2014年11月10日

追加の2%の増税だと、持家は28戸割れの大激減!?



今年に入っての新設住宅の着工戸数の推移を御承知か?

月別    総戸数 (前年比△はマイナス) 持  家         貸  家
1月    77,843 ( 12.3)      24,955 (  5.9)     29,953 ( 21.5)
2月    69,689 (  1.0)      22.891 (△ 0.4)     27,744 ( 24.5)  
3月    69,411 (△ 2.9)     21,650 (△13.0)    28,925 ( 11.3)
4月    72,286 (△ 3.3)     23,799 (△16.1)    31,177 ( 12.0)
5月    67,791 (△15.0)     22,288 (△22.9)    27,434 ( 3.1)
6月    75,757 (△ 9.5)     24,864 (△19.0)    31,057 ( 1.8)
7月    72,880 (△14.1)     23,524 (△25.3)    28,623 (△7.7)
8月    73,771 (△12.5)     24,250 (△22.7)    28,435 (△3.8)
9月    75,882 (△14.3)     24,617 (△23.4)    30,082 (△5.7)

この新設住宅着工を見ると、今年の3月から対前年比で前年比でマイナスになっていることが分かる。 しかも、5月以降は、大きく2桁の減になっている。
このように、今年の5月以降対前年比15%以内の減少が続いており、今年の年計では88万戸をなんとか確保出来る見通しだが、今年の4月から来年3月までの年度計では、おそらく86万戸を下回るものと考えられる。
これを過去10年間の年度計の動きで見ると、下記のようになる。
2013年度までは国交省統計数値で間違いはない。 ただし2014年度の数値どこまでも私の推定数値だから、当てにならないかもしれない。

年度     総戸数          持  家           貸  家
2005   1,249,038 (  4.7)   352,577 (△ 4.0)    517,999 ( 10.8)         
2006   1,285,246 (  2.9)   355,700 (  0.9)    537,943 (  3.9)    
2007   1,035,598 (△19.4)   311,800 (△12.3)  430,855 (△19.9)
2008   1,039,214 (  0.3)   310,670 (△ 0.4)   444,848 ( 3.2)      
2009    775,277 (△25.4)   286,993 (△ 7.6)   311,463 (△30.0)       
2010    819,020 (  5.6)   308,517 (  7.5)    291,840 (△ 6.3)    
2011    841,246 (  2.7)   304,822 (△ 1.2)    289,762 (△ 0.7)      
2012    893,002 (  6.2)   316,532 (  3.8)    320,891 ( 10.7)   
2013    987,254 ( 10.6)   352,841 ( 11.5)    369,993 ( 15.3)  
2014    857,000 (△13.2)? 273,000 (△22.6)?  346,000 (△ 6.5)?  

住宅の着工戸数を推定するというバカなことをやった者はいない。 着工戸数の推定は、一種のタブー。
そのことを、良く分かっているのに、敢えてタブーに挑んだのは、このままでは消費税が8%から10%に上げられ、住宅業界は決定的なダメージを受けると心配されるから。
上の図をみれば分かるように、持家は5月以降は20%台の減少をみせている。
そして、私の年間の推定では、年度計では22.6%の減少で、戸数は27万戸に届くかどうか。
この数字は、かつてのリーマンショック後の2009年度の28.7万戸を下回る、いままでの最低の数字。 だから問題にしている。

世のジャーナリストは、「2015年の相続税増税のために、更地のままでは税負担が重くなるので、一斉にアパートを建てており、持家の減少分をカバーしている」 などと、楽観的な見通しを述べている。
たしかに、昨年の夏頃から貸家建設のブームが続いている。
しかし、一方では 「空き家率」 が大問題になってきている。 
空き家の中でも、最も多いのが大都市のアパート。 たしかに、設備の古い旧来のアパートに比べると、新築アパートは設備も新しく、一時的な人気は高かろう。
そして、大手住宅メーカーの営業マンの甘い言葉に誘われて、空き地にアパートを建てた人は、早晩 入居率に悩まされることになる。 
そういったこともあって、貸家の建設ブームは今年の7月から減少に転じている。 この大切なことを、どの報道機関も無視している。
そして、私の予想では貸家の戸数は年度では34.6万戸に過ぎず、昨年度に建ち過ぎたので今年度はマイナス6.5%程度になるのではないかと推定している。

そして、何よりも問題になるのは、持家の減少。
たしかに、前年度は消費税の駆け込み需要が発生した。 このため、昨年度は11.5%も増えて久々に35万戸を突破した。 そして、この恩恵は今年の春まで続いた。
その反動として、5月以降は対前年比20%から25%を超える減少に。
このことは、極端に言うならば職人の4〜5人の中の1人が仕事がなくなるということ。
職人の高齢化が進んでいる。 したがって、1割程度の需要減だったら、なんとか対応出来る。
しかし、一気に2割を超える需要減ということは、働ける若い人が住宅業界を見捨てて、他の業界に移動し、2度とこの業界に戻ってこないことを意味している。

さらに2%の消費税の値上げについては、財界からの反対も少なく、すんなり認可されそう。
もう再び、駆け込み需要は期待出来ない。
それだけに、住宅業界は消費者と一緒になって猛反対運動を起こすべき。
それなのに、プレハブ協会をはじめとした業界団体も、一番被害を受ける大工や工務店団体もセキとしていて、トキの声が聞こえてこない。
円安のために、輸入資材をはじめ各種建材の値上がりが続いている。
その中で、この静けさ。
たしかに、古くて寒い住宅の空き家率は高まっている。
Q値が2.0W以上の鉄骨プレハブの販売を中止して、全ての日本の住宅Q値を1.0W以上にして、C値を0.5cu以上にすべき。
それを基準にして、公営や公団住宅の断熱改修工事を進めれば、日本の住宅需要はまだまだ見込める。 折角の腕の良い職人さんを、他業界へ放り出す必要はことさらない。

ただ、そうした政治的な高度な判断と行動を起こせる人材が、極端に少なくなってきている。
そのことこそ、嘆くべきかもしれない。


posted by uno2013 at 13:58| Comment(0) | 産業・経営 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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