる。
「ただし、現場発泡も可能だが、硬過ぎてアイシネンのように現場で吹きすぎた分を削ぐというわけにはゆかない。 現場発泡の場合は、外壁には120ミリ以上厚くは吹けません」 と、命令するように言われた。
そこで、外壁は120ミリ、天井は150ミリ、床は90ミリ吹いたとして、例の通り私がいつも使っている132.5u (40坪) の住宅で、簡単にQ値計算をしてみた。
この場合、204に比べて外壁は95ミリだけ外側へフケる。 スタッド間隔は455ミリで、外壁のU値は約0.21W。
●サッシのU値が0.8Wの場合   Q値は0.83W
●サッシのU値が1.0Wの場合   Q値は0.89W
●サッシのU値が1.3Wの場合   Q値は0.98W
この場合、サッシはスタイルテック社製とし、U値が0.8Wは同社のトリプルサッシ。 1.0Wはドイツ基準によるトリプルサッシの評価。 なお、1.3Wというのは、同社のペアサッシで、最近はこの数値が出るようになったというので、試みに記したもの。
私としては、外壁の断熱厚が120ミリだから、サッシはトリプルを選び、Q値は0.9Wを切りたいものだと熱望している。

これとは別に、エイ&エム社では、206の両面9ミリ4×8のOSBを張り、あっという間に隅々にまで100%断熱材を注入するシスティマチックな方式を考えている。 そして、内側に38ミリの縦胴縁が入って配線・配管空間となる。 その場合、私が手計算したQ値は下記。 
この場合204に比べて外壁は142ミリ外側へフケる。 スタッド間隔は610ミリを考えており、外壁のU値は約0.18Wで、i-smart よりは良くなって、北洲・アルセコの206+80ミリの外断熱並となるので、侮ることは出来ない。
●サッシのU値が0.8Wの場合   Q値は0.78W
●サッシのU値が1.0Wの場合   Q値は0.84W
●サッシのU値が1.3Wの場合   Q値は0.93W
このパネルの最大のメリットは、両面に9ミリのOSBを張るため、クギの長さとクギ打ち間隔にもよるが、壁倍率は8倍近くになる。 なにしろ硬質のウレタンは硬くて潰れず、しかも木部に対する接着力も強い。 このため、8倍の壁倍率が期待できると言う。
梅林社長は、その耐震実験を来春2月までには終えたいとしている。
私個人の意見では、壁倍率は7倍で十分。 これだけの壁倍率があれば、ほとんどのプランが外壁の耐力壁だけで間に合う。 しかも、外壁と内壁には壁倍率1倍の石膏ボードが隈なく施工されるのだから大変に丈夫。 
40年前に故杉山英男先生に、12ミリの合板と12.5ミリの石膏ボードを張った実物大住宅の耐震テストをやってもらったことがある。 合板へのクギは50ミリで、外周間隔は100ミリピッチ。
「実際には5倍の壁倍率しかあげられませんが、最低で見ても7倍の強度はありますね。 ツーバイフォーの石膏ボード張りは、想像以上の強度があるのですね‥‥。本当にビックリさせられました」 と、杉山先生が呆れておられた顔を想い出す。
そして、もし8倍の壁倍率を得たとなると、今度は基礎との緊結が大問題になってくる。
梅林社長は、「とりあえず基礎から2階の壁までの20ミリの通しのボルト (タイロッド) で緊結することを考えている」 と言う。 これがなされると、耐震性だけではなく津波や洪水に対しても威力を発揮すると考えられる。
もちろん細部のディテールは、得られる壁倍率によって左右する。

このような強力な耐震性とQ値を持った住宅の、モニターになってくれる人をエイ&エム社は募集している。 同社は、最終的には自宅を建替えることを計画しているが、これだと現場の都合で年末になってしまう。 なんとか、来春早々に多摩地域で40坪前後の住宅の計画がある人に名乗りを上げて欲しい、と希望している。 
価格はモニター価格で、一条工務店に準じるとのこと。
ただし、いろいろ間取りやデザインなどの希望があろうから、場合によっては設計料を払って設計事務所を紹介することも可能。 
Q値は先に上げた3タイプの中から自在に選んで欲しいとのこと。
そして、私も片棒を担いでいる関係上、プラン作りや現場管理面で、全面的に協力させていただくつもり。 お客様の許しが得られれば、この欄で進行状況の写真などを公開掲載して、最後まで責任をもって見届けたい。
全国各地からさまざまなメールを頂いているが、来春でしかも多摩地域に限定されるということだから、条件に合う人は限られる。 計画のある方は、気軽に相談ください。 よろしくお願い致します。


posted by uno2013 at 07:22| Comment(0) | 技術・商品情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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