2013年05月10日

i-smart を性能的にも価格的にも上回るビルダーが何社あるか ?


首都圏の I さんから、具体的に数社の社名をあげて、「この中で、本当に i-smart に性能的にも価格的にも対抗出来得る会社を紹介して欲しい」 とのメールを頂きました。
新住協の鎌田先生や森みわさん等の講演も聞きに行き、その話の内容の問題点も指摘している熱心で、非常にまじめな賢い消費者の一人。

「i-smart に対抗出来得る商品」というのは、すでに見たとおり。
40坪でQ値が0.9Wを切っており、資材の値上がり分を換算しても、標準的な照明・カーテン・外構工事込みで坪単価が75万円 (消費税別) で上げられる住宅……ということ。
首都圏で、コンスタントにQ値が0.9W以上の、例えば0.87Wという商品を提供している会社は、私の知っている範囲ではない。
たしかに、「パッシブハウス」などの名で、試験棟を建てた経験社は何社かある。
だが、いずれも坪単価という商品の基本的な点については、単なる原価の積上げによるものが多く、ほとんどが坪80万円を軽くオーバーしている。
つまり、i-smart 対抗商品として、意識的に、組織的・システム的に考案されたという商品は、未だに皆無と言える。

したがって、私の答えは次のようにならざるを得なかった。
「現時点では非常に残念なことではありますが、挙げられた7社には i-smart に対抗できる商品を持っている会社は一社もありません。 そして、近いうちに何とか開発したいと努力している会社も、残念ながら仄聞しておりません。 しかし、皆無かというとそうではありません。 今挙げられた7社以外で、若手の現場のプロを中心に据えて、システム的に解決出来ないかとプロジェクトを立ち上げようと努力しているグループが存在しています。果たして、この若手グループがどこまでやれるかです…。 ツーバィフォー工法をオープン化した時、集まってきたのは全国の若手の向こう知らずの面々でした。その若手は経験が乏しかった。 だが何でもトライしてやろうという強い意慾があった。その意慾が日本の経験と勘に頼っていた古い木構造を根本的に覆し、耐震性と防火性の高い木構造体系を築きあげてくれました。 おそらく、i-smart 対策商品を開発してくれるのは、過去の体験を引きずっていない そうした若手の中から誕生してくるのではないでしょうか…」。

我ながら情けない。奥歯に物が挟まったような文言の羅列になってしまった。
私が言いたかったのは、「今までの成功体験に酔っている者の中からは、絶対に i-smart 対抗商品は生まれてこない」 ということ。
かつての在来の木軸に安住していた棟梁からは、何一つ革新的なシステムが生まれなかったように…。

数年前までの、かつての一条工務店は、木軸のメーカーに過ぎなかった。田舎のお年寄りを相手に、年寄り好みの家を建てているだけの「おやじさん企業」だった。
それが、ツーバィフォー工法に転身し、工場生産では絶対に不可能であるとされてきた気密性能、つまりC値1.0cu/uの難関を、EPS断熱材に何本かのスジを入れ、その反発力を利用するというアイディアでC値0.6cu/uを達成してしまった。
鉄骨プレハブとかツーバィフォーパネルでは不可能であると信じられていた気密性という難関を、ど素人の発想力で突破したのである。
ところが、他の鉄骨プレハブメーカーもツーバィフォーのコンポーネント工場も、価格の安いグラスウールにこだわっていて、一条工務店の経験に学ぼうとせず、未だに1.0cu/uの壁さえ越えないでいる。そして、国交省に泣きついて、次世代基準から「気密性能」という言葉を削除してしまった。
情けない「低気密性能住宅」の軍団達…。それを支持しているお役人とご用学者。
既存の知識や常識にこだわっていると、何一つイノベーションが進められないという代表的な見本の一つ。

一条工務店は、今までの常識を打ち壊してきた。
そこから i-smart が生まれてきた、という事実を直視する必要がある。
だが、残念ながら私のリンク先の首都圏の地場ビルダーには、最近はものすごくイノベーション力が低下している。
つまり、新規なものに対するトライしょうという意識が著しく欠け、自分の古い成功体験を維持することに汲々としている。そんなトップがほとんど。
これでは、現状打破力で力をつけてきた i-smart に対する対抗商品は、逆立ちしても生まれてこない。
現状を打破する意欲のないものに、新商品を期待することは どだいムリな相談。

大変に厳しい見方ではあるが、私のホームページの首都圏のリンク先は、i-smart が誕生するまでは検討に値する対象企業であった。
ところが、i-smart が生まれて丸3年になろうとしている。
それなのに、危機意識の欠けたトップは、未だにQ値が0.9Wを切れずにオタオタしており、醜態をさらしている。
そして、昔のままの「自然素材」とか「ムク材」などを謳い文句にしてさえおれば、この危機を乗り越えられるかのような、大きな錯覚に陥っている。
これでは、いまどきの若くて賢い消費者は離反してゆく。
私のホームページのリンク先を一新すべきかもしれない。
そうすると、ほとんどの企業が姿を消すことになるが……。

私のホームページを訪れてくれている約140人/日の消費者の7〜8割は、黙って i-smart に走っている。
私の目からみれば、i-smart にはまだまだ欠陥が多い住宅。とくに強調したいのは、「本当の快適さに欠ける」というのが難点。
しかし、消費者の立場で、現状の中で選択するということになると、消去法の結果 i-smart にならざるを得ない。
そこへ持ってきて、太陽光発電7kWが自己資金ナシで搭載出来ると言う魅力が加わった。
つまり、i-smart というのは、今までの単なる《省エネ住宅》ではなく、パッシブハウスよりは先行している《ゼロ・エネルギーハウス》なのだ。
経産省や国交省の当てにならず、しかもやたらと制約条件が多い補助金に依存しなくても、坪75万円の資金手当てさえすれば ゼロ・エネルギーハウスが入手出来るという魅力。
この魅力を、地場ビルダーのトップは、本当に 真剣に考えているのだろうか…。

私のリンク先から、昨年は宇都宮のエムエスホームズなど有力な3社が姿を消した。
リーマンショック後に、ホンダなどの有力企業の消費者が動かなくなったからだと言っていたが、同時期に i-cube や i-smart が急伸していたことを考えると、すべてをリーマンショックのセイにすることは納得できない。
また、今年の4月末から仙台のツーベアホームがホームページを閉じ、電話も携帯電話でも連絡がとれなくなった。主力としていた東北電力の従業員相手の《オール電化住宅》の影が薄れたことと、電力会社の合理化が大きく影響しているからだと推測する。
両社とも北関東から仙台にかけての若手のホープと見られていただけに、戦線離脱は痛い。根源は、いずれも i-smart 対策の準備不足にあったと私は考える。

地場ビルダーは、その存立の基盤をアンチ三井、アンチスウェーデンハウスに置いていたところが多い。
三井やスウェーデンハウスだと価格的に十分に対抗出来る相手。だから、三井やスウェーデンハウスのおこぼれで商売が出来た。
ところが、ツーバィフォーのトップメーカーは、三井ホームに変わって昨年から一条工務店になった。 スウェーデンハウスには、かつての活況が見られない。
まだまだ相見積の経験がない一条工務店の i-smart が、最大の競合相手として登場してきているという事実。
それなのに、各住宅紙誌は、どうしたわけかそのことをほとんどとり上げてくれない。
騒いでいたのは私だけ。私の警鐘度が弱かったと言うことであろう。その点では大きく反省しなければならないが、企業のトップの感覚が消費者から大きくズレてきていることに、ほとんどが気付いていないことこそ大問題。
いや、気付いているのだが、虚心坦懐に他から学ぼうとする基本姿勢が失われている。
極論すれば、住宅業のトップとしては資格が喪失しつつあると言うこと……。

しからば、首都圏以外の地場ビルダーはどうか。
中部以西でも、首都圏とほとんど変わらない。
だから、全国的に i-smart の快進撃が続いている。
私の知っている範囲で、この快進撃に何とか対抗するシステムを作ろうとしている地場ビルダーや、ビルダーを支援する資材などのメーカーや販売店で、これはという動きがあると言う話を 聞いてたことがない。
何社かの倒産事例が出ない限り、このまま手をこまねいているだけかも知れない。

しからば、北海道はどうか。
北海道では、Q値が1.3W以下では どの消費者も相手にしてくれなくなってきている。
鎌田先生のグループが叫ばなくても、実質的にQ値が1.0Wを切っていないと、地場ビルダーとしては認めてくれなくなっている。
そして、進歩的なトップがいるところでは、0.9Wを切り、実質的なQ値は i-smart に並んでおり、価格的にも一条工務店より優れているところが多い。
これは、北海道に限ってロックウールによる充填断熱と気密工事を一手に引き受けてくれる専門業者が存在している、という事実に負うところが大。
北海道の地場ビルダーの客出し価格を見ると、びっくりさせられる。
65キロのロックウールの価格が、驚くほど安いのだ……。
これだと、i-smart のEPSの充填断熱材や50ミリの外断熱よりは遥かに優れている。

ただし、206のロックウールの充填断熱は良いが、その外側にチャチな枠を組んで200ミリ以上の現場吹込みロックウールを外断熱として用いているのには賛成できない。
神戸や中越の直下型地震を見て回った私の目には、どうしても不信感がついて回る。中越地震の時の外断熱がそうであったように、ほとんどが剥落してしまうと感じるから。
あのホールダン金物が、激しい上下動で千切れていたのですよ……。
もし私がやるならば、206の壁の外側に、土台から210のタルキを結ぶ204の通し壁を外側にもう一つ建てる。そして構造用合板、ないしはOSBで固めて、その間にロックウールを吹き込む。
これだったら i-smart の50ミリの外断熱に比べてもはるかに安全であり、耐震性、耐防火性でも安心出来る。
この仕様か、KMブラケットによる仕様、あるいは I ジョイストによる210または212の壁だと、i-smart よりは優れていると思う。対 i-smart 対策ということであれば、その3つに絞るべきだと考える。
そして、Q値は0.8W以下で、4kWの太陽光を搭載した坪価格が75万円以下であれば堂々とゼロ・エネルギーハウスを呼称してよい。
私だったら i-smart よりは、間違いなく地場ビルダーの方を選ぶ。

ところが、一条工務店も負けてはいない。
トリプルサッシを採用し、地中熱回収型全熱交を標準装備し、硬質ウレタンの特殊仕様だとQ値0.53Wという札幌市次世代基準の「ハイレベル基準」に適合する超高性能仕様を、近く宮の沢東展示場にお見絵させるという…。
つまり日本も、本格的なトリプルサッシの時代に突入する。
そうなれば、北海道ではQが0.7W、首都圏では0.8Wの性能が求められ、坪単価はそれでも76〜77万円という商品開発が求められる。
この性能と価格が、実現出来るかどうかが問われています。

いまどき、Q値が0.13Wとか0.11Wといっても、知っている消費者は振り向きもしない。
国交省や関係筋の先生方のように、無知な消費者を対象にして1.9Wなどという現実離れの話に貴社が拘泥していたら、貴方の会社は3年以内に倒産することになるでしょう。 国交省は潰れませんが…。


posted by uno2013 at 14:12| Comment(0) | ゼロエネルギーハウス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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