2013年01月15日

家庭用デシカは4月からセントラルシステム用として使える!! (下)


先に書きましたように、旧臘19日にダイキンの東京支社で、デシカを開発した主任技師以下の方々から、私のつたない質問と要望に対して懇切な説明を受けました。
その結果、下記の3点については同意と言いますか、お互いが納得することが出来ました。 
また、それ以外に求めた3点の検討項目については、必ずしも4月までと期限は切らずに引き続き検討していただけることになりました。

《同意 1》  4月から発売する予定の寒冷地用と一般内地用デシカ・ホームエアには、今までの換気回数0.5回転以外に0.3回転ないしは0.35回転の換気機能を設置する。

(注)  ご案内のように、外気温度−10℃対応の一般内地向けのデシカ・ホームエアの換気容量は250m3。 これに対して4月から発売予定の外気温−20℃対応のデシカ・ホームエアは、機器そのものを断熱材で囲むので換気容量は200m3となります。
そして、発売と同時に換気回数を0.5回転以外に、150CMHの最小風量が付加されて250CMHだと0.3回転相当、 ないしは200CMHの風量を付加した0.35回転相当の換気回数のいずれかが追加されます。
この寒冷地用の追加に伴って、一般内地用デシカ・ホームエアにも、4月の出荷予定から0.5回転以外に0.3回転ないしは0.35回転の換気回数のいずれかが追加されます。
追加する風量を0.3回転にするか0.35回転にするかは、マーケットの動向調査を行ってダイキンの責任で決定されます。
なお、これ以外に、0.2〜0.25回転の換気回数が選べるようにして欲しいという要望を出しましたが、システムそのものを根本的に見直さねばならず、現時点では技術的に困難、との回答。 
したがって、当面は0.5回転と0.3〜0.35回転の2つの換気回数になります。 そして、業務用のデシカに関しては、従来通り0.5回転のみ。

これは、画期的な一歩前進だと思います。 消費者にとって選択の幅が増えました。 ただ、0.3回転がよいか0.35回転がよいかについては、それぞれの消費者の立場で異なってきます。大きな住宅だと0.3回転が理想的だし、40坪前後の小さな住宅の場合だと0.35回転が望ましいように感じられます。 まして、200m3の寒冷地仕様では…。 
しかし、これはどこまでもメーカーの責任で決められるもので、成り行きを注目したいと思います。

《合同意 2》  「OAとEAは別の壁に設置し、同一の壁に設置する場合は出来るだけ1.8メートル以上の距離を離す」 との内規を、ビルダー及び工事店が自主的に設けることは自由。

(注)  日本の建築基準法などで、OA (外気給気口) と、EA (外気排気口) の位置について特別の規定がありません。 
したがって、これはビルダーならびに工事業者にとっても<内規>として扱うべき性格のもので、その方が手っとり早い。 
そして、消費者のために確実に実現して行く努力目標。
消費者に対しては、「院内感染を誘発しかねない危険性を、自主的に避けています」と、積極的に訴えてゆくことが有効。 
意識が遅れている他社に対する差別化として大いに活用して行く価値があります。

《合同意 3》  塩素系洗剤を使わないという消費者の合意が得られた場合は、浴室・トイレ・台所などからの24時間排気をセントラル換気システムに組み込んでも、機械的には特に問題はなさそうというのがダイキンの判断。ただし、後述する (検討事項 2) の臭いについては、別途考えてゆく必要がある。

(注)  ダイキンとしては、「浴室、トイレ、台所などからの24時間排気を積極的に推奨してゆく」 とは、現時点では口が裂けても言えない。 
その理由は、塩素系や酸素系の洗剤、漂白剤が出回っているから。
浴室やトイレに中性洗剤だけが使われている場合は問題がありません。
しかし、浴室のカビ取り剤・排水パイプ用洗剤・トイレ用洗剤・台所漂白剤として塩素系の漂白剤、洗剤が往々にして多用されている現状を考えると、メーカーとしては二の足を踏まざるを得ないのが現状。
この種の塩素系洗剤や漂白剤を使用する時は、窓を全開にして、マスクをし、眼鏡をかけ、ゴム手袋を着用しなければならない。 とくに、トイレの漂白剤には塩素系の外に酸素系漂白剤が売られている。 この2種類の漂白剤を同時に使うことは、<絶対厳禁>と商品に明示されている。 ところが、それでもうっかり使って問題を起こしている例が現存しています。
このように、塩素系や酸素系の漂白剤などは人体に危険があるだけでなく、デシカのハイブリッド素子にも「悪さ」をする。 そして、消費者の誤用をタナにあげて、製造物責任ということでメーカーにツケが回されてくる場合が多い。 それが消極性な 「局所排気容認」 という形になっています。

つまり、ビルダーや工事店が、積極的に消費者に働きかけ、「中性洗剤以外は使わないと決断し、もし万が一消費者が間違えて問題を起こした時は、一切を消費者の自己責任とする」 というルールが確立した場合。  当然のことながら、この場合は ダイキンは浴室、トイレ、台所からの24時間排気をセントラル換気に組み込むことには、何ら反対できないでしょう。

実際問題として、中性洗剤しか使わないことが消費者にとって大きなリスクになることはありません。 なぜなら、水回りから24時間連続排気を行うことによって、浴室、トイレ、台所でカビが生えることがほぼ皆無に。 カビが生えないと漂白剤を使う必要がないからです。 
唯一ある場合は、排水パイプの洗浄。 この時は、工事業者に相談して、換気の稼働を止め、浴室・トイレ・台所などの排気口を密閉して行えば、デシカのハイブリッド素子に何一つ負担をかけません。

むしろ一番問題になるのは、海外や国内赴任などで、長期間他人に家を貸す場合とか、新居を転売する場合。 
この時は、必ずビルダーと工事業者に事前に連絡してもらい、新しい入居者に<デシカセントラル空調換気住宅での生活の栞>を渡し、中性洗剤しか使わないことを納得してもらうことが、絶対的な条件になってきます。

《検討事項 1》  除加湿機能付きセントラル空調換気システムにおける風量、温度、湿度管理にはどの程度の精度が必要かを、さらに検討する。

(注)  これは、端的に言えばオリエンタル冷熱が中心になって進めてきた分配器による各室専用ダクトシステムによるのか、それとも途中まで太いダクトで送り、吹出し口で調整した方が良いのか、というシステムの選択の問題。
もちろん精度的には分配器方式が格段に優れていると考えられますが、コスト的に考えれば吹出し口調節の方が優れていると考えられます。
その精度差とコスト差がどれほどであるかを消費者に明示して、消費者が自在に選択できるようにしてゆくことは必要で、引き続き実証試験などを重ねてゆく必要があります。
しかし分配器方式は、現時点では全ての工事店でこなせないという問題があるのはまぎれもない事実であり、この結論は4月までに出せるという内容のものではありません。

《検討事項 2》  浴室・トイレからの24時間排気を前提にした場合の、求められる光触媒の機能。

(注)  ダイキンが一条工務店の仕様書発注で生産を開始したベンティエール。 これをセントラル空調換気システムに採用するに当たって、エアテクノ東京のサジェスチョンを得ました。 具体的には浴室・トイレからの臭いとウィルスの移転を考えて、ベンティエールへ戻る直前のRAダクトに光触媒機能を設置しました。 この機能は有効に働いています。
ご案内のように、ダイキンには光ストリーマーをはじめとして各種の空気清浄機があります。 当然のことながら、施主の要望や条件によって採用する内容は変わってくると思います。 しかし、デシカ・ホームエアの標準品として採用する場合には、最低どれだけの性能値が求められるかについては、これからの研究課題の一つとして考えて頂きたいと思います。
それと、病院やクリニックに必要とされるかもしれないタマゴ型モデル。他社のダチョウ抗体フィルター付き清浄機等との比較データなども、施主から求められてくるものと考えられます。

《検討事項 3》  相対湿度表示だけでなく、絶対湿度表示を取扱説明書の中でも良いから表示していただきたい。

(注)  デシカ・ホームエアは、夏冬とも強、標準、弱の調節が出来ます。

夏期の除湿は、 強 40%   標準 50%   弱 60%
冬期の加湿は、 強 50%   標準 40%   弱 30%

しかし、ご存じのように、相対湿度は設定温度によって変わってきます。 
1℃温度が変わると相対湿度は3%程度変化します。 したがって、相対湿度だけの表示では、消費者の節電意欲を刺激しないことも考えられます。 このため、「相対湿度表示だけでなく、絶対湿度表示を取扱説明書の中でも良いから、表示して欲しい」とお願いしております。
実際問題として、現在のデシカは絶対湿度で制御されています。
しかし、「素人は絶対湿度のことが分からない。相対湿度表示じゃないと理解されない」 という先入観があります。 最近の消費者の学習能力はすごく、 空気線図で説明すれば、簡単に絶対湿度の重要さを理解してくれます。 したがって新しい「取説」では相対湿度表示の外に、絶対湿度表示による解説が追加されるものと考えております。

S邸での2年間に及ぶささやかな経験から言えることは、夏期は絶対湿度が 10グラムが理想的。 この10グラムを「標準」と捉えるか、「強」と捉えるかはお任せ。
10グラムだと29℃だと相対湿度は40%。 30℃だと37%。 32℃だと34%。
いずれも快適。つまり29℃でなくても32℃でも苦にならない。 私の個人的な快適度は34℃で相対湿度が30%。 少し暑く感じた時は扇子か扇風機で十分。 これだと夏期の冷房費はほとんどかかりません。
ただし、お肌が気になる女性の場合は 相対湿度を37%以下にするのには抵抗感があります。したがって、30℃で37%が最も標準的と言えるのかもしれません。
一方、冬期の絶対湿度は8グラムが理想的。
これだと23℃で相対湿度が46%、21.5℃で50%。 そして20℃の設定温度でよければ、相対湿度は55%にもなります。
何回も書いていることですが、相対湿度が50%〜70%の間だとウィルスは発生しません。 とくに幼児や高齢者にとっては風邪を引く心配がなく、ノドも乾かず、文字通り超快適。 
それだけでなく、造作材、壁材に一切の隙間や亀裂が生ぜず、冬期のクレームが皆無になるという特大のメリットが消費者側とビルダー側にあります。
しかし、相対湿度が45%を越えるとU値が1.5W以下のサッシには結露が生じてきて、カビの発生が問題になってきます。 したがって、やたらに冬期の相対湿度を高くする訳にはゆきません。 
当然、地域ごとに多面的な検討が必要となってくることが考えられます。
そして、現在の 「強、標準、弱」 の基準を地域毎に見直す必要が生じるかもしれません。 その場合に柔軟に対応出来るように技術面での蓄積を期待しています。

こうした検討事項以外にも、デシカ工事の実施に伴って具体的検討項目が多々発生してくるでしょう。 
しかし、見てきたようにいくつかの条件を守れば、デシカ・ホームエアは除加湿機能付きセントラル空調換気システム用として十二分に活用出来る見通しが得られてきました。 これは、非常に喜ばしいことです。
だが、何しろデシカ・ホームエア本体の定価は102万5000円。
簡易除湿器や簡易加湿器のように安易に使うわけにはゆきません。
とくに問題になるのは、これを扱う地場ビルダーやハウスメーカーの姿勢。

地場ビルダーやハウスメーカーが今対決を求められているのは、今までの大手住宅メーカーの低性能・高価格商品ではなく、一条工務店の i-smart という高性能・適価格商品。 しかも7kWの太陽光発電がタダで搭載出来るというゼロ・エネルギー住宅というとてつもない強敵。
この i-smart に対抗して行くには、価格は同じでも快適性能がはるかに上回っていなければ勝機はありません。 その快適性能を保証してくれるのが私は家庭用デシカだと確信しています。

それではどのような戦略を樹立し、どのような戦術で i-smart を攻めてゆけばよいのか。 それは、稿を改めて考えてゆきたいと思います。
posted by uno2013 at 07:51| Comment(1) | 除加湿・空調・換気 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつも楽しく拝見させて頂いております。

一条工務店がデシカを採用すれば生産量が上がり価格が下がるのではないでしょうか?
Posted by かま at 2013年01月17日 08:52
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