2013年06月10日

政府のゼロ・エネハウスには、どこまで本気に付き合うべきか !?


ご案内のように、昨年度から始まった政府のゼロ・エネハウスの補助金事業。

1つは、経産省関係の建築主対象に余分にかかる費用の半分、350万円までを補助する 「ネット・ゼロ・エネハウス支援事業」。 これはどちらかというと 大手住宅メーカーが対象。

もう1つは年間50棟までの中小ビルダー対象。
余分にかかる費用の半分の165万円までを補助しますという国交省管轄の「住宅のゼロエネ化推進事業」。

前者はもう申込みが締め切られたが、後者の締め切りは7月5日。
したがって、地場ビルダーのなかには最後の追込みで、汗を流しているところも多いことと推測いたします。

しかし、私は昔から補助金事業にはあまり関心がない。
経産省のネット・ゼロの予算額は15億円。
350万円で割るとせいぜい430戸にしかならない。全国でたった430戸ですぞ !。
一方、国交省の中小ビルダー対象ゼロエネ化の予算額は20億円。
165万円で割ると1212戸。47都道府県で割ると1県26戸。しかも1事業所で対象に出来るのは最高3戸まで。
いずれも、宝くじ並の当選率。
しかも、提出書類はやたらと時間と費用がかかるし、施工期間が極端に制約されている。
したがって、計画生産しているビルダーにとっては、正直なところ補助金事業というのは計画を狂わせるだけの邪魔物で、全く魅力がない。

しかし、「政府のゼロエネ化住宅に選ばれました」 ということが勲章になり、宣伝文句に使えるからというので、ムリして応募しているビルダーも多いはず。
つまり、目的はどこまでも 《ハク》 をつけるため…。

そんなことよりも本来は、折角の税金を使っているのだから、本当に国民の中に「ゼロエネルギー住宅に対する正しい認識が拡がり、大きな流れを生んできているかどうか」 ということがカギとなり、話題にならねばならない。
「ゼロエネルギー住宅」 ということだから、世界中の政府がやっていることは、出来るだけエネルギーを使わない高気密・高断熱住宅を奨励すること。
そうすることによって、年間の冷暖房費が大きく抑制出来る。
そして、次の手段として、熱回収率の高い換気システムを導入し、熱効率の高い太陽熱給湯機やLED照明などを採用すること。
そして最後の手段として、大手住宅メーカーが、スマート・ハウスの本命であるかのように喧伝しているHEMS (ITによるエネルギーの見える化などの管理システム) を採用するという順序になってくる。

ところが、日本では肝心の高気密・高断熱のことが、国交省と一部の学者によって意識的に忘れ去られようと画策されている。
とくに、気密性能に対する関係学者の行動は、原発村の諸先生方よりもはるかに悪質で、犯罪的とさえ言える。
R-2000住宅に携わってきた人間ならば、気密性の重要さは骨身に滲みているはず。
それなのに、知らんふりをしているのは正に確信犯。

いいですか、T U地域においては、C値を問わずにQ値1.4W以上であれば、太陽光などの発電力を多く備えておれば、ゼロエネルギー住宅と威張れるのです。
V〜Y地域だと、Q値が1.9W以上であれば、C値に関係なく太陽光発電が7kW以上搭載しておれば、国の大切な税金が 補助金としてそうしたイカサマ・ゼロエネ住宅に対して堂々と支払われているのです。
日本の役所は、こんないい加減なことをまかり通させている…。

しかし、こうした施策に対して、さすがに経産省の中からは反省の声が出てきているという風に聞いています。
原発が思うように建設できなくなった。
いままでは、住宅やビルなど、いわゆる 「民生」 の部分の甘さは、原発をより多く建設することで賄えるというように考えてきた。
ところが、2年前の福島原発を機に、日本の国民の意識は変わった。
原発を安易に容認しなくなってきた。
となると、工場や運輸部門に比べて、甘やかされてきた 「民生部門」 の支出の部分を減らしてゆくしかない。 財布のヒモを閉めるしかない。
つまり、いつまでも国交省の言い分を聞いて、住宅やビルの生ぬるい省エネ化作業を黙認しておけないという風潮が、経産省と環境省の中で強まってきているということ。

省エネの予算の60%は経産省が握っており、環境省の20%と合わせると80%にもなる。 国交省がどんなに威張っても たった2割しか握っていない。
それなのに、たいした成果を上げていないくせに、今までは必要以上に 国交省は威張っていた。業界と癒着して改革をサボってきた。

そして、これはどこまでもまた聞き情報で、ニセ情報かもしれない。
しかし、こんな噂が流れている。
「国交省は、日本の省エネの基準が世界に比べて低すぎるために、欧米で使われているkWhの表示をやめて、わざとわかりにくいGJ (ギガ・ジュール) 表示を採用した。 ヨーロッパでは一次エネルギーの削減目標を120kWh/uとしている。 そして、経産省は国際的なkWh/u表示で良いと考えているらしい。 そして、国交省の日本をT U V W Xと5地域に細分化して、さらにX地域を細分化するなどして、非常に分かりにくい基準を設けている。だが、これでは業者に逃げ口実を与える効果しかない。 
日本全体を北関東以北、東京以西に2分案を経産省は考えているらしい」 というもの。

kWhが良いかGJが良いかは、技術的な問題で、どちらでもよい。
一次エネルギーは、1GJ=277.78kWh であるから、慣れてくればどちらでもよい。
ただし、ヨーロッパの目的基準は120kWh/u。
これに対して日本の基準は/戸らしい。
そして、例えば49GJを住宅の規模で修正をするときは120で割って、例えば150uの住宅だと150を掛けなさいと言っているので、私は 49GJは120uの住宅だと割り切っている。(断っておきますが、間違っているかもしれません)
ヨーロッパの一次エネルギー120kWh/uには、冷蔵庫、洗濯機、コンピューターやテレビなどの家電が含まれている。 だが、日本ではゼロエネの対象としているのは、どこまでも暖房、冷房、換気、給湯、照明の6項目だけ。
それを120uで割ると113kWh/uとなる。
したがって、ゼロエネの対象数値としては、国交省関係者も先行しているヨーロッパを無視出来ず、GJ表示では国民の目を誤魔化したが、実質的な数値では妥協を余儀なくされたのではないかと、ゲスは勘ぐりをたくましくしています。

それよりも、拍手を送りたいのは日本を2つのエリアに分けると言う構想。
どこまでもまた聞きだから大きな声では言えないが、北関東以北を当面のQ値を1.4Wとし、東京以西をQ1.6Wとする案らしい。 これは大英断。
それと気密性能をC値で良いから 北関東以北を1.0cu/uとし、東京以西を1.5cu/uとすべきだと強調したい。
C値はともかくとして、Q値は当面1.4Wと1.6Wの2本立てで運営し、3〜4年後には北関東以北のQ値を1.1Wにして、関東以西を1.3Wと定め、これに違反する住宅は違法建築として厳しく扱う、と言うものらしい。
消費者の立場に立つならば、この案に大賛成。

そして、国交省関係の説明会では、どの講師も熱回収換気に関しては「使わない」 方を選択するように話していたと言う。
このため、住宅関係紙誌は、「セロ・エネ化では熱回収は使えない」 と間違えた報道を行っているらしい。
しかし、Webプログラムでは 「熱回収を採用する」 を選べば、大幅に性能を向上させることが出来るという。
そして、これもまた聞きの範囲にすぎないのだが、「今年の秋からはすべての確認申請が、このWebを使って行うようになる」 らしい。
とすると、国交省側の講師ではなく、熱回収換気を正しくレクチュアー出来る講師を選ばないと、ビルダーも消費者も損をすることになる。

再度断っておきますが、私の書いてきたことは、どこまでも風評の範囲内のことなのかもしれません。
ただし、そうした前向きの風評もあるということを頭において、これからの企業戦略を立てられることは、決してムダにはならないはずだと考えます。


posted by uno2013 at 11:40| Comment(0) | ゼロエネルギーハウス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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