2014年10月15日

ユウキ邸 (習志野市) の年間電力量などのデータが揃う



ユウキ邸に関しては、今まで8回もこの欄で紹介しているし、ネットフォーラム欄でも数回取上げているが、今回はおさらいをしておきたい。
千葉・習志野市で土地を取得、昨年1階68.31u(20.7坪)、2階61.27u(18.5坪)、吹抜け7.45u(2.3坪)、計137.03u(41.5坪) の新居を建てた。
太陽光は最初から考えていなかった。 寿命が15年の太陽光へ投資するより、寿命がその3倍も長い断熱気密に投資する方がはるかに得。 数年もしたら太陽光は蓄電池とともに安くなり、その時点で投資したらよい‥‥との考え。 選択の順序は、@耐震、A断熱気密、Bデシカ。

地元にツーバイフォーのビルダーが存在しなかったので、HOME建設の金物工法を選んだ。そして、木軸工法でありながらスジカイを一切排除し、構造用合板と耐震性の高い石膏ボードを採用した。 また、多くのホールダウン金物で足元を固めた。 耐震性は、言うならば5等級。
しかし、柱が10.5cm角のためにアイシネンの充填断熱材も10.5cm。 このため、KMブラケットを壁、屋根に採用してロックウールの外断熱とした。 窓は、昨年から出始めたばかりのPVCのトリプルサッシ。
こうして、Q値が0.8W、C値が0.2cu/uという断熱・気密性能が得られた。
そして、デシカは最初から小屋裏へ上げることで計画。 しかし、デシカの重さが135キロと重くて上げるのに一苦労。 そして屋根勾配が5寸だったので高さが足りずダクトの取付がうまくゆかなかった。 そうした事情もあって、騒音問題が発生したのはご存じのとおり。 
現在ではこの騒音は一切解消。
つまり、5等級の耐震性。 Q値は0.8W、C値は0.2cu。 小屋裏デシカ付と理想通り。

この敷地は、最初から大きな問題を抱えていた。
住宅が建てこんだ密集地のために、南側に2階建の家が迫ってきているので、南面に大きな開口部やバルコニーがとれないこと。 
南側の2階に0812のFixサッシ3つをとり、吹抜空間から1階のLDKへ落としている。 1階の採光は南面は0812のFixが1ヶ所だけで、東の広場に面して2メートル高のサッシがついているが、サッシ面積は外壁の20%以下。 
採光面では全く問題はないが、冬期の太陽熱の利用という面では最初から大きなハンデを背負っている。 しかし、これが反対に夏期の空調やデシカの大きな低下に結びついている。
8月のデシカOA(デシカから空調機への給気) は下記の通り。(上の黒線は絶対湿度で、下の赤線は温度)


OA.JPG


これを見れば一目のように、デシカから空調機へ供給される空気は、絶対湿度は30%前後であり、温度は17℃前後。 このほかに、この2倍以上のリターン空気が空調機に供給されるので、それなりに空調機は忙しいが、これだと空調機の働く時間が限られる。


リビング.JPG


そして、8月の1階リビングの温湿度は上記。(赤腺が相対湿度で平均で40%以下。 青い腺が室温で28℃。 下の緑の腺が絶対湿度で8グラム前後)。
家庭用デシカの設定湿度は 強、標準、弱と3段階だが、ユウキ氏はダイキンから特別に操作マニュアルを入手して、自分で10グラムの絶対湿度を設定している。 
床下を含めた年間の設定絶対湿度は10グラム。 冬期は8グラムでよいとする私の考えを上回っている。

このため、年間の総使用電力と5kWの空調機、デシカの使用電力量は以下(kWh、一部推定)。
     12月  1月  2月  3月  4月  5月  6月   7月  8月   9月  10月   11月   計
総電力 651  568  614  477  324  323  454  568  512  394  360  450  5695
空 調  198   293  274  140  85   44  44   34   41   16   20  100  1404
デシカ  53  130  106   90   55  109  131  134  148   77   70   60  1163

このほかに、ユウキ邸では給湯と調理にはガスを用いている。 これを電気に換算すると約1822kWhとなる。 合計すると使用電力量換算で7517kWhとなる。
つまり、24時間全館空調費は全使用電力の18.7%を占め、デシカは15.5%を占めている。 そして給湯と調理は24.2%も占めている。
なんと、全電力使用量に占めるエネルギー関係の費用は、58.4%と6割近くにもなる。

さて、ユウキ邸の特殊な敷地事情から、冬期の空調費が余分にかかっていることが分かる。
そして、冬期の一番寒い時でも使っている電力は2kWh以下で、5kWhの機種は大き過ぎ。 Q値が0.8W、C値が0.2cuの高性能住宅の場合は、2.8kWhの機種1台で十分間に合うということを示している。 空調屋さんがどうしても大き目の機種を用意するのは、やはりムダ。
そして、南面に少し大きめの開口部を設けることが出来る一般的な敷地であれば、夏と冬を合わせて300kWhの空調費が節減出来そうに思える。 
ユウキ邸は、昨年からダイキンが設置した機器で全電力量と空調、デシカの個々の電力使用量を測定してきた。 しかし、今年の夏から自力で配電盤の脇にHEMSを設置したので、空調やデシカはもとより、各室での電力の使用量も把握出来るようにになってきた。 
その中で目立つのは冷蔵庫の電力消費。 一般家庭でも冷蔵庫は14.2%を占める最大の浪費者。
ユウキ邸の冷蔵庫は10年以上も前のものを使っている。 これを新しいものに変えたとしたら年間800kWh近くも節電になるかもしれない。
それ以外にも年間300kWhは節減できる見通しで、計1400kWhが節減できるとしたら6117kWhとなる。 これを一次エネルギーに換算し、ユウキ邸の137.03uで割ると、121.7kWh/uとなり、パッシブハウスが唱える120kWh/uに限りなく近くなる。

もちろん、ユウキ邸はパッシブハウスのように、やたらと省エネを目的として建てられた住宅ではない。
耐震性という安全性と、断熱気密性とデシカによる調湿を目的に建てられた快適住宅。
快適性能は想像以上。 
冬期は21〜22℃で相対湿度は50%と欲張っていたが、40%をクリアーしてくれていて造作材や壁に亀裂が入ることは一切なかった。
春の中間期は22〜26℃で一定。 おそらく秋も換気だけで同じように快適に過ごせるはず。
そして、何よりも良かったのは夏。 
室温は28℃で相対湿度が40%というのは、身体に重くのしかかってくる負担が一切ないということ。
もちろん熱帯夜から解放されたし、息子が布団を蹴飛ばしていても安心して寝ておれた。 風邪をひくことがないという安心感。
それよりも良かったのは、空気の流れを全然感じさせない全館空調。
前のマンション住まいの時は、夜はクーラーを微弱運転にしても風が身体に当って不快。 といって止めれば蒸し暑くて寝苦しくなる。 申し訳ないけど、こうした一切の不快感から完全に脱出することが出来ました。
マンションの広さは86.15u(26.1坪)。 
面積は60%増えたのに、u当りのエネルギー使用量は77.7kWhから3割減って54.8kWhに。
ともかく、パッシブハウスのように やたらと省エネを目的化しなくても、既存の流通資材と工法で、ここまでのことはやろうと思えば出来るのです。 HEMSが入ったので、各室ごとの電力量をモニター出来るようになりました。 したがって、来年はムリをせずに120kWh/uが達成できるのではないかと考えています。

そう語るユウキ氏の肩からは力が抜けていた。 タンタンと語る言葉に、逆に重さを感じたのは、気のせいではなかったろう。


posted by uno2013 at 15:02| Comment(0) | Q値0.8W以上の住宅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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