2014年02月05日

旭川の一条工務店・Q値0.6Wのトリプルサッシでの宿泊体験記 (上)


ご案内のように、札幌市は 「札幌版次世代住宅基準」 として、次の5つの性能値を挙げ、それぞれのQ値とC値の最低基準を定めている。
               Q値 (W/u)    C値 (cu/u)
●トップランナー        0.5以下      0.5以下
●ハイレベル          0.7以下      0.7以下         
●スタンダードレベル     1.0以下      1.0以下
●ベーシックレベル      1.3以下      1.0以下
●ミニマムレベル       1.6以下      2.0以下
そして、「ウェルピアひかり」 という分譲地で、性能がよい上位3つの性能値住宅には補助金を出すことを決めた。 トップランナーには200万円。 ハイレベルとスタンダードレベルには各50万円を‥‥。
http://www.city.sapporo.jp/toshi/jutaku/10shien/zisedai/zisedaiwelpia.html

このスタンダードレベルのQ値1.0Wは、なんとか努力すれば誰にでも出せる数値。 
ところが気密性能のC値1.0cu/uというのは、ツーバイフオーの大手メーカーは かつてR-2000住宅で大火傷を負った苦い経験があるので、おいそれとは手が出せない。 ましてや鉄骨プレハブメーカーにとっては高根の花。 国交省・住宅局をちょろまかして、次世代省エネ基準から気密性能を葬り去ったと同じ荒技は、ここでは通用しない。 繪内委員長や福島委員の目は誤魔化せない。
まして0.7cu/uとか 0.5cu/uとなると、直施工をやっていない大手には手が出ない。
このため、大手企業の中で唯一0.6〜0.7cu/uの気密性能を謳い、積極的に動いている一条工務店の存在が、ヤケに目立つようになってきた。

一方、地場ビルダーでもトップランナーか、あるいはハイレベルに挑戦出来る企業でないと、ここにきて消費者から信頼が得られなくなってきている。 
「トップランナーの0.5Wという性能は難しいが、0.7Wで C値が0.7cuのハイレベルの住宅だと、坪60万円で請け負います」 と断言できる数社の企業の業績が、急激に伸びている。 
今までローコストで戦ってきたビルダーが、トップランナー住宅に切り替えたら、「お客の層が様変わりした‥‥」 と喜んでいるとか。 
札幌市の大方針が、一部の地場ビルダーの基礎的な体力強化に貢献している。

そして、札幌での地場ビルダーとの性能と価格競争で力を付けてきた一条工務店は、函館、旭川、帯広などにも支店を出して、業績を積み重ねている。
かつてのR-2000住宅での実績とか、ツーバイフォーの実績を見せつけても、消費者は簡単についてこなくなった。 札幌市のトップランナーやハイレベルにチャレンジ出来ない企業は、全道的に次第に消費者の選択肢の対象から外されようとしている。 
想像以上に恐ろしい現象が出始めている。

そんな時に、一条工務店の旭川体験棟に一泊しょうというのだから、「unoはいよいよもって一条工務店の走狗になり下がった‥‥」 と仲間から陰口を叩かれるのを、ある程度は覚悟しなければなるまい。 
実は、一条工務店が昨年春にトリプルサッシの家を北海道で売り出したということを聞いて早々に、「宿泊体験」 を申し込んだ。
しかし、一条としては、あまり自信のない体験棟を見せて、揚げ足を取られたのでは逆効果。
半年以上も待たせることになったが、やっと自信が持てる体験棟が旭川に出来たので、案内が可能になったという次第。 そして、折角旭川へ行くのなら、是非ともダイキンの旭川ラボも視察せねばなるまい、ということに‥‥。


一条旭川外観1.JPG

これが、一条工務店の i-smart の旭川体験棟。
因みに私が宿泊したのは、玄関上のバルコニーに接した2階の一番手前の主寝室。
空港から30分程度の新しい分譲地で、近くに地場企業の幾つかのモデルも建てられている。
お馴染みの1.5/10勾配で、屋根全面に太陽光が搭載されている。 しかしこの時期、旭川の太陽光は ほとんどがご休憩中。 まして、1.5寸勾配では働きようがない。

この体験棟の企画から工事管理・検査を担当したHRDのテクニカル・アドバイザーのK氏から、この住宅の性能値を聞いた。 
天井は太陽光を搭載するために210で床を組んでいる。 つまり、小屋組ではなく、210で3階用の床を組み、その上に206で1.5/10の片流れの屋根を架ける。
断熱材を充填するのは210の3階用の床。 ここに235ミリの熱伝導率0.02Wのウレタンを充填。
計算してみると、天井面のU値は0.1Wとなる。 なかなかなもの。

外壁は206の壁・140ミリへのウレタン充填と、50ミリのウレタン外断熱。
しかし、同社の場合は 配線や配管のために一部の断熱層を薄くしているので、充填断熱厚をそのまま鵜呑みにするわけにはゆかない。 そこで、私なりに計算してみた結果、2階床部分の階間までを含めた外壁のU値は0.12Wとなった。 まあまあの出来。
そして、1階床は206材への充填。このU値は1.5W。
少し不足気味だが、同社の場合は全面的に床暖房を採用しているので、これで十分。 むしろお釣りがくるほどだが、床下の結露の心配はないのだと思う。

一条旭川Wハニカム7.JPG

面白いと思ったのは、トリプルサッシだけでは性能が足りないので、今までのハニカム・シェードではなく、写真のようにハニカムをダブルにしていたこと。
そして、雪の降る夜は、全ての開口部のシェードを降ろしての生活。
文字通り、シンシンと夜はふけて行く。
しかし、一番気になるのは、東京近郊でもこのハニカム・シェードを降ろすと、ペアガラスの下部に結露が生じてしまう。 このため、hiro邸をはじめ何人かの家を訪ねたら、結露を防ぐためにハニカム・シェードを下まで降ろさず、10センチほど下部を開けて生活していた。 
これでは、ハニカム・シェードの性能を、そっくりサッシにプラスするわけにはゆかない。 したがって、私は全てのハニカム・シェードに対して今までは懐疑派。
旭川で朝目が覚めた時に、ハニカム・シェードを降ろしていたがために、トリプルサッシに結露が見られるかどうか !?  大変に興味深い問題の誕生。

K氏は、このダブルハニカム・シェードの登場で、FIXや開き窓のU値は0.7W、引違いサッシは0.8Wで計算出来ると言う。
私は、各社が言うQ値をそのまま信じないことにしている。
例えば、開口部を小さくすれば、たちまちにQ値が良くなる。 また大きな家だと、u当りのQ値が俄然有利になる。 平均的なQ値比較をするには、標準的なプランと面積で計算しないと絶対に公平な比較は出来ない。
そこで、間口5間、奥行き4間の総2階建の40坪 (132.5u) のプランをつくり、床、土間床、外壁 (含む階間) 、サッシ、ドア、気積などの面積を決めて、比較することにしている。 (2012年1月15日付のブログ「Q値の概算は手計算で十分‥‥」を参照されたし)
その基本プランのサッシ面積は36.5uで、玄関ドア面積は3.3u。
そこで、とりあえず引違いサッシ面積を10.5uとし、FIXその他を26uとして、0.8Wと0.7WのU値を掛けて概算。
また、換気の熱回収率を90%として計算。

そしたら、i-smart の旭川体験棟のQ値は 0.6W/uとなった。
一条工務店の表示とは違うかもしれないが、私は旭川の体験棟のQ値を 勝手に0.6Wと呼ぶことにする。
それにしても、今までは0.8〜0.9Wの住宅での体験しか持っていない。 0.6Wという性能値は、初めての経験。

旭川の明朝5時ごろの外気温はどれくらいで、室内の温湿度はどうなっているか‥‥。 
それよりも何よりも、トリプルサッシの下部に結露が生じていないかどうか‥‥。 
ワクワクする気持ちを抑えながら22時には深い眠りに落ちていた。


posted by uno2013 at 11:31| Comment(0) | Q値0.8W以上の住宅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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