2014年02月25日

絶対湿度を無視すれば窓に結露が‥‥さすけ邸の3つの誤解


消費者のMさんから長文のメールを頂いた。
それは、「一条工務店で建てるスマートハウス」 というブログで、2月17日の 「ハニカムシェードを閉めたらカビが生えた」 という記事。 その解決法の中で、一条を悪者に仕立てているのはおかしい。 unoさんはこのブログを読んでどのように感じられるか‥‥という内容。 もちろんMさんの長文の意見も添えられていた。

私が完成間際の 「さすけ邸」 を訪れたのは2012年の9月。 約1年半前のこと。 
標準的な i-smart だったが、いろんな測定用の配線がなされていたので、温湿度などのデータを、私を含めて各研究機関に送っていただけるだろうと勝手に考え、楽しみにしていた。 しかし、音沙汰なし。 このため、さすけ邸のことはすっかり忘れていた。
http://ameblo.jp/ismart/entry-11770962000.html

このブログは、プリントするとなんと10ページにも及ぶ大変な力作。
しかし、「ハニカムシェードを閉めたらカビが生えてきた」 と今ごろ驚いているのには、私の方がびっくり。 カビはともあれ 昨年の段階で結露問題に気付いていないかったのが不思議。設定温度が25℃と高かったので、相対湿度が低すぎる過乾燥状態が続いていたのかも知れない。

というのは、R-2000住宅を手掛けた20数年前にダイキンが除加湿機能付きのセントラル空調換気システムを開発してくれた。
その当時、採用していたのは透湿膜加湿機。
正直言って、この透湿膜を2つとか3つ並べれば、いくらでも加湿出来る。
ところが、ダイキンは加湿機は1つしかつけてくれなかった。
そして、R-2000住宅の紹介に先だって、カナダ大使館は ASHRAE (アシュレ・全米冷凍空調学会) の 「相対湿度と微生物などとの相関関係」 という下記のグラフを提示してくれた。 
このグラフは 私は30回以上も使っており、手垢まみれになっているので 今更ながらと気が引けるもの。
つまり、相対湿度を40〜60%の快適ゾーンに維持することが出来れば、それこそ素晴らしい住環境になる。 「住宅に関連企業は、この相対湿度に近付けることを大目標にすべし !」 とは誰でも知っているスローガン。
もちろん、一条工務店の開発担当者は熟知。 理想として掲げているのは正しい。

ASHRAEダニカビ.JPG
 
しかし、相対湿度を60%に上げると、冬期は結露が生じてカビが生える原因に。
このため、かなり大きな家でもダイキンは透湿膜加湿機は1つしか付けてはくれなかった。
当時はまだペアサッシは普及しておらず、シングルガラスでは室温が20℃でも 相対湿度が40%は勿論のこと外気温度によっては30%でも結露してしまう。
しかし、R-2000住宅の最低条件はペアサッシの採用。 
それでもダイキンはクレーム処理が怖いので、透湿膜加湿機の増設は認めてくれなかった。

それが、デシカの場合にも同じ理由で引継がれている。 痛いほど理由が納得出来る。

S邸のサッシはペアだが、真空断熱処理が行われていてU値が1.3W。 22℃で相対湿度が45%であっても、障子の入った和室のサッシには結露が生じない。
結露が生じるのはハニカムシェードだけの占有的な現象ではない。 
何度も言うが、紙障子の場合でも、厚地のカーテンの場合でも、精度の低いインナーサッシの場合でも、コールド・ドラフト現象は起こる。
このため、デシカはかなり高加湿が可能なはずだが、絶対湿度を7〜7.5グラム程度に抑制しているようだ。
これは、23℃だと相対湿度は40〜43%となる。
Sさんからは、「なんとか45%以上にならないか」 と言っているが、ダイキンの技術者の返事は、「設定温度を22℃にして頂けると、45%になります」 とつれない。 
これが、ビル用デシカの 現時点での設定湿度の限界らしい。

すでにネット・フォーラムで書いたことだが、「一条工務店の i-smart の既入居者で、設定温度と相対湿度を教えて欲しい」 と書いたら、2人の方からメールを頂いた。
1人は設定温度は23℃で、相対湿度は35%。 もう一人は設定温度は25℃で、相対湿度は30%というところ。 さすけ邸と酷似。
この場合の絶対湿度は約6グラム。
これは、どこまでも私の推論にすぎないが、ダイキンにOEM発注していたロスガード90の場合は、住む人数が標準で、やたらに鍋料理をしない家庭にあっては、6グラムという絶対湿度が標準なのではなかろうか。
この場合だと、東京以西の住宅の場合は、よほど外気が低温の場合や高地でないかぎり、ハニカムシェードを降ろしていても結露はしないはず。
これがMAXに変わり、絶対湿度が仮に7グラム以上になった場合には、ハニカムシェードの下部を10センチ程度開けないと、結露が起こるかも知れない。

しかし、結露が生じたからといって、必ずしもカビが生えるとは限らない。
上記のASHRAEの図を見てもらえば分かるように、カビが生えるのは相対湿度が60%を超えてから初めて起こる現象。
さすけ邸では、簡易加湿器を買ってきて、室温を25℃という高温に設定し、室内の相対湿度を45%以上にあげた。 つまり、今までの6グラムの生活から50%も湿度がアップした9グラムの生活に一変。
そのため、ハニカムシェードの裏では相対湿度が60%を超え、カビが発生した。
このカビの発生を一条工務店の責任にするには、「簡易加湿器でいくら加湿しても絶対にカビが生えません」 と一条工務店が何かに書いていない限り、法的に争っても勝ち目はない。
負ける喧嘩はしない方が利口。

そして、サッシの結露現象を防ぐ最良の解決法としては、ハニカムシェードをイジルのではなく、トリプルサッシの採用。 
これだと、外気温度が−9℃になる旭川でも設定温度が22℃で、相対湿度が45%であっても、ハニカムシェードの下では結露はしていなかった。 今月の1日に、その事実を発見したばかり‥‥。
この場合の絶対湿度は7〜7.5グラム。
おそらく東京以西の太平洋側の平地であれば、22℃の設定温度であれば、絶対湿度が8.2グラムで相対湿度が50%であっても、ハニカムシェードの下のトリプルサッシには結露がないはず。

これから住宅を建てる者は、結露が嫌だったらトリプルサッシを選べばよい。
しかし、すでに i-smart などでペアサッシを選んだ者は、どうしたらよいか ?
私の答えは簡単。 
ドイツの多くの人々のように、長袖のシャツを着て、設定温度を20〜21℃で生活すればよい。
そうすれば、7グラム以下だから、東京以西ではハニカムシェード+ペアサッシでも結露の心配が少なく、窓に近寄ってもそれほど寒いとは感じないはず。
太陽光で、余分な電気代が得られるからといって、25℃の設定温度でカビを生やしているのは正に自業自得。 勝手にやっておれば、と言うしかない。
日本政府が言っているのは、「18℃で過ごしましょう」 だった。

いずれにしろ、結露を問題にする場合は、相対湿度で議論するよりは絶対湿度で話した方が分かりやすい。 私は3年前から、「冬期は8グラム、夏期は10グラムという絶対湿度を如何にして達成するか」 を問うている。
是非、絶対湿度で考える癖をつけていただきたい。
それと、私の記憶に間違いがなければ、シャノンはペアサッシ+ハニカムサーモでU値が1.0W程度と計算していたが、一条工務店は1.3Wで計算していると聞いている。 22℃での生活ならそれでよかろうが、25℃で簡易加湿器の生活では1.4〜1.5Wにすべきだろう。

お断りしておくが、私の考えは多面的な実験の裏付けがないので、どこまでも参考意見として捉えてほしい。
posted by uno2013 at 08:07| Comment(0) | Q値0.8W以上の住宅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。