2014年05月20日

0.8WのPVCサッシ出現。206+外断熱でなく208充填断熱でQ値が0.8W



U値が0.8WのPVCサッシが、本格的に出回ろうとしている。

意欲的に業界を先導する責任を放棄し、だらしなくモタモタして最後尾になったLIXIL。 同社を見限るべきだという意見さえも聞かれる昨今‥‥。 
ともかく、リーダーシップなき企業が、トップであり続けるという不幸。
その悪影響をモロに受けたのが消費者であり、ビルダー。
やたらにM&Aに力を入れ、自社の利益確保のみに血道をあげ、消費者とビルダーの利益を守ろうとする姿勢が見られないのは寂しい限り。 ポリシーなき経営の見本。 
潮田健次郎氏のひたむきさを、懐かしく感じているビルダーの多いこと‥‥。 経営はテクニックではなくてハート。
日本での、PVCによるトリプルサッシの道を切り開いたのは間違いなく一条工務店。 その後を追ったのがスタイルテックであり、エクセルシャノンであった。 そして、YKKと三協アがとどめを刺した。 やる気のないLIXILは、そのまま仮眠を続けてもらっていても良かった。 
最後尾というのは、あまりにもみっともなさすぎる。

今まで、トリプルサッシというと、もっぱらヨーロッパからの輸入品。
ガラスはフランスのサンゴバン社のもので、標準的な家庭でも250〜300万円を支払わねば入手出来なかった。 ひどい場合は、消費者は500万円近くを用意しなければならなかった。
それが、0.8Wと高性能な0812の外開きのトリプルサッシが、6万円以内の適正価格で消費者が入手できるようになりそう‥‥。
ただし、高さが2メートルの大型のサッシの開発には、苦慮しそう。 当面の間は、FIXをうまくあしらった組合せサッシを考える必要がありそう。 
そして、性能値が落ちる引違いサッシをやめて、やたら開口部面積を大きくしなければ、場合によっては150〜200万円程度で収めることも不可能ではない‥‥。
トリプルサッシの時代が近づいて来ているというのは、単に性能面だけでなく 価格面でのイノベーションが期待されるから。

北海道などの寒冷地では、暖房費を節減してゆくには 住宅のQ値 (熱損失係数) を0.5〜0.7Wと高性能なものにすることが求められている。 当然のことながら外壁を200〜300ミリと厚くする必要があり、好むと好まざるとに関わらず外断熱が不可欠。
この考えに基づいて、内地でも206+外断熱が不可避と考えられてきた。
外断熱として、防火面で最もすぐれているのがロックウール。 
このロックウールで、革命的なイノベーションを進めたのがドイツ。 
吹込み充填断熱では、繊維方向はどこを向いていても良かった。 ともかく、より厚く吹込み、重量さえクリアーすれば良かった。
しかし、中層ビルの外断熱改修用には、ぺシャンとしたロックウールでは ボールなどが当たると外壁に凹部が出来てしまう。 そこで、繊維方向を外壁と直角に施工するロックウールのラメラボードが開発されてきた。 ただ、繊維方向を外壁と直角に揃えるために、ボードの大きさが制約され、今までの半分以下の大きさに。 その分手間が余分にかかる。
しかし、このラメラボードだと、出隅などに補強メッシュを施し、表面にグラスファイバーメッシュを入れて左官仕上げをし、湿度が抜ける特殊なトップコートで仕上げれば、そのままRC構造の仕上げとして使えた。
ドイツでは、旧東ドイツ時代に建てられた中層住宅が、このラメラボードと新しいサッシにより断熱改修され、ほとんどが再生されてきている。

このラメラボードを、木造住宅の外壁に採用しようと言うのが北洲のアルセコなどのシステム。
だが、どうしても価格面がネックになってくる。
このため、ラメラボードの採用を最低限に抑え、仕上げはサイデングなどにお任せするというのが音熱環境の「イージーラメラ・ロックウール」システム。 価格面では大変に使いやすくなってきているのは事実。
このほかに、以前からお馴染みのKMブラケットによるロックウールの外断熱工法もある。
防火面だけでなく、耐震性や性能面も加味して考えると、一概にこれはと決めつけるわけにはゆかないのが現状。

こうした防火面で本命視されているロックウールに変わって、日本では外断熱として多用されてきているのが、フェノールフォーム、硬質ウレタンフォーム、EPSなどの石油系断熱材。
表面材に防火建材を使うと、準防火地域でも採用することが可能。
しかし、ひねくれ者の私は、RC造以外で外断熱方式を採用するのは、どう考えても内地では本命とは考えたくない。 外断熱を行うと、木材のヒートブリッジが少なくなり 断熱性能面では有利であることは十二分に理解はしているのだが‥‥。

いづれにしても、東京周辺で断熱・気密工事を責任をもって施工してくれる専門業者が欲しい。
大工さんにグラスウールを施工させているところは、どちらかというと信用できない。 とくにカバー包装されたグラスウールの施工現場は、私は信用しないことにしている。
しかし、熱伝導率が0.04Wの木の繊維やセルローズファイバーの吹付け専門業者だと、断熱材の搬送に大型のトラックが必要で、どの現場でも施工を一任するというわけにはゆかない。
その点では、断熱材を積んでも狭い路地でも平気で入れるアイシネンは、安心出来る。 熱伝導率も0.035Wで、そこそこ。 専門業者では施工を行うだけでなく、気密測定までしてくれる業者も存在している。 自社に気密測定器を持っていない工務店が多いことを考えると、どうしてもこうした業者に頼りたくなる。
したがって、石油を原料にしているアイシネンの現場発泡そのものには抵抗感があるが、断熱・気密の施工精度と、大型トラックでなくても一切が賄えるという面で、アイシネンは東京以西の大都市では貴重な存在になろうとしている。
もっとも、熱伝導率が0.03W以上の、出来たら0.02W台の現場発泡断熱材の登場を期待したいのだが‥‥。

そこへ、0.8WのPVCサッシの登場。
そこで、いつもの40坪 (132.5u) の総2階のモデルで、熱損失係数 (Q値) の概算計算を行ってみた。(2012年1月15日の「Q値の概算手計算」のブログを参照されたし)
ともかく、天井は熱伝導率0.035Wで200ミリの断熱材を、1階床は同じ0.035Wの熱伝導率で140ミリの断熱材を使用したとして計算した。 
換気の熱回収率は90%。 サッシとドアの開口部は0.8Wとして計算。

 
そしたら206の壁で0.035のアイシネンを充填した場合でQ値は0.87W。

208の壁にアイシネンを充填した場合は0.8W。

つまり、首都圏以西の太平洋側だと、夏期の冷房負荷も考えてQ値は0.8〜1.0Wで良いのではないかと言うのが私の持論。
このためには、熱特性のU値 (熱貫流率) も大切だが、日射熱をカットすることがより大切。
ヨーロッパのように外付けブラインドが普及しているところでは、外付けブラインドの価格は非常にリーズナブル。 しかし、日本ではやたらと高い。
となれば、ガラスの日射取得率 (η値) でコントロールするしかない。
PVCサッシメーカー及びガラスメーカーのη値を比較検討したことはないが、これが東京以西ではポィントになってくると思う。

いずれにしろ、外断熱が謳歌するのは鉄筋コンクリート造だけで十分。
東京以西の木造住宅ではU値0.8WのPVCサッシと、140〜184ミリの充填断熱材がこれからは物を言う時代。
私のささやかなシミュレーションが、そのことを物語ってくれている。

posted by uno2013 at 09:52| Comment(0) | Q値0.8W以上の住宅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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