2014年03月25日

一条工務店革命 ・ 一条の心臓部を牛耳っているHRDの不思議 !  (3)


一条工務店と付き合っていて、いつも途中で分からなくなり、頭がこんがらかってくるのが同社の透明性と信頼性。
同社は株を市場に公開はしていない。 おカネに困っておらず、M&Aをするような企業もないから資金が必要としないのだろう。 
株は公開はしていないが、同社の資本金は5億7460万円で、従業員は関連企業を含めて4100人。残念ながら私は株主の構成比が分かっていない。 しかし、それほど創業系一族に支配されているようには見えない。
2013年の売上高は関連を含めて2807億円で、経常利益が106億円。 展示場は全国に360ヶ所以上持っており、このほかに宿泊体験棟を100棟以上持っている。 その数は、200ヶ所近くに及ぶのではないかというのが私の推測。 
この予測は外れているかもしれないか、その体験棟の存在が怖い。

サントリーが株を公開したのは昨年。 そして、今年1月に1兆6500億円で米蒸留酒の最大手・ジムビーム社をM&Aしている。 
サントリーの場合は、上場していなくても、その経営内容はほぼ正確に掌握できた。 情報はすべてオープンに公開されており、不透明性がなかったから‥‥。
ところが、一条工務店のホームページを開いて見ると、フィリピン工場のことはただの1ヶ所も触れていない。 見事なまでに口を閉ざしている。
一条工務店は上手に隠しているつもりなのだろうが、HRD (Housing Resarch & Development) という会社の存在は 下請け業者だけではなく、すべての住宅関係者、一条の住宅購入者の全員が知っている。
それだけではなく、HRDの本社はフィリピンではなくシンガポールにあり、サッシの防火認定や太陽光発電の認定も、全てシンガポールのHRDでなされているという事実も‥‥。
さらには、そのHRDの社長というのは、創業者・大澄賢次郎氏の長男であり、HRDの株を一時は85%しか持っていなかったが次第に増え、現在では99.99%も持った親族企業にすぎない、ということまで‥‥。

飯田・浜松市議によると、HRDの敷地は25万坪にも及び、工場などの建屋は15万坪にも。 
この工場では、すでに詳報したようにランバーの乾燥から加工、防蟻処理の一切を行うほか、システムキッチン、システムバス、玄関ユニット、収納ユニット、出窓ユニット、造り付け家具、サウナユニットなどの加工を行っている。 
この外に、PVCサッシ工場、ハニカムスクリーン工場、真空断熱材工場と浴槽や蓋の加工工場、床暖房配管工場、特殊な紙による畳表工場のほかに、4年前より太陽光発電工場も持っている。
したがって、従業員総数は飯田氏によると1万3000人であり、日本で雇っている3倍以上の従業員をフィリッピンで抱えている、という。
この中には、東京本社に居るはずの一条工務店の開発担当者も含まれており、また、日本の営業マンが打ち合わせた内容を即 図面化して送ってくれる多くの設計業務に携わる者や、完成図を基にパネル図を作成する多くの設計陣も含まれている。

つまり、日本全国に配置されているのは、単なる営業部門であり、工事部門にすぎない。
住宅会社としての企画・開発・生産に関する中枢部門は、全て個人企業であるHRDが握っていると言っても過言ではないようだ。 
そのエンジン部門であるHRDのことが、一条のホームページで一言も触れていない。
わずかに、下記の英文のホームページに辿りつけるだけ。
http://www.hrd-s.com/
一条工務店を語るということは、HRDを語るということにほかならない。 
これを語らずして一条工務店は語れないはず‥‥。 その肝心なHRDの情報が、意識的に隠蔽され続けている。 これほどヘンテコリンな会社は、日本には存在しない。

実は、私は数年前に一条工務店が i-cube を開発するまでは、同社に対する関心は一つもなかった。 たまたま親戚が同社の免震工法を選んだので、10日ばかり現場へ通い続けた。 
しかし、直下型の中越地震の烈震地を数回に亘って調査してきた直後だったので、一条をはじめとした免震工法は横揺れには効果的だろうが、直下型地震にはそれほど効き目があるとは考えられず、同社に対する関心が急速に希薄になってきていた。
そんな時に、登場してきたのが i-cube。

ともかく、若い開発者に こんな大冒険を許す一条工務店という会社の特異性に びっくりさせられた。
たしかに、3代目の現・宮地社長は、同社のネットで、「当社の一番の特徴は、組織がフラットだという点にある。 このため、免震工法の時も、超高気密高断熱住宅に取組む時も、また太陽光発電に乗り出す時も、若手が自在に発想し、チャレンジ精神を遺憾なく発揮してくれた。 このチャレンジ精神は、これからも守ってゆきたい」 と語っている。
同社の優れた一面は正しく捉えている。
だが、どんなに贔屓目に見ても、一条工務店の心臓部がHRDという個人資産会社がに抑えられている以上、宮地社長の発言は本質を隠す行為だと言わざるを得ない。
つまり、一条工務店という会社は、工学系の学生には大人気企業ではあるが、HRDに属することがない限りは 手腕を発揮出来る組織ではない、という疑いが出てきた。

そして、ネットを探していた時、下記の書きこみが目に止まった。
http://hmk-polaris.seesaa.net/article/191414040.html
この書込みの内容は、それほど参考にはならない。
ただし、「一条工務店についての個人的な感想」 の21行目の
《 → 一条工務店の法人税更生処分等取消請求事件》 
の項目をクリックして、今までの謎が一気に晴れた。
これは、2005年の名古屋地裁の裁判の判決。
なにしろ、プリントアウトすると、A4で30枚にもおよぶ長文の判決。
残念ながら、この判決文に巡り合えたのが昨日。 30ページにも及ぶ長文の裁判所の文章を、未だに完全に消化出来ずにいる。
そんな有様なので、現時点では確言出来ないが、HRDが設立された経緯や、HRDが一条工務店の中枢機能として現在も位置付けられているのは、次の理由によるらしい。

一条工務店が設立されたのは、今から36年前の1978年。 京都府で。
そして、1987年に「活齒住宅研究所」 が設立され、1993年に何故か一条の名がとれて「鰹Z宅研究所」 に社名を変更している。 そして、1995年2月にシンガポールで、創業社長・大澄賢次郎の社長名義でHRDが設立されている。 分からないのは2000年に 「鰹Z宅研究所」 がHRDに商号変更したと判決文に書かれている点。 つまり、HRDのシンガポール設立から、5年後に商号変更している点が理解できない。
いずれにしても、中堅以上の住宅各社は、「中央研究所」 なり、「総合研究所」 を持っている。 そして、その出資はあくまでも住宅会社の100%出資で‥‥。
ところが、一条工務店だけが99.99%が創業者の息子が所有している。
これは、誰が考えてもおかしい。
したがって、一条工務店はいまだにシンガポールとフィリピンのHRDの存在を公にすることが出来ず、隠しておかざるを得ない状況下に置かれていると考えてよい。

一条工務店は、当初はフランチャイズ方式を採用していた。 フランチャイズの本部機能は一条工務店ではなく、HRDと位置づけた。 一条工務店の支店も、フランチャイズの直売部門として位置付けられたのだと思う。
こうして、研究開発費として、また経営ノウハウ代として、各社はHRDに支払うことになった。
このこと自体はフランチャイズ制度としてみればおかしいことではない。
ただ、ノウハウ代を受け取るのが当然一条工務店であるべきなのに、創業一族の思惑によってHRDである点が納得出来ないだけ。 
つまり、一条工務店というのは上場しているかいないかが問題ではなく、創業一族の支配下にあるということが最大の問題点なのではなかろうか。

判決文では、ノウハウの開発が一条工務店の社員によるものか、HRDの独自によるものかをいろいろ議論している。
そして、1990年代後半の研究開発費ば60億円前後であったことを示している。
i-cube と i-smart による急激な売上増と太陽光発電の急伸によって、HRDの研究開発費は近年は200億円以上になっているかもしれない。
その詳細な情報を、一般消費者にオープンに公開する義務が、一条工務店とHRDに求められているのではなかろうか。

posted by uno2013 at 11:38| Comment(1) | ゼロエネルギーハウス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めまして、kojikojiと申します。私は一条工務店の外構工事に関わっています。今では営業さんと直接話すことはなくなりましたが、3年ほど前は毎週のように展示場で打合せをしていました。そのとき、HRDの存在をすでに知っていました。そこで、営業さんに、“外壁タイルパネルや住設はフィリピンで作っているんですよね”と聞いて見ると、“そうですよ〜建具もフィリピンで作っているし、ほとんどフィリピンで作ってますよ”と答えてくれました。確かにHRDは一条工務店の心臓部ですね。
Posted by kojikoji at 2016年04月10日 09:52
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。