2013年02月25日

I ジョイストを壁に使う!!  A&Mカーベントリー社の挑戦!! (下)


A&Mカーベントリーという会社は、最近はもっぱらIジョイストのメーカーに徹しており、対象としているのはIジョイストの製造仲間のキーテック、新昭和などと、Iジョイストを根太材として積極的に採用している20数社程度のビルダーに限られている。
最近では、根太としてIジョイストを採用しょうというメーカーやビルダーが若干ではあるが増えてきている。 しかし、アメリカに比べるとまだまだ圧倒的に少ない。 
金物工法の木軸メーカーに、アメリカのプラットフォームの優れた概念が理解されておらず、本格的な導入計画がないから…。

まして横架材を、壁材としてタテ使いしょうなどと発想する酔狂なビルダーはいない。
このため、A&Mカンパーニー社は、Iジョイストメーカーでありながら、自ら建築業の資格をとり、耐力壁としての正式なテストを実行し、自分で構造計算を行って確認申請でハードルの高い「適合判定」を得て、新しい顧客層……つまり新需要を開拓している。
ツーバィフォー工法とヘビーティンバー工法で昔鳴らしたキネヅカが、今でも生きているという証拠と言えよう…。
そして、同社が考えているのは、単なるIジョイスト需要の拡がりではない。
Iジョイスを使うことによって、住宅の性能……つまりQ値を大きく上げ、ゼロエネルギー住宅へ限りなく近づけることにある。
極論すれば、一条工務店を上回る耐震、省エネ性能を担保して、「価格的にも一条工務店と十二分に対抗出来る商品をビルダーに提供できないか」 という開発意欲が根底にある。
私が同社に強く惹かれるのは、その意欲。

矩計図.JPG

大変に見難しくて申しわけないが、上図が同社の標準的な仕様を示す矩計図兼部分詳細図。
基礎断熱で、外側に防蟻処理をしたスタイロフォーム50ミリが施工され、土台も基礎厚も210の235ミリ。
もちろん基礎の配筋はダブル。

基礎配筋.JPG

そして、土台は今まで見たこともない210幅。 LVLの90×235ミリで防蟻塗装。
そして、その内側には30キロのEPSがなんと230ミリも。

基礎断熱.JPG

ここまでやる必要が関東地域であるのかどうか ?
私の個人的な意見だが、これはオーバー・スペック。
そして、写真を見てもわかる通り、1階床は大引き工法で、大引き間隔は610ミリで、T&G合板は28ミリ厚。 

スーパーJ.JPG

1階だけでなく2階のIジョイストの間隔も610ミリで、T&G合板厚は同じく28ミリ。もちろん接着剤併用で施工。

10p 9.1m.JPG

外壁合体.JPG

そして、外壁は既述のように210のIジョイストで、5間とか6間という一体壁に組んで、アイシネンを工場で充填発泡させている。それをクレーンで吊り、出隅は見事なまでにきっちり収まる。短いパネル工法の何倍かの感動が味わえる。 これこそが本来のツーバィフォー!!
さて、問題はこのIジョイストの性能値。 データがついていなかったのでU値を私の方で概算してみた。 その結果は、i-smart の2倍以上の0.12W強という驚くべき数値になった。
もちろん、マグサなども勘案した上での数値。 計算した私も半信半疑。

そして、この住宅に使われているPVCのトリプルサッシは、北総研で1.0Wの認定を得たもの。
ただし、この写真に出てくる大きな引違いサッシは、トリプルではない。トリプルにすると重くて年寄りは動かせない。 それで、敢えてU値1.7Wのペアにしたという。
年寄りの希望に応じて引違いサッシを採用したので、得られるはずだったC値は0.17cu/uからはずれて、この住宅のC値は0.26cu/uにとどまったという。 
スカスカの大きな引違いサッシを2ヶ所入れての0.26cu/uは、あっぱれというべきだろう。

気密性能が良いのは、両面にOSBを張ってその内部にアイシネンを工場で充填させたため。このため内壁面のベバーバリアの施工を省いている。 
当然のことながら、工場でアイシネンを充填させるために、配線や上水配管は外壁内部では行えない。
このため、FPの家では外壁を縦胴縁でふかし、通気層内で行っている。
A&M社でも、工場で端材として出てくる203材を部屋内側に横胴縁として入れ、その厚みを利用して配線と上水配管を行っている。 つまり、外壁厚は235+38=273ミリという巨大なものになり、地価の高い都心部では、簡単に採用出来るという代物ではない。

横胴プチ.JPG

この横胴縁方式は、どちらかというとドイツで開発されたもの。
地震のないドイツでは、石膏ボードまでを耐力壁として加算する必要はない。 
このため、森さんが鎌倉の家で採用したようにインテロをきちんと施工し、3×3.5センチの横胴縁をその部屋内側に入れてその隙間に配線と上水配管を行っている。 住宅の大きさをどこまでも内法空間で表現するドイツの場合は、地震がないのでこれで十分。

内部胴縁.JPG

そして、2階は下の写真のようにインテロのベバーバリアを先行させ、その上に配線をしてから天井面にも胴縁を入れて石膏ボードを張る。この点がドイツと北米との気密工事の大きく違うところ。

天井胴縁前.JPG

ところで、2階床周りの気密性能はどうして担保しているのか。
最初にA&M社の一番上の断面図を見た時、壁と同じように現場で空隙の中にアイシノンを現場発泡させているのだと考えた。
ところが社長に聞いたら、天井断熱は400ミリのセルローズファイバーで、これを吹込む時に同時に165ミリ程度のセルローズファイバーを2階床周りに施工するのだと言う。
そして、気密性能はアメリカのように根太の外側にベバーバリアを回してとる。 それで、0.17cu/uというC値を担保しているのだから、お見事と言える。
もちろん天井面は、2階の壁と一体のベバーバリアを施工する。

ドライウォール.JPG

それと強調したいのは、ドライウォール工事の見事さ。
A&M社は関連企業で、アメリカ並の精度が高いドライウォール工事をこなせる職人を抱えている。
お世辞ではなく、現時点では日本一と言える施工精度だった。

さて、問題は換気の熱回収率と住宅全体の価格。
この住宅の換気は特別なものではなく、一般的な顕熱換気。それなりに評価出来るが、除加湿機能がなく、またセントラル空調ではないので、残念ながら私の評価は低い。
しかし、価格的には十分に一条工務店に対抗出来るものを持っている。
何しろ、気密性能は一条の2〜3倍もよく、Q値はI-smart よりはあらゆる面で優れている。
したがって、地場のビルダーが一条対策商品として採用しても、かなりゆけるはず。
しかし、地場ビルダーが本格採用するには37条の特認がどうしても欲しい。
すぐにはムリだろうが、地場ビルダーは今から考慮の対象に加えておくのも悪いことではないはず。

そして、関東エリアの消費者の方で、このA&M社の断熱・気密・耐震性能と、それにプラスしてデシカのソフトな空調換気システムに高い関心をお持ちの方がおられたら、是非とも名乗りを挙げていただきたい。
A&M社に加え、ダイキンとオリエンタル社と優秀な設計士を交えて、比較的安価で、最高水準の住宅を入手出来るように、頑張ってみたい。 私への報酬は、ネットに表示してあるように交通費実費と、完成時の焼酎1本。
ただし、いろんなデータを取らせていただくことと、住宅内部を皆さんに公開する必要はないが、性能情報の公開は絶対的条件…。
年度内をメドに完成を目指しておられる方で、モルモットになっても良いという勇気ある方を求めます。 その勇気に応えられるだけの性能提供に、自信があります!!













posted by uno2013 at 08:39| Comment(0) | ゼロエネルギーハウス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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