エコプロダクツというと、なによりも目につくのがエコカー。
トヨタは15日の発売を前に、燃料電池車 「ミライ」 を展示していただけではなく、公道での初の試乗用としてミライを提供。 長い行列が出来ていた。
これに対して、ホンダも燃料電池車の最新作を公開。 それだけでなく、車で発電した電気を家庭に送る装置も展示していた。
この外で注目されたのは、ヨコハマ 「チョイモビ」 システム。 これは月1000円の会費を払うと50分まで下写真の小型車が無料で使えるほか、50分以降は1分毎に20円払えば利用出来るというもの。
利用出来るステーションは、東神奈川駅エリア2ヶ所、横浜駅西口エリア7ヶ所、横浜駅東口エリア3ヶ所、みなとみらい駅エリア10ヶ所、桜木町・戸部駅エリア5ヶ所、馬車道エリア7ヶ所、日大駅エリア2ヶ所、元町・中華街エリア3ヶ所、関内駅・日ノで町エリア10ヶ所、石川駅エリア3ヶ所、山手・本牧・三景渓園エリア6ヶ所と53ヶ所あり、庶民の足として定着しているもの。
この外では、パナソニックの光触媒で空気ではなく水を浄化する装置や、旭化成の殺菌効果を持った深紫外線を出すLEDなどが注目された。
一方、環境省は温暖化防止として、平成26年度の環境大臣賞として下記の技術を表彰している。
技術開発・製品化部門として7件。
●大阪ガスのエネルギー創出型排水処理の開発。 これは、従来は焼却されていた有機物を含む排水を、触媒を用いて液相処理するとともに、有機物をメタンガスに転換してエネルギーとして取り出すプロセスを開発したもの。
●KFT社の光冷暖房システム。 先にネットフォーラムで紹介したものだが、環境大臣賞を受賞しているとは知らなかった。 会場に展示しているかと探してみたが、残念ながら発見することは出来なかった。
●中国電力・鹿島建設・電化工業のCO2をゼロに出来るコンクリート「CO2-SUICOM」の開発。
コンクリートがCO2に反応することに着目し、コンクリート内にCO2を固定・貯留するもの。 道路用に利用されるコンクリート160万m3を本製品に置き換えると年に50万トンのCO2が削減可能。
●中国塗料の、船底防汚染料の開発で船舶の燃費向上。
●東芝テックの高齢者、単身世帯用の最小梱包用画像処理式POSシステムの開発。
●ブリジストンの次世代エコタイヤの開発。
●マツダの新世代技術「SKYアクティブ・テクノロジー」の開発。
また、対策技術先進導入部門として、下記の3件。
●NSスチレンモノマーの大分石油化学コンビナート4プラント連携による省エネ
●三建設備の、つくばみらい技術センターにおける風と太陽と地中熱を利用したゼロ・エネルギー化を目指した改修工事
●大成建設の、新宿におけるゼロ・エネルギーの実証棟の建設。
こうした 環境大臣賞を受賞した技術の出展がないかと探したが、1人では見つけることが出来なかった。
住宅では、ダイワハウス、セキスイハイム、旭化成、スウェーデンハウスが出展していたが、見るべきものはなし。
サッシでは、YKKがトリプル樹脂サッシ (APW 430) と防火樹脂サッシ (APW 330) を出展。
サッシの種類は、引違いがなくて、タテ辷り出し窓と FIXとタテ辷り出し窓の連窓のみ。 ただし、2270と2070のテラス窓が用意されている。
トリプルガラスの内外の2枚の内側ダブルのLow-E膜がコーティングされており、アルゴンガスもダブルに入っている。
これで、JIS A 4710:2004に準じた社内試験の結果では、U値が0.91Wで、日射取得率は0.46。 どこまでも社内試験。 しかし、樹脂サッシの0812で ビルダー渡し価格で5万円を切っていることは注目に値する。
一方、防火樹脂サッシは、現時点では網入りのペアのみ。 このためU値は1.95W (JIS A 2102:2011に準じて解析したもの) で、日射取得率は0.45。
同社以外に、3社がサッシを展示していたが、いずれもU値が低すぎて対象外。
また、除加湿や換気に関しては、見るべきものがなかった。
このほかで目にとまったものと言うと、竹中工務店の集成材による大断面柱の不燃構造。
ご案内のように、大断面木構造は、表面2.5センチば燃える。 しかし、2.5センチの炭化層が出来ると、それ以上は炭化層のために酸素が供給されないので、大断面木造は燃えて倒壊するということはないと言われてきた。
ところが、竹中工務店では、念には念を入れろということで、燃え代層の部分に、モルタルの燃え止まり層を設けて、熱を吸収することで完全に荷重支持層を保護している。
本当にこうした燃え止まり層が必要かどうかは議論があるところ。 しかし、竹中工務店では、こうした柱を用いてもRC造に比べるとコストはリーズナブルだとしている。
また、横架材との結合には大断面の金物を用意しており、6階建の中層ビルなどは軽くこなせるとしている。
もう1つ驚いた展示があった。
それは、日本建設業連合会の 「生物の多様性 保全と持続可能な利用の実践」 という かなり大きなブースへの出展。
テーマは、@森の生物との共生 A緑の自然の再生 B水辺環境の創設 C生息環境を守る D水辺環境の再生 E緑のネットワーク化 F街に自然を創る G海辺の生物との共生 H海辺の自然を守る、ということだけを展示している。 土建屋さん的な印象は一切なし。
なんだか肩すかしを喰ったような、嬉しいような、変な気分にさせられた。
なお、会場内でいくつかのセミナーが開催されていたが、テーマが変わり映えしなく、林業問題には未練があったが、今回は聞かずに帰ってきました。