2013年05月20日

快適さで勝負。性能と価格では一条には勝てない !


先週、一条工務店の3つの見積書のことを書いた。
2つは、まだ営業マンの段階でのラフなプランであり、営業マンが作成した概算見積りにすぎなかった。
それを見て、これは「プロの仕事ではない」 と感じたのは、いささか軽率…。

ところが、もう一つは 東京郊外での契約直前のプラン。
これには、営業マンだけでなく、設計者の名前もしっかりと書かれており、なおかつ どんな役割を果たすのかよく分からないが「審査役」の名もしっかりと書かれている。
おそらく、図面と予算を精査して、最終的にOKを出す管理者のことを指すのだろう。予算のお目付き役のことらしい…。

なにしろ、東京は地価が高い。
これはどこまでも一般論だが、地価が坪80万円としたら一般サラリーマンが入手出来るのは35〜40坪が限度。
その土地に建てられるのは建ペイ率が40%で、容積率が80%。2方向に道路が付いていたら50、80%が建てられるので儲けもの…。
つまり、マンションを売って土地代に充てたにしても、28〜32坪のまでの家しかローンで建てられない。

当然、極小住宅だから、スパンを3間も飛ばす必要がないので、i-smart ではなく、i-cube で十分に間に合う。
そして、照明・カーテン・外構などの一切のオプションなしの標準仕様で、消費税は別で坪価格は62万円と言うところ。
これとは別に、完全に払い終わるまでは10年余かかる約7kWの太陽光発電が、消費者の一切の資金の負担なしで搭載され、一応は長期優良住宅でゼロ・エネルギーハウスを取得することが出来る。
30坪以下の i-cube の標準仕様だと、この価格がまかり通っているらしい。
サラリーマンにとっては、大変な朗報。
その代わり、大手住宅メーカーや地場工務店にとっては、「大変に目障りな野郎の登場」 ということになる。

一条工務店が、今までのタマホームなどの安売り企業や、大手住宅メーカーときっぱり違う点は、すでに何度も書いてことだが、その性能を堂々と公表している点にある。
i-cube のQ値は0.76Wであり、 i-smart のQ値は0.82W。
いずれもハニカムシェードを加味した性能であり、浴室やトイレからの排気は局所・間欠運転なのに熱回収率90%と公称しているので、私は i-cube の実質的なQ値は0.82Wであり、i-smart のQ値は8.7Wと計算している。
それにしても、Q値が1.2〜1.4WであったR-2000住宅を50%近くも上回っており、R-2000住宅は完全に過去のものになった。
それと、新住協の 「Q-1住宅」 もすっかり影が薄れてしまった。
地方の工務店にはまだ人気があるようだが、いまさら鎌田紀彦先生の話を聞いて勉強したいと言う消費者はほとんどいなくなった。
同時に、「ゼロ・エネルギー」 を達成したので、かつては輝かしく見えたドイツの 「パッシブハウス」 も、魅力が大幅にダウンして、大多数の消費者から見放されてきている。

つまり、日本の住宅の新しい基準は、国交省や経産省の唱える 「大手住宅メーカー偏重」 のLCCM住宅やスマートハウスという観念論ではなく、目の前の競争相手・一条工務点の i-cube や i-smart になってしまったのである。
デザインが目当てのおばさまや、ステータスが目的の成り上がりのおじさんは別にして、少し住宅性能を勉強したサラリーマン、並びにサラリーウーマンには、理系、文系を問わず、一条工務店の門戸を叩くことが常識になってきつつある。
それほど、実質Q値0.82Wと0.87Wがもたらしている意義は大きい。
なぜなら、大手住宅メーカーは、口では 「スマートハウス」 とやたらカッコをつけているが、未だにQ値が0.9Wを切ったところがない。それどころか、R-2000住宅のQ値1.2〜1.4Wに遥かに及ばないのがほとんど。それでいて太陽光と設備機器だけで「ゼロ・エネハウス」 などとホザクものだから、心ある消費者は呆れている。

それよりもひどいのは気密性能。
C値にいたっては2.0cu/uを切るのがやっと…。
それでもままならないので国交省に泣きつき、次世代省エネ基準から気密性という基本性能、つまり 「C値」 のことを完全に除外してしまった。
大手住宅メーカーに職員の就職先の斡旋をお願いしている国交省が、大手の無理な要求を聞くのはやむを得まい。
だが、次世代省エネを担当している多くの学者先生が、「消費者の期待を裏切った…」 ということで、原発村の諸先生と同じように国民の信頼を完全に失ってしまった。
補助金頼みの業者は、口では国交省の悪口をいいながらもおべっかを使っている。だが、私の知っている多くの消費者は国交省の 「お抱え学者様」 に対して、大変厳しい視線でしか見ていない。 時代は完全に変わった。
そういった意味では、一条工務店が高らかに唱えている 「C値0.59cu/u」 は、燦然と輝いている。
もちろん、地場のビルダーにとっては怖れる数値ではないが、高い生産性で、コンスタントにこの数値が達成されていることは、注目に値する。

ところが、それだけではない。
先月末に北海道のある消費者から、一条工務店の下記の資料が送られてきた。
最高性能の硬質ウレタンを採用し、クリプトンガス入りのトリプルサッシを採用し、世界初の地中熱回収型全熱交換換気システムを標準装備して、札幌市が今年から始める 「札幌版次世代住宅基準・その最高基準であるハイレベル基準」 を上回る商品を、北海道限定版として、「標準仕様に坪当たり0000円上乗せすれば直ぐに売りますよ」 とPRを開始しているという。
当面は北海道限定商品だが、日本にもいよいよもってトリプルサッシの時代が到来してきた。

一条新仕様.pdf

さて、これでも貴社は、今までの商売のやり方を変えずに、これからの消費者の需要を開拓して行けると考えているのだろうか ?
国交省や経産省の次世代基準なるものを盲信して、補助金頼みでこれからも商売をやってゆけると考えているのだろうか ?
とっくにシックハウスの時代は終わったのに、これからも湿度管理をやらずに狂いの激しいムクの木材と漆喰だけをメインに商売がやって行ける自信が、本当におありなのだろうか ?
アフターメンテがやり易く、10年保証がしやすいからと、いつまでも第3種換気にこだわってエネルギーの浪費を続けて良いのだろうか ?
自然素材が素晴らしいと、羊毛や木の断熱材に拘り、ルナファザーこそが内装の本命と、肝心のドラィウォール工法をいつまでも等閑視していて良いのだろうか ?


ただし、私は一条の住宅に接する度に、いつも満たされないものが残る。
それは、10センチまでのパイプ配管に依存しているので、ダクトが持つ柔らかなソフトな空気が圧倒的に不足している…ということ。
あのQ値が1.4Wの、東京のR-2000住宅に充満していた清涼感が、i-cube にも i-smart にも全然感じられない。
とくに夏場のクーラーによる痛い冷房はいただけない。
スイッチを切ってしまいたくなるのは、私だけではないはず。
東京のR-2000住宅に接した大多数の女性方は、必ず私の味方になってもらえるものだと確信しているのだが…。
超高気密・高断熱住宅がもたらす、爽やかな上高地や軽井沢の涼感は、除加湿機能付きのセントラル空調換気システムでしか得られないもの。

つまり、Q値やC値をいくら上げても、それが省エネという懐具合には好影響を与えはするが、心にソフトな柔らかさと充足した満足感をもたらしてくれるとは、必ずしも言えないようだ。
そして、優れた空調換気工事をやろうとする場合は、単なる人の動線だけに気を使っている現在の設計士には出来ない。
つまり、空気の動線を演出できないと、いくらデシカをタダであてがわれても、消費者の満足感を満たすことは不可能。

つまり、地場ビルダーは、一条工務店の持つQ値やC値の性能を満たした上で、同社が到達出来ないソフトの分野で、真に消費者が嬉しくなり、役に立つ技術を開発して行かねばならない。

いやはや、大変な時代が始まった。
その大変さを、心の底から楽しむことのできない人は、去るしかないだろう。
何度も同じことを書くが、一条工務店の挑戦力は、ただ事ではない。





posted by uno2013 at 13:52| Comment(0) | ゼロエネルギーハウス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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