2014年01月05日

気密性能を無視した住宅局が、現場力の低下を招いている (1)


日本の住宅の国際競争力を著しく弱めているものには、気密性能の弱さと 換気に対する理論武装の不備さがある。
この気密性能のなさを増長している主犯格は 間違いなく住宅局。 この住宅局の共犯者として嫌々ながら踊らせられているのが学者先生。 
そのことで大きな利益を得ているのは鉄骨プレハブを中心とする大手住宅メーカー。
そして、最大の被害者は消費者。

いまどき、世界の中の低層住宅で、軽量鉄骨造を有り難がっているのは日本だけ。
軽量鉄骨造の住宅は どんなにリキんでも輸出産業には成り得ない。 
つまり、いくら住宅局や学者先生が囃したところで、ヒートブリッジそのものの軽量鉄骨造は、国内で威張っているだけの内弁慶にすぎず、外貨を稼ぐ能力はゼロ。
早い話、日本で住宅の構造改革を進めるということは、軽量鉄骨プレハブ造を第一線から追放して、可能であれば国産材を活用して耐震性の強い木質構造を普及させて行くべき。 そして、外貨を稼げる産業に脱皮させて行くべき。

世に既得権擁護を叫び、時の政府を動かしている守旧派がいる。
住宅業界の守旧派は、間違いなく軽量鉄骨プレハブメーカー。 
それを影になり日向になって援護しているのが住宅局。 この密着状況を打破しない限り、日本の消費者は永遠に解放されない。

軽量鉄骨プレハブメーカーは、とっくに減価償却が終わった工場をムリヤリ稼働させることによって、大きな利益を日本の消費者から収奪している。
そして、気密性とか断熱性、あるいは換気性能を一切変えることなく、3次元ソフトとスマートハウスという猫撫で声で 消費者の目先きを愚弄しながら、住宅性能を上げる構造変革には 頑なに抵抗を続けるている‥‥。

軽量鉄骨プレハブメーカーを、ここまでのさばらせてしまった責任は、ツーバイフォーの大手メーカーと木軸の大手企業にもある。
とくに、三井ホーム、地所ホーム、東急ホームの責任は大きい。
カナダ政府から、「R-2000住宅の技術を無償でツーバイフォー協会に差し上げます」 という話を聞いた時、ツーバイフォーの大手3社も積極的にトライしようと考えていた。 新しい需要を伸ばす絶好の好機が訪れたと内心はほくそえんでいた。
しかしR-2000住宅は、ツーバイフォーの大手メーカーに 脱皮を求めた。 
消費者に高性能住宅を保証するには、単に断熱性能を高めるだけではなく、気密性能も高める必要がある、と。
内外の空気圧が50パスカルの時の、部屋の空気回転数は1.5回転以下という気密性能。
たしかに、20年前には 想像を絶する数値であったのは事実。 実態を正しく理解出来なかったツーバイフォー各社は、「あのカナダの業者がクリアーしているのだから、われわれにクリアー出来ない訳がない」 と考えた。
これは、大手メーカーだけではなく、仲間の何社かの地場ビルダーも 同じ間違いを犯してしまった。 つまり、気密性能をあまりにも安易に考えた。

もし20年前に、日本のツーバイフォー大手各社の中で、1社でもカナダのR-2000住宅の基準をクリア―していたら、需要はそのメーカーに集中するようになる。 このため、他社も歯を食いしばって1.5回転/50パスカルに挑んだであろう。
当時、断熱・気密に関する技術力と意識が進んでいたのは 三井ホームよりは地所ホームや東急ホーム。
設計や工事を最初から制度的に下請けに丸投げしていた三井ホームが、1.5回転/50パスカルを超えることは、相当な努力が必要と予想できた。 

しかし、カナダのR-2000住宅の現場を何回となく訪れ、カナダ政府や企業との交渉に立ち会い、実態を熟知していた地所ホーム。 《R=2000住宅の設計・施工マニュアル》 の作成にも大変に協力的で、同社だけは絶対に最後まで付いてこられると誰もが考えていた。
その地所ホームが、協会で認定事業を開始した早々に、ギブ・アップを表明するとは夢にも考えられなかった。 
つまり、最後の完了検査時に 1.5回転/50パスカルの気密性能が達成しておらず、消費者から違約金の支払いが求められた。 工事を丸投げしている企業体質は、地所ホームも基本的に変わっていなかったということ。 R-2000住宅で、特別な設計チームも 特別な施工部隊も編成されていなかった。
この地所ホームがいち早く逸脱したことによって、東急ホームも三井ホームも 早々に店仕舞いをしてしまった。

今にして思えば、丸投げしている彼らには、具体的な対処方法が分からなかったのであろう。
地場ビルダーの場合は、直施工システムであったので いくつかの施工実績で1.5回転/50パスカルを突破しており、難問ではあったが克服不可能な難問ではなかった。
したがって、地所ホームをはじめ大手のツーバイフォーメーカーが なんとか一人歩きが出来るようになるまで、地場ビルダーが率先して彼らから施工を請負い、工事管理の実務のコツを教えるべきであった。
大手企業も、もっと虚心坦懐に地場ビルダーに応援を請うべきであった。 そして、R-2000住宅に限定した新しい施工システムを構築すべきであった。
そうすれば、彼らはR-2000住宅に踏み留まり、日本の住宅の気密性能と断熱性能は、今のヨーロッパ並みになり、日本の消費者に大きく還元出来たはず。
ツーバイフォーの大手住宅メーカーだけに責任があったのではなく、地場ビルダーにも ある意味で責任があったということ。

しかし、それは今だから言えることであって、当時R-2000住宅で先行していた よねくらホーム、藤和、北洲ハウジング、マイスターハウスの各社は、R-2000住宅のシステム作りや、設計・施工マニュアルづくりにおいて、何一つ隠しだてはしていない。
自分達の知っていることは100%公開していた。
そして、「断熱性能は仕様書の変更によっていくらでも変えることは出来るが、気密性能だけはトレーニングよらない限り絶対に変えることは出来ない」 と、その体験から声を大にして強調していたのも事実。
また、制度としてR-2000住宅は誕生したが、当時は性能のよいペアサッシや断熱材が割高で、価格面で消費者から積極的な支持を得るというまでには至っていなかった。
いかにしたら、お値打ち価格が実現でき、R-2000住宅に特化した企業になれるかどうかで、テンヤワンヤ。 とても、三井ホームや地所ホーム、東急ホームの苦労談を聞いている余裕などはあり得なかった。

いまさら、死んだ子の歳を数えてもしょうがない。
しかし、あの時、「なんだったら1棟か2棟だったら、うちで責任施工してあげますよ。 名前を出さない影武者でいいですから‥‥」 と、声をかけていたらと悔まれてならない。
世の中を変えるには、時には自分より身丈の大きな仲間に 手を差し伸べる度量が必要。 
その度量が自分に欠けていたことを、いまさらながら 心の底で嘆いている昨今。

posted by uno2013 at 08:30| Comment(0) | 産業・経営 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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