2013年08月15日

経験値から推定する、東京の 《快適温湿度》 と 《許容温湿度》


暑いですね‥‥。
4日連続で最高温度が40℃を突破したとこもあるとか‥‥。
昨日の午後3時の小平市の外気温度は34℃で、相対湿度は43%。 絶対湿度は約14.5グラム。
その時、外を歩いていました。
たまたまレーザ光の温度測定器を持っていたので、陽がガンガン当たっているアスファルトの温度を測ってみました。 今まで何度となく室内の床、壁、天井の温度は測定してきましたが、地面の温度を測るのは初めて‥‥。
そしたら、なんと58℃。 
素足で歩いたら 間違いなくヤケド。
外気温が41℃だとアスファルトの温度は70℃近いのかもしれませんね‥‥。まさに焼土。
そして、大きなケヤキ並木の下で、朝から陽が当たっていない地面を測ってみたら、最低で33℃。 ほとんど気温と同一で、場所によっては気温よりは若干低いほど。
そして、絶対湿度14.5グラムですから、ケヤキ並木に吹く風は涼しく感じました。
34℃の気温でも、絶対湿度が比較的低く、直射日光が当たっていないところでは 風があると涼しく感じるのですね。 今ごろになって遅まきの発見‥‥。

今までは体験的に、なるべく日蔭を求めて歩いていました。
しかし、このアスファルトの58℃と外気温度34℃との、24℃もある温度差を見たら、日蔭を求めることこそが本能として当然の選択だったと思いました。 
そして、58℃もある歩道に近い位置でベビーカーに乗せられた幼児が如何に暑い思いをしているかが、納得できました。
夏の盛りは、地面は火傷をするほど高温で、絶対に赤ちゃんをベビーカーに乗せて歩いてはいけないということ‥‥。 皆さん 厳守しましょうね。

帰って自分の部屋の、夏の床温度をこれまた初めて測定してみました。
室温は、夏期の間は27℃に設定していますので、床も同じ27℃。
お役所は、「28℃に設定しなさい」 と言っています。 
28℃で、仕事の能率が落ちないためには、相対湿度が55%でなければなりません。 絶対湿度で言うならば13グラム。
この湿度条件を保証してくれるのなら、国民は喜んで28℃で生活してくれます。
しかし、役所が言うのは28℃という温度だけ。
国民の健康とかストレスに対する配慮は、一切ありません。

2011-8.jpg

上の図は、7月20日のこの欄で紹介した、S邸の2011年8月の温湿度表。
室温が26〜27℃で、室内の相対湿度が40%を 平均で若干下回っています。
なんと、絶対湿度が9グラムという数字。
この9グラムという数字のすごさを分かっている人が、住宅関係者の中にもほとんどいないという、侘しい現実があります。
「9グラムが、どうしたというの !? 」 という呆れた反応。
いいですか、東京の8月の平均相対湿度は76〜77%ですから、平均気温が28℃だとすると外気の絶対湿度は約18グラムというところ。
その18グラムという高い絶対湿度の空気を取り入れて、1時間に0.5回転も換気させながら、室内の絶対湿度を9グラムに半減するというのは、容易な技ではありません。
今年の7月の25日に6人の方をS邸に案内した時は、外気の絶対湿度がちょうど18グラム強でした。 それが半分の9グラムのS邸に入ったら、26〜27℃なのに汗があっという間に引いてしまいました。

暑い時、クーラーがガンガンに効いているスーパーや百貨店に入るとホッとします。
しかし、24〜25℃という低温の中に居られるのはせいぜい30分から1時間がいいところ。女性だと、厚着をしない限り生理がおかしくなります。
これに比べて、26〜27℃で、相対湿度が40%のS邸では‥‥つまり、絶対湿度が9グラムの世界では、長く居れば居るほど身体がリラックスして、肩からストレスが 《スーッ》 と抜けてゆくのが実感できました。
かつて、ハーティホームの 湿度調整機能付きセントラル空調換気システムのR-2000住宅が売れたのは、この9グラムには及ばなかったが、27℃で相対湿度が50%という11グラムの住宅を供給したから‥‥。
いいですか。 同じセントラル空調換気システムと言っても、アメリカやカナダの粗っぽい雑なシステムではなく、また三井ホーム、地所ホーム、東急ホームなどとは全く異質の11グラムのシステムを ダイキンの全面的な協力を得て構築できたからです。

そして 強調したいのは、11グラムという快適さは 口でいくら説明しても絶対に分かってもらえなかったということ。
ともかく、如何にして消費者に長く展示場に座っていて 体感してもらえるか‥‥。
本当は、全家族で一泊出来る 《体験棟》 があれば理想的。 20年前は、ともかく1時間以上モデルハウスに座っていてもらえるかどうかが勝負。
今でも、強い印象が残っている具体例があります。 
それは、身障者のお子さんを持っておられた若夫婦。
それまでは、どの社の展示場へ行ってもお子さんはグズリ出す。 したがって、ゆっくり打合せが出来ない。
ところが、R-2000住宅ではお子さんがすっかりくつろいで、泣き声一つ出さない。
それが一度や二度ではなく、来る度にお子さんが超リラックス。
その姿を見て、「この子はR-2000住宅にゾッコン惚れている。 この子のためにもR-2000住宅にします」 と若い両親は決意表明をされました。

11グラムでも、ハーティホームのR-2000住宅は、それだけの説得力を持っていた。
一昨年夏に、私が体験した一条工務店の床冷房・八王子体験ハウス。 Q値やC値はR-2000を大きく上回っていた。しかし、絶対湿度はハーティホームのR-2000住宅よりは劣る12グラムに過ぎなかった。 同社の床冷房システムが未だに正式発表されないところを見ると、改良を加えている最中なのだろうと推測。
この改良品が11グラムを上回れば、温暖地では とてつもない強敵になる !!
それこそ、三井ホームや地所ホームがぶっ飛ぶくらいの強敵に‥‥。
そういった客観条件下にあって、デシカの9グラムという性能は、特筆に値するものがあると私は考えています。
しかし、それだけの性能を持ちながら、売れ行きが芳しくないというのは、マーケットリサーチと商品化という面で大チョンボを犯しているか、あるいは 《住宅としての機能》 そのものが焦点ボケしいるからかも‥‥。

話が今回のテーマから脱線した。
日本で、本気で 《高温低湿住宅の開発》 に取り組んだ企業として、ダイキンとともに忘れてはならないのが東京ガス。
残念ながらその商品化は成功しなかったが、2回に亘る延べ600人を動員して神奈川大・岩本研が行った温度と湿度に関する人体実験調査には、今でも学ぶところが多い。
この人体実験調査の詳細は省くが、25℃以下、26℃、28℃、30℃の温度下で、相対湿度が40%の時と60%の時の人々の 《暑いという反応》 を、具体的に調べたもの。 
絶対湿度換算では下記になる。

・26℃で40%=絶対湿度約 8.5グラム   ・26℃で60%=絶対湿度約12.8グラム
・28℃で40%=絶対湿度約 9.5  〃    ・28℃で60%=絶対湿度約14.2 〃
・30℃で40%=絶対湿度約10.6  〃    ・30℃で60%=絶対湿度約16.0 〃

結論だけを書きます。
室温が25℃以下だと、よほど相対湿度が高くないかぎり‥‥例えば70%の後半から80%以上でないかぎり、湿度の高さをほとんどの人は気にしない‥‥ということが分かった。
これは、非常に重要なポイント。
つまり、夏期に湿度が問題になるのは、梅雨時を除けば室温が26℃以上になってから。
逆説的に言えば、室内の相対湿度が60%以上と高い時は、室温を25℃以下の冷温にすると、相対湿度が気にならなくなる‥‥ということでもある。
したがって、室内の絶対湿度が13グラム以上の時は、人々は自然にクーラーの設定温度を低くして生活し、《冷房病》 を生んでいる。
性能の悪い住宅で、クーラー1台で生活している家庭のほとんどがこの状態。
省エネの点では褒められても、大きなストレスがもたらす 《健康面》 から考えるならば、決して称賛出来ないもの。 むしろ、薬代などの出費が増大する原因に‥‥。

次は、室内の相対湿度が40%の場合は、28℃どころか30℃になっても絶対湿度が10.6グラムだから、ほとんどの人が 「少しは暑いかな‥‥」 と感じる程度で、暑さは全く苦にしていない。
ところが相対湿度が60%の場合は、26〜27℃までは絶対湿度が13グラム台なのでヘッチャラ。 そして、28℃の14グラムを超えると30%の人が 《やや暑い》 と感じ、30℃になると全員が 《やや暑い》 と感じるだけでなく、30%の人がはっきりと 《暑い》 と感じるようになる。
この600人に及ぶ人体実験から分かることは、人々は 《温度》 よりも 《湿度》 に対して敏感だということ。
こうした貴重な資料があるのに、気象庁もそれ以外の役人も、それに住宅産業人にしてももっぱら 《温度》 のことだけを語り、夏の高温多湿と冬の過乾燥の日本で 《湿度》 のことを語ろうとしない。 
私には、「消費者をバカにしている行為」 としか写らない。

快適温湿度.jpg

さて、S邸の夏と冬のデータを見て、私は安い除湿器と加湿器を買って来て、自分の部屋で 《夏》 と 《冬》 の 《快適温湿度》 と 《許容出来る温湿度》 の範囲を調べたのが上図。人体実験の対象者が私1人というのが、なんとも情けない。
また、小さな空気線図しかなく、拡大したので見苦しい点があるのはお許しあれ。(図をクリックしていただくと、少しは鮮明に見えます)

まず、夏。
私が快適と感じたのはS邸同様に絶対湿度で9グラム。
26〜27℃で相対湿度は40%で快適。 そして30℃でも相対湿度は約34%で快適。 それどころか32℃にした方が相対湿度30%となり、空気が乾燥していて 私的にはこの方が一番快適感が強かった。 ヨーロッパやロスの避暑地にいる感じで、なかなかのもの。
32℃以上は、安ものの機器のために実験出来なかった。
しかし、これは男の考えであって、皮膚が気になる女性の場合は、10グラムで相対湿度が40%の29℃が最適温湿度かもしれない。
そして、11グラム、12グラムともに合格で、夏期の許容出来る範囲は13グラムとした。26〜27℃で相対湿度が60%、30℃で相対湿度が50%という範囲以内。
私の部屋も、なんとかこの範囲を守っていて、正に実感的な 《夏期の許容線》。

一方、冬。
快適線は21〜24℃までの絶対湿度8グラム線。
一番のお薦めは21℃で相対湿度が50%。 しかし、50%を達成するためには、東京でもU地1.0W程度のサッシでないと結露してしまう。
そして冬期は室温を18℃とし、「長袖シャツを着て、家の中でのベストの着用もあり」 という家庭もある。 18℃であっても、相対湿度が50%であれば非常に暖かく感じる。 むしろ18〜21℃の設定温度で、相対湿度50%こそが最上のお薦めコースかもしれない。
そして、冬期の許容線は、相対湿度は30%を切らないこと。
「高気密・高断熱住宅だ」 と自慢げに鼻をピクピクさせていながら、相対湿度が30%を切り、造作のトメの部分が口を空けていたり、壁の入隅部分に亀裂が入っている不良住宅を良く見かけて、ガッカリさせられる。
相対湿度が30%以下の住宅は、《欠陥住宅》 として、消費者から告訴すべきものだと私は考えるが、如何‥‥。



posted by uno2013 at 10:42| Comment(0) | 除加湿・空調・換気 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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