2013年04月15日

目標は40坪で、坪74万円でゼロエネルギーを達成する !!


一頃は、R-2000住宅のQ値1.4Wという輝かしい実績を上回って、如何にしてQ値が1.0Wの住宅にしてゆけるか !

あるいは、どうしたらパッシブハウス (年間一次消費電力を120kWh/u以下) が達成できるようになるか !

この数年間は、そういった観念的な目的論が中心になり、議論が進められてきました。 
早い話が、省エネ性能数値が目的化し、消費者の関心の高い耐震性や本当の快適性を如何に高めて、しかも消費者の手の届く価格にするか。
そして、どのようにしてゼロエネルギー住宅を達成するか。
そのような肝心の視点は、残念ながらなおざりにされてきました。
そして、政府と学者の作った観念的なHEMSによる2段階によるゼロエネルギー論なるものが横行し、補助金をつけることで経産省は新しい天下り先を確保。
そんなバカ騒動のおかげで、民間側は価格問題までは手を回わせる状態ではなかったというのが、正直なところでした…。

R-2000住宅が爆発的な普及を見せ、専業ビルダーが誕生出来たのは、PVCのペァーガラスが安く入手出来るようになったから…。
もちろんペァーガラスだけではありません。各種の断熱材の開発、性能のよい顕熱換気システムの開発、同時給排型台所換気扇システムの開発、あるいは気密断熱性能の良い床下点検システムなどの小物の開発までが揃って、初めて今までは得られなかった新鮮な室内空気質と、温度差のない快適空間が手に入るようになったのです。
それより一段上の快適性能を目指すには、何と言ってもトリプルサッシの開発が急務で、手ごろな価格での入手がカギを握ると考えられました。
私のこの数年間の主要行動は、それへ傾注させていました。

その時、意外や意外。 
大手住宅メーカーの一角で、もっぱら田舎のお大尽様を相手にしている会社だと考えられていた一条工務店が、Q値0.8Wを切る i-cube を開発したのです。
ともかく、観念的ではなく、日本でも超高性能住宅が、準パッシブハウス事業として軌道に乗せられる可能性が出現したのです。 
R-2000住宅にしがみついている企業の影が、あっという間に薄くなりました。

そして、その方向を決定づけたのが、一条工務店のフィリピン工場での太陽光パネルの生産でした。
たしかに、現在の中国では 大手だけではなく中小の精鋭太陽光発電メーカーが力をつけ、kW当たり15万円で搭載工事までを完了しているそうです。
当然のことながら、中国の次のターゲットは日本。
日本の大多数の家庭を犠牲にするメガソーラーの今年度の38円という価格設定は、絶好の好餌。 
中国の実態価格の2倍以上の価格を、ソフトバンクなどの政治力に押されて、経産省が今後20年間に亘って電力会社に強制的に買上させるのです。 それを高い電気代として国民から巻上げようと言うのですから、実質的な大増税。
そして、日本メーカーのシャープ、京セラ、パナソニックなどは、カラーテレビと同様に駆逐されて行くでしょう。 雇用機会は見事に失われてゆくのが目に見えています。

その中にあって、唯一わが世を謳っているのが一条工務店。
なにしろ、フィリピンの労賃は中国より相対的に大幅安…。 コンテナの運賃代の問題はありますが、中国並みの価格競争力を持っています。
現在のパネルの価格……5kW未満=44万円。5kW=42万円、7kW=38万円、9kW=34万円が、例え半値になったとしても、1条工務店は利益が計上出来るはず。
現に、同社の10kWまでの搭載工事費が6.6万円、金利は1%と言う数字は、ハイムなどの住宅メーカーが逆立ちしても敵わないもの。
この太陽光発電を初期費用「0」で、一条工務店が責任をもって搭載し、全戸の太陽光の発電量を本社で一括管理し、高い売電で一条工務店が償却してくれて、償却後は施主の物になるというのですから、一条工務店ブームが起こりました。

一条工務店は、一昨年から売り出した i-smart は、1.5寸勾配で、全戸太陽光搭載が必須条件。平均7kWが搭載とか。
もちろん、i-smart 以外の商品でも太陽光の搭載率は高く、90%を突破しています。
なかでも、Q値が自称0.82W、C値が0.59cu/uという i-smart の償却率が卓越しているので、ツーバィフォーだけで昨年は8000棟を突破し、戸数と金額の両方で三井ホームを追抜き、一条工務店が日本一のツーバィフォーメーカーになったはず。
ところが、住宅関係の報道機関は、一条工務店が付きあい広告を一切出してくれないので同社の動向を一向に追おうとしない。
また、有力なスポンサーである三井ホームのご機嫌を損なっては…ということもあってか、肝心の報道はネグレクトしたまま。 情けないサボり。

そして、北海道ではそれほどでもありませんが、内地では性能重視の中堅サラリーマン、なかでも理工出身のサラリーマン、開業医師関係、中小企業主、教師を中心とする地方公務員などの多くの施主が一条工務店へ走っています。
私のホームページの読者の60〜70%が一条工務店へ靡いたと思います。
ところが、どの施主も一条工務店オンリーで、大手住宅メーカーならびに地場工務店から相見積書をとってはいません。
内地では、性能を求めると大手住宅メーカーは気密性能で相手にならず、地場ビルダーは勉強不足と価格面で一条工務店には敵わないということを、賢明な消費者は完全に見抜いているからです。
したがって、「競合に負けて消費者の離反」 が進行していることに、残念ながらほとんどの地場ビルダーは気付いていません。 仕事が少なくなったのは、「どこまでも景気が悪いから」 と他人のせいにしています。
つまり、私のように消費者の移動が見えていないのです。 

ところが、一部の消費者からは批判精神を喪失して、一条ベッタリ派になりつつある者に対して、心の底で次第に反発を覚え、顰蹙を買いはじめています。
そして、i-smart の全熱交システム、ダブルハニカムシェード、Q値が0.9Wを切っているのにランニングコストのかかる床暖房システムの強要、除加湿システムの不完全さによる快適性の低さなどに対して、しだいに不満が蓄積されてきています。
太陽光で 「稼ぐ住宅キャンペーン」 に載せられ、肝心の快適性と社会性を忘れ、意地汚なく走りすぎたことへの反省が見え始めています。
まだまだ少数派にすぎませんが、一条工務店以外での 信頼出来るシステム探しがはじまってきています。

しかし、かつてのQ-1.0W運動とか、パッシブハウス運動と全く違う点があります。
それは、40坪で一条工務店の i-smart に匹敵する性能を持ち、快適さは i-smart 以上で、ゼロエネルギーハウスであって、価格は i-smart の坪74〜75万円で上がる……という厳しい条件が付いていることです。

地場ビルダーは、どちらかというと今まではスウェーデンハウスをターゲットにしてきました。 
おしゃれなデザインと、それなりの性能を備えた住宅を求める高額所得層こそが、美味しいお客であり、スウェーデンハウスが相手だと 価格で勝てる可能性がかなり大きかったからです。
しかし、スウェーデンハウスそのものがこうした顧客の縮小に悩んでいます。
お客様が大きく変わってきているのです。
これからは、一条工務店に勝てないようでは、早かれ遅かれ企業としての存在価値かなくなってゆくということ。

とくに強調しておきたいのは、一条工務店との差別化を図って行くには、私はデシカを中心としたセントラル空調換気が絶対条件になってくると考えています。
ところが、住宅のダクト施工に対しては、現場で苦労を積み上げた経験者がほとんど居ないと言う現実。
ビル建築の技術者では、つまりRC造や鉄骨造建築しかやっていない技術者では、木造の現場では使えないことが、ダイキンの例で証明されています。
それと、もう一つ肝心なことは、CADで書いた構造図では、絶対にダクトの配置がうまくゆかないということ。
これが基本的なポイントなのですが、ほとんどの空調関係者も住宅業者もビルダーも分かっていません。
2階とか3階の床根太内を上手くダクトスペースとして使えてこそ、初めて安価なセントラル空調換気システムが成立するのです。
CADの構造図を前提に考えると、40坪の住宅でもデシカを含めた空調換気工事費だけで300万円を突破し、とても坪74万円では収まってくれません。

今日の話は、具体例の少ない観念的なものになりましたが、別の機会に固定観念しか持っていない者と、CADに拘らずにダクト図がかけるものとの価格差がどれほど違うかを、実証してみたいと考えています。

いずれにしても、消費者が本質的に変わってきていることを知ろうとしない者は、消費者の手によって早かれ遅かれ、淘汰されます。



posted by uno2013 at 08:42| Comment(1) | ゼロエネルギーハウス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
具体的な数字で分かりやすいです。坪75万というのは、税込み・諸経費込み・エアコンやカーテン代込み・外構も含めてでしょうか?
Posted by 仲村 at 2013年04月15日 11:35
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