2013年02月05日

一条工務店の価格と太陽光のイノベーション  i-smart 対策 (3)


前回、i-smart の登場で、単に寒冷地のT地域やU地域だけでなく、V地域やW地域においても、消費者が求める住宅性能――比較の対象となる住宅性能は、全国的に 「気密性能が0.6cu/uで、Q値は0.87Wになった」 と書いた。
「改正次世代省エネ基準」 なるものは、補助金という既得権にしがみついている大手住宅メーカーと、補助金でしか消費者にメリットを証明出来ない地場ビルダーのための後ろ向きの政策の小道具にすぎない。
消費者の利益に反する 「時代遅れの技術を正当化するためのまやかし法」 と言うのは 言い過ぎかもしれないが…。

さて、この i-smart の性能を、一条工務店はいくらで提供しているのか ?
一条工務店の公式な発表は、「延べ50坪の住宅で、坪58万円」 だった !?
しかし、50坪と言われても、実需は40坪前後の住宅が圧倒的に多いので、比較の対象としては相応しくない。
そこで、千葉の支店で、40坪の住宅の 実際の販売価格を教えてもらった。 もちろん、「これは《千葉価格》で、全国的に通用している価格ではありません」 という注釈付きではあるが…。
ご存じのように、i-smart には、階段室と押入れ以外のトイレ、浴室、和室を含めた全ての居住空間に床暖房が敷設されている。
そして、自称90%の熱回収の 「ロスガード90」 が付いている。
それらが付いた上で、「照明工事、カーテン工事、外構工事を別にして、坪67万円前後と言うところ」 とのこと。
この、照明、カーテン、外構工事を別途表示するのは この業界の常識。
それと、うっかり聞き忘れたがクーラー工事も別途のはず。(このことについては、残念ながら責任が持てません…)

ということは、照明、カーテン、外構、クーラー別で40坪で2680〜2700万円。
その他の工事を含めると3000万円前後ということになろう。
つまり、消費税別で、i-smart の全部を含めた坪単価は75万円前後と考えても それほど間違ってはいまい。
この価格に対して、貴社の提示価格はどうか ?
例えば、ドイツのパッシブハウス研究所の認定を得たにしても、坪価格が80万円であったなら、貴社はマスターペションを行っているにすぎない。 消費者は見向ももしてくれず、マーケットから去らねばならなくなる。 
市場価格を無視した性能住宅などというものは、世の中には存在しない。
しからば、坪75万円以下であれば、貴社の住宅は i-smart に対して、十分な価格競争力を持っていると言えるか ?
答えは、残念ながらNO。
i-smart はこの外に、平均7kWの太陽光発電を 施主の1銭の負担もなしで――つまり無料で搭載して、10年間程度の売電で一条工務店が責任を持って償却してくれるという特典がついている。

今年の春からは、今までの税込42円というクレージーな価格が引き下げられて、税込36〜38円という価格になろう。それでも諸外国に比べると2割以上も高い特別価格であることを お互いに自覚したい。 
この高価格を狙っているのは、なにも日本の消費者とメーカーと投機資本だけではない。中国のパネルメーカーも虎視眈々と狙っている。 中国メーカーの力は侮れない。彼らの10社近くは、中国に一つも需要がない時に、ドイツやスペインの需要を当てにして、最初からグローバル企業として設立された経緯を持っている。
そして、昨年春には世界一だったドイツのQセルズ社を倒産に追い込み、アメリカの1社を除くとドイツのマーケットをほぼ独占してきている。
これに対して日本国内の太陽光メーカーは、かつての半導体に続き、昨年は薄型テレビのトップ3社でなんと1兆6000億円の巨大な赤字を出したという惨状を受け継いで、同様の凋落の歴史を刻んでゆくであろう。 
菅元経済音痴総理とソフトバンクの孫社長は、日本の経済史に学ばず、投機資本におもねる間違った政策を強行採決した。 これは、たった1〜2年間だけ日本の太陽光発電メーカーに潤いをもたらしたが、結果的には日本のメーカーを奈落の底に突き落とす原因になる。 
そして忘れてはならないのが、これから20年以上に亘って日本の全国民に重い電気代の負担を強要する史上最悪の凶悪犯だということ。

しかし私は、メガソーラーの投機行為には大反対だが、全住宅に太陽光を搭載することには大賛成。 
そのためには、これから20年間に亘って新設される全ての住宅と既存住宅に搭載される10kW以下の太陽光発電の余剰電力は、10年間は黙って30円前後で買い上げるべきだと主張している。
これだと、i-smart の性能だと、自家消費の電力を全て賄った上での余剰電力で償却するのに、7kWだと最低10数年間はかかろう。かかってもよいではないですか !!
一条工務店をはじめ多くの住宅企業や消費者の一部には、太陽光発電は全国民の負担の上に成り立っているシステムだということを忘れて、投機資本と同じ感覚で太陽光を利殖行為と捉えて煽っているミスリードが目立ち過ぎ。 これは恥ずべき、醜き行為。
太陽光は、自分の住宅で使うエネルギーや、自動車に使うエネルギーを最小限にしてゆくという点にこそ、最大の目的と意義がある。
そして、i-smart がパッシブハウス以上の偉業を成し遂げたと言えるのは、住宅性能の高さと独自の太陽光システムによって、世界で最初に 《商業的にゼロ・エネルギーハウスを達成した》 という点にある。 
つまり、実質的にパッシブハウスを凌駕した 世界に誇れるシステム。

ちなみに、経産省と国交省がゼロ・エネルギー住宅普及のために本年度に用意した補助金対象枠は2400戸。 本年度だけでその3倍近い7000戸のゼロ・エネルギー住宅を単独で開拓した一条工務店のイノベーション能力は、再認識するだけの価値がある。
そして、消費者にとっては税金からの援助がなくても、適正な価格で高性能住宅が得られ、自己資本を用意しなくても太陽光が搭載されてゼロ・エネルギーになっただけではなく、10数年でその設備が償却されて自分のものになる。

これが補助金だと、申請や施工の時期が極端に限定されている上に、やたらと資料の提出が求められ、それでいて完全に補助金が得られるという保証が 大手プレハブを対象にした経産省の補助金以外にない。
こんな、宝くじを当てるような不安定な補助金制度に頼らなくても、一条工務店を選ぶことで補助金制度以上のメリットが消費者は得られる。 
だから i-smart は売れている。

それでは、ここで改めて一条工務店の夢発電のおさらいをしたい。(金利は年1%、10年として計算。パネル設置に伴う各種補助金は考慮していない)

       kW当りパネル単価 パネル費 工事費  金利  合計価格
5kW未満        44万円    万円   万円   万円   万円
5kW          42      210    6.6   11.1  227.7
6kW          40      240    6.6   12.6  259.2
7kW          38      266    6.6   14.0  286.6
8kW          36      288    6.6   15.1  309.7
9kW          34      306    6.6   16.0  318.6
9.88kW         32.22     318    6.6   16.6  341.2

上表でまず気付くのは工事費の安さ。
9.88kWの場合で6.6万円と表示されている。 それ以下の場合はもっと安いのかも知れない…。 
それと一条工務店の場合は金利費が1%。
パネル費+工事費の金利費を10年間として計算したのが上表の合計価格。 驚くほど安い。
仮に、他社に依頼して7kWのパネルを一条工務店並の266万円で入手出来たとする。しかし、工事費は最低でも10%はかかるから、それだけで一条より20万円高になる。 この工事費が15%としたら33.3万円高に。 
それに、金利費が最低でも2%は見なければならない。 とすると工事費がパネル費の10%の時は、工事費+金利費で323.6万円となり、一条工務店の286.6万円より37万円高に。 工事費を15%とすると51万円高となる。

つまり、i-smart と同じQ値0.87Wの住宅でも、7kWの太陽光を搭載するとしたら、37〜51万円以上のハンデが最初からビルダー側にあるということ。 坪1〜3万円以上のハンデを、最初から考えておかねばならない。
i-smart に勝つには、全ての空調換気の設備費の外に、照明、カーテン、外構工事費と会社の一切の経費と利益の外に、太陽光発電の搭載と売電に関わるあらゆる管理経費を入れて、72〜73万円であげなければならない。
一条工務店は、全戸の太陽光の発電量や売電量などをコンピューターで結んで本社で一括管理できるシステムを完備している。
地場ビルダーが同じシステムを構築するには、どうしてもメーカーか代理店の力を借りねばならない。
単にパネルが安いからと言って、メガソーラーの無国籍の投機家のように 中国産へ走るというわけにはゆかない。
i-smart に対抗してゆくには、いい加減な気持ちで太陽光発電に対峙してはならない。一条工務店並の太陽光の管理システムまでをマスターしてゆく覚悟が不可欠の条件に。

その上で、i-smart を上回るメリット……消費者が一条工務店ではなく、地場ビルダーを選んで良かったと実感出来る明確なメリットを提示してゆかなければならない。
そのメリットが提示出来ない限り、一条の牙城は崩せない。

それでは、i-smart を上回るメリットとは、具体的にどんなものであるかを、次回に見ていくことにしょう。

posted by uno2013 at 06:44| Comment(0) | ゼロエネルギーハウス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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